指揮者の需要・現状と将来性

指揮者の現状

いつの時代もクラシック音楽は愛され続けていますが、欧米のように浸透しているとは言えません。

日本ではクラシック音楽は敷居が高いと感じる人が多く、一般的なアーティストのライブに行くようにクラシックのコンサートに定期的に訪れるような人はそれほど多くないのが現状です。

また、不景気が続き文化に対する出費が減っていることも、音楽界に大きな影響を与えています。

クラシックのコンサートは一般的にチケット代が高く、近年では著名な外来オーケストラでもチケットが売れ残るといった現状もあります。

クラシック音楽はエンターテインメントの側面もあるため、国内の経済事情も大きくかかわっているといえるでしょう。

指揮者の需要

音楽がこの先なくなることは考えられず、指揮者という職業は今後も残り続けるでしょう。

ただし、有名な楽団に所属する指揮者になれば安定した収入が得られる一方、こうした楽団に入るには長い下積み期間を積むことはもちろん、並々ならぬ努力が必要となります。

実際、指揮者として働く人の中にはアマチュアの楽団をいくつも掛け持ちしたり、音楽教室を開いたりして生計を立てているような人もいます。

誰もが知る一流の指揮者になれるのは、相当な努力をした人の中でも限られた人だけと考えておいたほうがよいでしょう。

指揮者は実力勝負の厳しい世界だとはいえ、力があると認められた人は世界中の一流オーケストラから声がかかり、常任指揮者など好待遇の下に働き続けることができます。

人々に感動を与え、世界を股にかけて活躍できる可能性のある、夢のある職業だといえるでしょう。

指揮者の将来性

収入が不安定

現在、日本にある劇場や楽団の大半は国や自治体から補助金が出ています。

しかし、不景気の影響もあり、補助金がなくなったり削減されたりしているところも増えてきています。

オーケストラは公演をすることでほとんどの収入を得ているため、どのように安定して観客を動員するかが今後の課題といえるでしょう。

指揮者としても、オーケストラを率いる立場として、ただ演奏に打ち込むだけではなくこうした課題には取り組んでいかなくてはなりません。

クラシックファンを増やす

とくに若い世代の人はクラシック音楽に興味を持っている人があまり多くないため、若年層をどう取り込んでいくかも大きな問題です。

企業や地方で行われる公演で指揮をする、現代音楽やポップス、映画音楽を指揮するなどして、裾野を広げていくことも大切です。

指揮者の今後の活躍の場

オーケストラはクラシック音楽だけを演奏しているイメージが強いかもしれませんが、実はロックやジャズなどポピュラー音楽の演奏もしています。

クラシック以外のジャンルでは指揮者を置かないこともありますが、今後こういった他のジャンルとオーケストラとのコラボレーションにより、指揮者の活躍の場も増えてくると考えられます。

また、メディアに出演してクラシック音楽を普及しようとする人も多く、シエナ・ウインド・オーケストラの指揮者である佐渡裕は、『題名のない音楽会』で長年司会者を務めたことで知られています。