レーサーの練習方法・トレーニングの内容
目次
レーサーに欠かせない持久力トレーニング
カーレースのレース時間は、種目によってさまざまです。
10分〜30分のレースもあれば60分かかるレースもあり、最高峰のF1のレースであれば2時間近くを要します。
レーサーは自分の足で走ったり戦ったりするわけではありませんから、あまり体力を必要としないように見えるかもしれません。
しかし、実際にはかなりの体力を使います。
レースのスタート時には、レーシングカーのコックピットに座っているだけで心拍数が通常時の3倍以上に上がります。
季節によってはうだるような暑さと耳をつんざくエンジン音のなか、窮屈なコックピットに長時間座っているのは想像以上に体力を消耗するものです。
レーサーはそういった過酷な状況下でも、冷静で的確な判断でマシンを操作しなければいけません。
そのため、レーサーのトレーニングといえば真っ先にあがるのが、持久力をつけるための有酸素運動です。
一般にランニング、水泳、自転車などのトレーニングがよく行われており、選手の興味によってはバドミントンやテニス、ラクロス、スカッシュなどを行う人もいます。
オフシーズンには1週間に5〜6日、1日1〜2回くらいのペースで持久力を維持するためのトレーニングを行っているレーサーもいます。
マシン操作のための筋力トレーニングも必要
レーサーには、筋力トレーニングをしている人も少なくありません。
レーシングカーには一般車のようにハンドルの操作を助けるパワーステアリングがないため、ハンドルが非常に重くなっています。
また、ブレーキにも一般車のようなアシスト機能がなく、レーシングカーのブレーキは軽く踏む程度では動かない構造となっています。
ブレーキをかけるだけでもかなり強く踏み込む必要があり、レーシングカーを運転することは一般車の運転とは比較にならないくらいの筋力が必要です。
多くのレーサーはマシンの操作に必要な最低限の筋力をつけるため、日々のトレーニングで筋力強化を行っています。
首を鍛えることも重要
レーシングカーでコーナーに入ると、重力加速度のために頭部には通常の5倍の重さがかかるといわれています。
一般に「横G」と呼ばれるものですが、慣れるまでは首を動かせない人もいるほどの重さがかかります。
何周も横Gを受けていると首にかなりの負担がかかるため、首を鍛えるのも大切なトレーニングです。
F1レーサーのなかには滑車装置のついたヘルメットをかぶり、さまざまな角度から引っ張られることで首を鍛えている人もいます。
オートレーサーのトレーニング
オートレーサも基本的にはカーレーサーと同様で、マシンを操作する競技ではあってもかなりの基礎体力を必要とします。
オートレーサーの登竜門である養成所でも早朝からランニング、筋力トレーニングといったメニューが毎日あり、オートレーサーになるための基礎体力を鍛えています。
バイクに乗るのに重要なのは、体幹トレーニングです。
重量のあるバイクを自在にあやつるためには体幹の強化が不可欠で、とくにカーブを曲がる際にポイントとなるのが体幹の強さです。
そのため、オートレーサーには体幹強化のメニューを日々のトレーニングに取り入れている人が多くいます。