審判のセカンドキャリア・引退後の生活
審判の引退理由
審判の引退理由は人それぞれですが、競技によっても大きく異なります。
サッカーやラグビー、バスケットボールのように、審判にも選手に劣らないくらいの運動量が求められる競技では、年齢による体力の衰えによって引退を決意することがあります。
一方で野球、バレーボール、テニスといった競技では、審判はそれほどの運動量が必要とされませんから体力の衰えが引退理由となることは少ないです。
プロ野球やサッカーの国際審判のように定年規定があるものもありますが、基本的には体力面や収入面などの状況を考慮して自分で引退するタイミングを決断します。
プロ野球とJリーグのトップクラスの審判以外は他に本業を持ちながら審判を務めている場合が多いですから、本業の都合で引退するケースもあります。
20代で正社員への就職・転職
審判の引退年齢
引退年齢も競技によってさまざまです。
明確に定年が決められている競技は少ないですが、プロ野球の審判は定年が58歳とされています。
しかし、実際には能力があれば60歳を超えても現役を続けている審判もいます。
Jリーグの場合は、以前は50歳という定年規定がありましたが、2007年に定年は撤廃されました。
ただし、ワールドカップやオリンピックなどの国際大会で審判を務める国際審判員は定年が45歳と定められています。
いずれの競技においても、もちろん定年を迎える前に自ら引退を決意することもあります。
審判のセカンドキャリア
プロ野球審判の引退後
プロ野球の審判は引退後も審判の技術指導員や職員としてプロ野球界に残る場合もありますが、全員が残れるわけではありません。
引退後もアマチュア野球などで審判を続けたり、審判の指導を行うなど野球の現場に関わり続ける人も多くいます。
硬式野球から軟式野球までさまざまな野球連盟で審判指導を行ったり、少年野球チームなどで野球の指導を行ったりと、活動内容は人それぞれです。
プロ野球の審判は基本的に58歳で定年を迎えますから、引退後は別の職業に転職する人も少なくありません。
審判時代の人脈をいかしてスポーツ用品メーカーやスタジアムなどの野球関連企業に再就職したり、飲食店などの事業を新たに始める人もいます。
Jリーグ審判の引退後
Jリーグの審判の場合、プロフェッショナルレフリーとそれ以外の1級審判員とで引退後のセカンドキャリアも異なる傾向があります。
プロフェッショナルレフリーではない1級審判員は、もともと学校の先生や公務員、自営業などの本業を持っている人が多いため、審判を引退しても引き続き本業に携わるケースが多いです。
一方でプロフェッショナルレフリーの場合は、現役審判引退後に「審判指導員(インストラクター)資格」を取得して審判の指導にあたることが多いです。
審判指導員資格は下から3級、2級、1級、S級と上がっていき、S級の資格をとれば1〜4級審判員の指導や評価、認定審査ができます。
S級の審判指導員資格を取ってJリーグや国際試合で審判の評価を行ったり、試合後の指導を行う人もいます。
20代で正社員への就職・転職
審判が引退前に準備しておくことは
審判として生計を立てられる競技は日本ではまだまだ限られているだけに、審判を一生の仕事とするのは難しいのが実情です。
プロ野球やJリーグの一部の審判はプロとして成立していますが、会社員などよりも引退する年齢が早い傾向にあるだけに、引退前からセカンドキャリアも頭に入れておいた方がいいでしょう。
競技とは関係のない新たな事業を考えているのなら、その準備のために資金を蓄えたり勉強をしておくことなども必要です。
サッカーのような国際的な競技であれば、近年はJICA(国際協力機構)などから派遣されるカタチで、途上国で審判員の指導を行うといった選択肢もあります。
審判にもさまざまなセカンドキャリアがありますから、現役中から自分にあった第二の人生をイメージしておくことが重要です。