納棺師の志望動機・面接

入社後8割が辞めていく

はじめに納棺師が離職率の高い職業であることを覚えておきましょう。せっかく採用されてもその80%が退職するともいわれています。

これは日々、葬儀という厳粛な場に出向いて遺体を扱うという業務の特性上、適性がはっきりとしていることが理由として考えられます。

したがって、綿密な職業研究を行った上で自身と向き合い、確固たる志望動機を構築せずして志すべき職業ではないといっても過言ではありません。

映画はきっかけ程度にとどめるべき

2008年に公開された映画『おくりびと』はアカデミー賞外国語映画賞、日本アカデミー賞を受賞するなど、国内外で高く評価されました。

納棺師を題材としたこの作品をきっかけにこの職業も大きく注目されるようになり、これにともなって志願者も増加したといわれています。

しかし当然のことながらいくら素晴らしい映画であっても納棺師のすべてが描き切れているわけではないのが正直なところです。

つまり、映画に感銘を受けたことだけを志望動機に据えるのは極めて危険であるといわざるをえません。

実際の面接でも映画の感想を中心に志望動機を語る人が少なくないようで、採用側からは困惑の声も聞かれます。

もちろん、映画をきっかけに納棺師の仕事に興味を持つことは悪いことではありません。

その後、自身で職業研究を行い、自身の適性に照らし合わせていくことでオリジナリティのある志望動機を構成していくことが大切なのです。

実際の経験をもとに

現在活躍中の納棺師の多くは入職前に身内の葬儀の席などで納棺師の仕事を実際に目にしています。

その仕事ぶりに心を動かされ、志願するに至ったというケースです。

納棺作業を目の当たりにしたときに胸中に去来する思いは十人十色ですが、「自分もやってみたい」という気持ちになったことはある程度信頼できるものであるといえます。

もちろん前述のようにその後のより詳細な職業研究や適性判断は必要ですが志望動機としては有効であるといえるでしょう。

面接は長時間にわたることも

納棺師の離職率の高さは前述のとおりです。会社側もこの現状を十分理解しているため、採用面接は長い時間をかけてじっくりと行う傾向にあるといえるでしょう。

面接では、

・納棺師という仕事をどれだけ理解しているか
・就職への情熱はどの程度かなどといった志願者本人の意思を確認す
・納棺師という仕事の大変さ
・すべての場面において、とにかく気を遣えることが必須であること
・遺族の立場に常に立ちつつ、葬儀の進行も考慮しなければならないこと

など納棺師の実状を語られます。

それらを聞いた上での志願者の反応を見ていると考えていいでしょう。

また、

・時間で動くことの大変さや遺体の状態は必ずしもよいとは限らないこと
・家族を始めとした周囲の人間の理解と支えがないと続かない職種であること
・体力勝負であること

など比較的、納棺師の苦労を語られることが多いかもしれません。その点を覚悟し、多角的な職業研究と自身の適性理解に努めましょう。

面接に通ったら現場見学することに

無事に採用面接に通過した後は納棺師が実際の業務にあたっている現場の見学に呼ばれるのが通常です。

この段階で採用を辞退する人も多いため、会社としては志願者に必ず課したい過程であるといえます。

見学する現場は実際の葬儀の場である場合がほとんどであるため、会社に確認の上、適切な服装で出かけましょう。

またその際の所作や態度も見られています。厳粛な場であることを十分にわきまえて節度ある行動を心掛けることが必要です。