テニス選手の仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介

テニス選手の仕事とは

国内外のテニス大会へ出場し、各国の一流選手と競い合う

プロテニス選手とは、テニスでお金を稼ぎ、それで生活していく人をいいます。

おもにテニススクール等でレッスンを行い、生計を立てているプロもいます。

ですが一般的には世界のテニス大会にエントリーし、各国のライバルたちと勝負をする。

そこで好成績を上げて賞金を獲得していく、いわゆる「ツアープロ」のことを指します。

プロテニス選手になるには、なるべく早い時期からテニスの練習を始めることが大切です。

実績を重ね、日本テニス協会に認められれば「プロ」となることができます。

ツアープロはテニスの実力がすべての厳しい世界です。

体力的に非常に厳しく、精神的なタフさも求められます。

トッププロとして活躍している人は世界でもごくわずかですが、年間で10億円を稼ぐプレーヤーも存在します。

世界各地の大会に出場して賞金を得る

テニス選手は、テニスの大会に出場して入賞し、賞金を稼ぐのがおもな仕事です。

実力がある選手は世界各地の大きな大会を転戦し、各国の一流選手とテニスの腕を競い合います。

大会がないときはトレーニングを重ねて試合に備えます。

よりよい練習環境を求めて、海外へ拠点を移して活動している選手もいます。

トップレベルの選手が集まる大きな大会で入賞するには、技術を高めるだけでなく、体調管理や精神面のケアにも気を配る必要があります。

多くのテニス選手は、技術面を指導するコーチを始め、体調管理や体づくりをサポートするトレーナーなどとチームを組んで試合に臨んでいます。

一般的にテニス選手といえば、賞金の出るトーナメント戦に出場できるツアープロのことを指しますが、なかには企業と契約をして社会人リーグなどで活躍する選手もいます。

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テニス選手の歴史

日本のテニス界には100年以上の伝統がある

日本のテニス界には、100年を超える伝統があります。

日本のテニス選手は、その伝統を受け継ぎ、世界の大会でチャレンジし続けることも大きな役割です。

日本に、初めてテニスが紹介されたのは、明治時代の1878年のことです。

その40年後の1918年、全米選手権で熊谷一弥選手が、ベスト8に入りました。

さらに2年後のアントワープ五輪(1920年)では、シングルスとダブルスの両方で銀メダルを獲得しました。

このメダルは、日本のスポーツ選手がオリンピックで初めて獲得したメダルでした。

同時期に活躍した清水善造は、世界ランクの4位となったこともありました。

1919年のウィンブルドン大会で、足を滑らせて倒れた相手に、ゆっくりとしたボールを返し、観客の大きな拍手をもらいました。

このリターンは、「やわらかなボール」として現在まで語り継がれています。

テニス界で最高峰に位置づけられた大会

国際テニス界では、全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドンテニス、全米オープンテニスをまとめて「四大大会(グランドスラム)」と呼んでいます。

四大大会は、それぞれテニス界で最高峰に位置づけられた大会で、優勝賞金はいずれも日本円にして1億円以上です。

選手にとっては、四大大会でプレーすること、そして、この四大大会を制することが最大の憧れであり、目標となっています。

南半球で開催される全豪オープン

毎年1月から2月に、真夏のメルボルンで開催されるのが全豪オープンです。

四大大会で、唯一南半球で開催される大会です。欧米から遠く離れているうえに、1月の南半球は真夏で、北半球とは季節が真逆になります。

全豪オープンは、ボールがよく跳ね、スピードも出やすいハードコートが使用されます。

肉体への負担が大きく、コンディションの維持が難しい大会といわれています。

試合がフランス語で進行する全仏オープン

全仏オープンは、毎年、5月から6月にかけてパリ郊外ブローニュの森近くのローランギャロスで開催されます。

四大大会では、赤い土の「クレー・コート」で行われる唯一の大会です。

芝やハードコートに比べて球速が遅く、試合が進んでコートが荒れると、イレギュラーバウンドが続出します。

そのため、パワーショットを得意とする選手より、機動力で相手を追い込む選手の方が有利といわれています。

番狂わせが多く、シード選手が早々に敗退することが多いため、「ローランギャロスには魔物が棲む」ともいわれます。

天然芝のコートで開催されるウィンブルドンテニス

ウィンブルドンテニスは、6月から7月にかけてロンドンのウィンブルドンで開催されます。

この時期のウィンブルドンは雨が降りやすく、試合が中断されることが少なくありません。

さらに、天然芝の状態によって、バウンドしたボールに微妙な変化が生じます。

また、試合はもちろん練習でも白いウェアの着用が義務づけられ、独特の雰囲気があります。

世界一の規模を誇る全米オープン

全米オープンテニスは、毎年、8月から9月にかけてニューヨーク郊外のフラッシング・メドウズで開催されます。

「アーサー・アッシュスタジアム」と呼ばれるセンターコートは、2万5000人以上の収容規模を誇り、全米オープンは、観客動員数と賞金総額で世界最大のテニストーナメントです。

コートは、全豪オープンと同じくハードコートです。

全豪オープンのハードコートは、球足が遅めなのに対して、全米オープンのハードコートは球足が速いといわれています。

ファイナルの第5セットもタイブレーク(6対6になった後、2ポイントを取るまで続く)を導入しています。

そのため、最終セットで熱い戦いが見られることが、全米オープン最大の特徴となっています。

獲得賞金だけで生活しているプロはほとんどいない

プロのテニス選手は、さまざまな大会に出場して賞金を稼ぎます。

しかし、大会で獲得する賞金だけで生活ができているプロ選手はほとんどいません。

ふだんの生活費にくわえ、大会に出場するための旅費や滞在費、コーチやトレーナーと契約すれば、その契約料もかかります。

しかも、初戦敗退では、賞金ももらえません。

獲得賞金だけで生活できるプロは限られた成功者だけです。

テニス選手の組織・所属先

スポンサーが必要

テニス選手は、コーチなど自分にかかわる人の給料はすべて自分でねん出しなくてはなりません。

また世界の各所で行われる大会への交通費も多くの場合は同様です。

そこで選手を金銭面等でバックアップしてくれるスポンサーが必要になってきます。

契約内容にもよりますが多くの場合、企業はPRのために選手と契約し、金銭面等でサポートする代わりに、選手は自分自身の活躍によりその役割を担うというものです。

もちろんスポンサーを得るには、自分の力で数々の大会で実績を残し、将来その企業に利益をもたらす可能性を示すことが必要です。

そしてそのスポンサー企業の期待、支援に応える活躍が求められます。

所属契約

たとえば錦織圭選手は、「日清食品所属」となっています。

選手が大会に出場すると所属団体とともに紹介され、各種イベントにも参加するため、もっとも宣伝効果が高く、契約料も高くなっています。

もちろん、選手の実力に応じて契約料や契約の中身も違ってきます。

サラリーマン並みの契約料で所属契約を結び、プロ活動している選手もいます。

用品使用契約

また現在、錦織選手は、ラケットはウイルソン、シューズはナイキ、栄養ドリンクはウイダーinゼリーと使用契約を結んでいます。

さらに、クレジットカードはジャックス、航空会社は日本航空と契約を結んでいます。

それぞれスポンサーが、その企業の用品を無償で提供し、使ってもらう代わりに、契約料を払うというものです。

選手の実力によっては、契約料がわずかな金額で、用品だけを無償で提供するケースもあります。

ウェア(ロゴ)契約

錦織選手のウェアや帽子には、「ユニクロ」のロゴが入っています。

世界で「ユニクロ」ブランドを展開するファーストリテイリングと、ウェア契約を結んでいるからです。

選手によっては、ウェアの袖や胸にロゴマークを入れる契約をして、契約料をもらっているケースもあります。

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テニス選手の一年の流れ

プロテニス選手は大会に出て賞金を稼ぐことが仕事です。

実力があれば、世界各地の大会を転戦することになります。

大会に出場していないときはトレーニングを行い、試合に備えます。

錦織圭選手などはよりよい練習環境を求め、海外に拠点を構えています。

このようにトッププレイヤーになると1年のほとんどを海外で過ごすことになります。

テニス選手の世界ランキングとは

世界ランキングは稼いだポイントで決まる

テニス選手の世界ランキングが、定期的に発表されます。

このランキングは、選手がツアーに参戦して稼いだポイントによって決定されています。

世界各地で開催されるツアーは、男女とも四大大会を頂点に、男子が4つ、女子が5つのグレードに分けられています。

男子は四大大会の次が「マスターズ1000」、その次が「ツアー500」、4番目が「ツアー250」です。

毎年10月、東京の有明テニスの森で開催される「楽天ジャパン・オープン」は、上から3番目の「ツアー500シリーズ」となっています。

女子は、四大大会の次が「プレミアマンダトリー」、3番目が「プレミア5」、4番目が「プレミア」、5番目が「インターナショナル」です。

東レ・パン・パシフィックテニス・オープンは、3番目の「プレミア5シリーズ」です。

グレードの高い大会ほどポイントが高い

グレードの高い大会で上位に進出するほど、獲得ポイントは高くなります。

たとえば、全豪オープンなどのグランドスラムでの優勝が2000ポイントで、準優勝が1200ポイント、ベスト4が720ポイントです。

また、楽天ジャパン・オープンのような「ツアー500シリーズ」は、優勝が500ポイント、準優勝が300ポイント、ベスト4が180ポントです。

たとえば、全豪オープンでベスト4に入り、楽天ジャパン・オープンで優勝すれば、720+500の1200ポイントが獲得できます。

ポイントは獲得から52週間後に消滅する

ランキングは、過去52週間(1年間)に出場したツアーのうち、ポイントの高い18大会のポイントを合計して決められます。

獲得から52週を過ぎると、そのポイントは消えていきます。たとえば、前年の全仏オープンでベスト8に入って360ポイント稼いでいても、翌年の全仏オープンを迎えると、その360ポイントが消えます。

それでも、次の大会でベスト4に入って720ポイントを獲得すれば、720−360で差し引き360ポイントが新たに加算されます。

最新の世界ランキングに基づいて、大会に参加できるかどうか、その大会でシードされるかどうかが決まってきます。

また、ランキングによって、出場しなければならない大会も決まっています。

まず世界で300位以内が目標

ランキングが300位以下の選手は、下部大会であるフューチャーズシリーズやサテライト・サーキット(以上男子)、または女子サーキットに出場してポイントを稼ぎます。

日本の大学生のトップクラスで、世界ランキングの400〜800位くらいとなっています。

若手のテニス選手が、まず目標とするのは世界ランキングの300位以内です。

300位以内に入れば、四大大会の予選に出場でき、本戦にも進むチャンスが広がります。

また、100位以内になれば、四大大会に予選なしで出場できます。