大学の推薦・AO入試の面接でよく聞かれる質問と回答例
学業成績だけによらない合否基準を設けるという趣旨で試験を実施する大学が増えたことにより、結果的に面接の重要度が高まっているのです。
面接で聞かれる質問は大学によってさまざまですが、よく聞かれる代表的な質問も存在します。
そこで、面接でよく聞かれる質問と回答例をまとめました。
大学入試の面接に挑戦しようと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
志望理由や入学後にやりたいことについて
AO入試・推薦入試の面接で必ず聞かれる質問の1つに志望理由があります。
その大学を目指す理由が明確でない学生よりも、「この大学だからこそ学べることがある」という学生を優先的に合格させたいと大学側は考えているからです。
志望理由が明確な学生は入学後も意欲的に学ぶ可能性が高いことから、面接においても非常に重視される質問項目と言えます。
なぜ本学の〇〇学部を志望したのですか?
回答例
「高校1年のとき、現代社会の授業でフェイクニュースの実態についてチームで調べ、発表したことがあります。
SNSなど身近な媒体にいかに多くのフェイクニュースが溢れているかを知って驚き、同時に私自身もフェイクニュースを拡散してしまわないよう注意を払う必要があると実感しました。
この経験がきっかけとなって、大学ではフェイクニュースについてより深く研究したいと考えるようになりました。
先輩方の卒業論文をゼミのWebサイトで拝見したところ、私と同じようにフェイクニュースが社会に与える影響について研究なさっている方々がいらっしゃいました。
まさに私が研究したいと考えている分野を深く探究できる環境が用意されていると感じ、貴校の社会学部を志望することにしました。」
回答のポイント
その大学を志望するきっかけとなったエピソードと、入学後に取り組みたいことがつながっていることが重要です。
エピソードはできるだけ具体的に、5W1Hを明確にして伝えるようにしましょう。
また、その大学だからこそ打ち込めることが志望動機になっていることも大切です。
他の大学ではなくその大学だからできることを挙げることで、説得力のある志望動機になります。
本学でどのような研究をしたいですか?
回答例
「フェイクニュースを拡散させる行動を取ってしまった人が、時間の経過とともにどのような心境になっていくのか、もしくは誤りを認めないケースが多いのか、追跡調査していく研究に取り組みたいです。
高校の授業で行った発表では、調査期間や対象が限られていたため、身近な同級生に一度ヒアリングをするに留まっていました。
しかし、同じ人でも時間の経過とともに自分が発信した情報の誤りに気づいたり、それによって行動を改めたりすることもあるはずです。
フェイクニュースは今後も社会問題として重要なテーマになると思いますので、時間をかけて追跡調査する研究に取り組んでみたいです。」
回答のポイント
取り組みたい研究内容をできるだけ具体的に伝えましょう。
「経済の研究です」「社会学関係の研究に取り組みたいです」といった漠然とした回答では、実際にその研究に取り組む姿をイメージすることができません。
その研究テーマに関心を持ったときのエピソードも交えながら、なぜその研究に取り組みたいのかを明確に伝えることが大切です。
オープンキャンパスの印象はどうでしたか?
回答例
「図書館の蔵書が高校と比べものにならないほど充実しており、専門的な内容のものも数多く並べられていたのが印象に残っています。
自習スペースもたくさん用意されていましたので、落ち着いて研究に打ち込めそうだと感じました。
引率していただいた先輩方の説明も分かりやすく、学部の研究内容について教えていただく機会もいただけました。
とくにゼミでの研究の様子は知りたいと思っていたことでしたので、直接お話を伺うことができ、自ら課題を見つけて学んでいく姿勢を持つことが大切だと改めて実感しました。」
オープンキャンパスを通じて、貴校で学ぶイメージがより具体的になったと感じています。
回答のポイント
通学の便利さや学食の様子など、大学生活に関わる身近な点もオープンキャンパスでは気になるところではあるのですが、面接では学業に直接関わることを中心に答えるようにしましょう。
落ち着いてじっくりと勉学に打ち込めそうだと感じたことや、研究施設・設備が充実していることなど、入学後に研究に打ち込むことを前提として見学していたことが伝わるように答えるのがポイントです。
自分自身や高校生活について
面接ではその人自身のことやこれまでの高校生活についてもよく聞かれます。
シンプルに人柄や高校生活での実績を知りたいという理由もありますが、質問の意図はこれだけではありません。
自分自身のことを的確に客観視できている人や、自己評価が適切にできている人は、能力面においても高く評価されるのです。
次のような質問は、自分自身や高校生活についてたずねる典型的な質問と言えます。
あなたの長所と短所は何ですか?
回答例
「困難が立ちはだかっても決して諦めないのが私の長所です。
高校では陸上部に所属していますが、2年の春先に練習中けがをしてしまい、1ヶ月間ほど練習できない期間がありました。
夏の試合に向けて調整を始める時期でしたので、1ヶ月間ブランクがあるようでは試合出場も危ぶまれる状況でした。
完治してからはリハビリを行いつつ、できるだけ早く練習に復帰できるようできることは全て試しました。
調整期間は短くなってしまいましたが、その分だけ人よりも個人練習の時間を増やし、朝晩走り込みを続けたことで、夏の試合では思い通りのタイムを出すことができました。
短所は要領がよくないところです。
がむしゃらに努力しようとしてしまうので、要領よく物事をこなせる人のことが羨ましくなることもあります。
大学で学業に打ち込める時間は限られていますので、先生方や先輩方にアドバイスをいただきながら、目標とする研究成果が出せるように取り組みたいと考えています。」
回答のポイント
謙遜して長所を控えめに伝える人がいますが、限られた面接の時間内で伝えた内容は合否に影響を与えますので、必要以上に遠慮することなく長所・短所を明確に伝えましょう。
短所には改善するための対策や努力したいことを付け加え、前向きに改善しようとしている様子が伝わるようにすると、好印象を持ってもらいやすくなります。
将来就きたい職業は何ですか?
回答例
「まだ具体的な職種などは決めていませんが、世の中で求められている情報を発信するメディア関係の仕事に携わりたいと考えています。
高度情報化社会と言われるようになり多くの情報が溢れていますが、本当に必要な情報の本質は今後も変わらないのではないかと考えています。
どのような発信の仕方がこれから求められていくのか、大学での研究を通じてこれから見極めて決めていきたいと考えています。」
回答のポイント
大学で学ぶことが将来の目標につながっていくイメージを持つことができているかどうかがポイントです。
もちろん具体的な職業が決まっているほうが望ましいのですが、必ずしも具体的な職種まで決まっていなくても構いません。
職業の選択という重要な問題に対して、真摯に向き合って考えていることが伝わることが重要です。
就きたい職業についてはよく聞かれる質問事項なので、あらかじめ答えを用意しておき、「とくに考えていません」といった回答を避けるようにしましょう。
高校生活で力を入れてきたことは何ですか?
回答例
「1年・2年とも生徒会に参加し、2年では文化祭の実行委員長を務めました。
生徒会のメンバーはそれぞれ皆しっかりと意見を持っていたので、意見が合わないときや意図がきちんと伝わらなかったとき、間に入って調整することに苦労しました。
ささいなことでもていねいに説明することと、相手の言い分を最後まで聞くことを心がけてきました。
人とのコミュニケーションを図る上でまだ課題はたくさんあると感じていますが、生徒会での活動を通じて意見の伝え方や調整の仕方をメンバーから教わった面もたくさんあったと思います。」
回答のポイント
学業以外の高校生活について様子を知るための質問です。
実績をあげたことや成功したことをアピールするのも間違いではありませんが、活動を通じて迷ったことや困難を乗り越えたことについて触れるのも、真剣に取り組んできた証拠として見てもらえる場合があります。
その経験を通じて成長したかどうかが重要な点ですので、「修学旅行が楽しかったです」など単なる感想にならないように注意しましょう。
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学部・学科に関する知識や興味関心について
推薦入試やAO入試は学部・学科単位で実施されます。
志望する学部・学科にどのくらい関心を持っているのかを把握しておくことは、学生自身の適性や意欲を知る上で重要な要素となります。
まれに学部・学科の研究内容に関連する知識を問われることがありますが、どれだけ専門知識があるかが問われるというよりは、興味関心の度合いを見られていると考えたほうがいいでしょう。
最近気になったニュースは何ですか?
回答例
「原油の先物価格が史上初のマイナスになったというニュースに衝撃を受けました。
一時的なことだったとはいえ、私たちの暮らしになくてはならないと思われてきた原油が供給過剰になってしまうのは、おそらく誰も想像していなかった事態だったと思います。
今後、私たちの暮らし方や資源に対する考え方が変化していけば、原油の価値そのものも大きく変化する可能性がないとは言い切れません。
経済が私たちの暮らしが密接に関わっており、世界の動きを知る上で欠かせないものだと改めて実感したニュースでした。」
回答のポイント
直近のニュースで印象に残ったものをいくつかピックアップし、説明できるようにしておきましょう。
経済学部志望であれば経済関連のニュース、理工学部であれば科学やテクノロジー関連のニュースといったように、志望する学部と関わりのあるニュースのほうが望ましいです。
学部の研究内容と関わるニュースに関心を持っているということは、学部への興味関心が高いことを間接的に伝えることになります。
円高とはどうなることですか?(経済学部の例)
回答例
「外貨に対して円の価値が高くなりますので、輸出においては不利になる反面、輸入においては有利に働きやすくなります。
輸出品は外国で売られる際に価格が高くなるため、競争力が低下することが懸念されます。
一方、輸入製品はより安く買うことができるようになりますので、国内で流通する場合も物価が下がり、デフレが生じやすくなる傾向があります。」
回答のポイント
高校までの履修内容で答えられる範囲で、志望する学部・学科の専門領域に関わる質問をされる場合があります。
その分野にどんなに詳しくても大学教授の知識量にはかないませんので、自分の知っている範囲のことを堂々と答えれば問題ありません。
志望する学部・学科に適性があるかどうかを見られていますので、全く答えられない事態にならないよう、日ごろから意識的に知識を吸収するようにしておきましょう。
この記事のまとめ
面接にのぞむにあたって「準備」は非常に重要です。
ここに挙げたような典型的な質問事項に対しては、必ず回答を1〜2パターン用意してのぞむようにしましょう。
想定される質問が多くなればなるほど、想定外の質問をされた場合にも落ち着いて対処しやすくなります。
高校で模擬面接をしてもらうなどして、事前にしっかりと対策を練っておくことが大切です。
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