税関職員の需要・現状と将来性
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税関職員の現状・需要
税関職員の求人数は、決して多いとは言えないのが現状です。
税関職員になるためには「総合職」か「一般職」の2つの方法があるため、それぞれに分けて現状や需要についてみてきましょう。
税関職員の総合職
総合職はキャリアと呼ばれ、いずれは関税局の課長補佐、税関の課長クラス、税関の各部長、税関長などの将来の幹部職員になることが期待されている人たちです。
総合職の税関職員は極めて少ない採用人数となっており、毎年3人〜8人程度の採用しかありません。
採用実績を見てみると、2019年度は7人(うち女性3人)、2018年度は6人(女性2人)、2017年度は7人(女性4人)でした。
現職の職員も、2019年3月1日時点で全国で182人しかいません。
今後の採用人数も、急に増えるという見込みは少なく、やはり一桁程度になることが予想されています。
「総合職」の税関職員を目指す人は大変厳しい競争が待っているということを覚悟の上で、語学力を磨き、志望理由をしっかり整理するなどの努力が大切でしょう。
税関職員の一般職
一般職の税関職員については、全国にある本関ごとの採用となるため一概にはいえませんが、大卒程度区分で20人前後、高卒程度区分で15人前後と決して多いわけではありません。
全国各地にある9つの税関(函館税関・東京税関・横浜税関・名古屋税関・大阪税関・神戸税関・門司税関・長崎税関・沖縄地区税関)が直接採用をすることになります。
採用実績を見てみると、大卒者程度の採用人数は、2017年度が237人(うち女性79人)、2018年度は275人(女性92人)、2019年度は290人(108人)です。
高卒者程度は2017年度が98人(女性31人)、2018年度が88人(女性28人)、2019年度が92人(女性32人)でした。
高卒者程度は90人〜100人ほどの採用となりますが、特に大卒程度の採用が毎年増えているため、増加傾向にあるといえるでしょう。
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税関職員の将来性
税関職員は、近年外国人観光客が急増している影響もあり、職員一人あたりの業務量は増加傾向にあります。
空港や港で彼らを出迎えたり見送ったりする税関職員にとっては、非常に忙しい時期が到来することはに違いありません。
違法な輸出入を防止するために、税関職員が果たす役割はますます大きくなっており、税関職員の仕事は今以上になくてはならない存在となるでしょう。
しかし日本の厳しい財政事情を考えると、採用人数が増えることも想定しにくいため、今後も厳しい競争が続くことが予想されています。
しかし国家公務員という立場で、生涯にわたって景気に左右されることなく安定した収入が望めるのが魅力です。
育児休業の制度も整っているので、女性にとっても働きやすい職場として今後も人気を集める職となるでしょう。
税関職員の今後の活躍の場
税関職員は、日本の安全や信頼を守るために第一線で働くことができる職業です。
観光業が盛んになるにつれて、ますます多くの海外の人たちが日本を訪れることになりますが、異業種と協力しながら日本の安全を守る役割が求められています。
また税関職員の総合職は、国内だけでなく海外勤務をするチャンスにも恵まれているのが特徴です。
税関業務を生かしてWTO(世界貿易機関)の会議に出席したり、WCO(世界税関機構)、JICA(国際協力機構)などに赴任し、専門知識や経験を活かして活躍している人もいます。
海外の大使館や在外公館、警察、海上保安庁など幅広い異動先があるので、さまざまなキャリアアップを目指すことができるでしょう。