レーサーになるための学校・スクールにはどんなものがある?
レーシングスクールが各地にある
レーサーになるための「レーシングスクール」は全国各地にあります。
どのレーシングスクールも世界で通用するドライバーの育成を目的に、現役ドライバーが講師を務めています。
初心者向けの基礎コースから本格的にレーサーを目指す人を対象とした上級コースまで、レベル別にコースが設置されており、成績優秀者は資金の援助を受けながらレースに参加できる制度もあります。
プロのレーサーになるにはレーシングスクールに入らなければいけないわけではありませんが、スクールに入学して基礎から学ぶのもひとつの方法です。
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鈴鹿サーキットレーシングスクール
代表的なレーシングスクールのひとつに「鈴鹿サーキットレーシングスクール」があります。
ここでは「鈴鹿サーキットレーシングスクール」のカリキュラムや受講条件、受講料などについて紹介します。
16歳以上が受講対象
「鈴鹿サーキットレーシングスクール」は、本田技研工業(ホンダ)の子会社が鈴鹿サーキットで運営する、レーサーを目指す人のためのスクールです。
初心者向けのスクールは「SRS-Formula アドバンストレーニングSTEP1」と呼ばれ、定員は10名となっています。
16歳以上で身長が160〜180センチ程度の人が対象で、16〜17歳はカート経験者に限られています。
また、18歳以上は自動車運転免許(オートマチック限定免許は不可)の所有者でなければ受講できません。
「アドバンストレーニングSTEP1」では、2日間の実技講習を年間3回程度受けられます。
カリキュラムはフォーミュラーカーの乗り方、ルールとマナー、レーシング走行の基本と応用、タイムアタックです。
受講料は9万円(税別、車両貸与・メンテナンス・昼食代を含む)で、車両破損預かり金として5万円(税別)を預けます。
上級者コースはプロを目指す人向け
「アドバンストレーニングSTEP1」で一定の基準をクリアすれば、次のステップのスクールに進むこともできます。
スキルアップを目的とした「SRS-Formula アドバンストレーニングSTEP2」、さらに本格的にレーサーを目指す上級コースである「SRS-Formulaアドバンス」と進んでいきます。
定員は「アドバンストレーニングSTEP2」が10名、「アドバンス」が8名です。
「アドバンス」では、マシンのメンテナンスやセッティング、基礎体力トレーニング、英会話などもカリキュラムに含まれます。
「アドバンストレーニングSTEP2」の受講料は20万円(税別)、車両破損預かり金が10万円(税別)、「アドバンス」の受講料は270万円(税別、宿泊や食事などを含む)と高額です。
成績優秀者はスカラシップでレースに参戦可能
「アドバンス」の受講者8名のうち、さらに選考に残った数名が無料のスカラシップ選考会に進みます。
最終選考に残ると、フォーミュラ・チャレンジ・ジャパン参戦のスカラシップが授与されます。
元F1レーサーの中嶋悟を父にもつ中嶋大祐選手はレーシングカートを経験したあと、17歳となる2006年に鈴鹿レーシングスクールに入校し、優秀な成績でスカラシップを獲得しました。
その翌年にフォーミュラ・チャレンジ・ジャパンに参戦すると、ランキング5位となり、2008年には戸田レーシングから全日本F3選手権に参戦しました。
さらに、2009年にはライコネン・ロバートソン・レーシングからイギリスF3選手権に参戦。
その後も順調にステップアップして2014年にはNAKAJIMA RACINGからスーパーフォーミュラに参戦しています。
中嶋選手のようにスクールで学び、スカラシップ制度によってステップアップしていく選手も実際にいます。
レーシングスクールは上級者クラスまで受講すればかなりの費用がかかりますが、将来性が見込まれればスポンサーがついて、企業などから資金面の援助を受けられる可能性もあります。
自分の可能性を試す意味でも、レーシングスクールに入校するのもひとつの方法です。