診療報酬請求事務能力認定試験とは

最も難易度が高い試験のひとつ

「診療報酬請求事務能力認定試験」とは、医療事務のさまざまな業務のなかでも「レセプト(診療報酬明細書)」の作成能力があるがどうかを判断される資格試験です。

専門知識が求められるレセプト作成は、医療事務にとって、最も重要な業務といっても過言ではありません。

診療報酬請求事務能力認定試験に合格すれば、レセプト作成の基礎的なスキルがあることを示すことが可能であり、大きなアピール材料になるため、医療事務として働く人の多くが合格を目指しています。

しかしながら、数ある医療事務の資格のなかでは難易度が高めで、合格率も30%程度とやや低い数字になっています。

試験の運営と形式

診療報酬請求事務能力認定試験は、「公益財団法人 日本医療保険事務協会」が実施する全国一斉統一試験です。

毎年、7月と12月の年2回、日曜日または祝日に、全国各地で実施されます。

受験資格は問いません。

試験は受験者が「医科」「歯科」のいずれかを選択し、その試験範囲は以下のようになっています。

学科試験

(1)医療保険制度等・公費負担医療制度の概要
(2)保険医療機関等・療養担当規則等の基礎知識
(3)診療報酬等・薬価基準・材料価格基準の基礎知識
(4)医療用語及び医学薬学の基礎知識
(5)医療関係法規の基礎知識
(6)介護保険制度の概要

※解答は5者択一式のマークシート方式です。

実技試験

診療報酬請求事務の実技(診療録から手書き方式でレセプトを作成するもの)

試験会場への診療報酬点数表やその他の資料持ち込みは自由ですが、パソコン、携帯電話等の電子通信機器は持ち込みできません。

試験時間は、学科と実技合わせて3時間となっています。

合格基準と合格率

診療報酬請求事務能力認定試験の合格基準は公開されていませんが、過去の合格率の平均は、医科で約30%、歯科で約38%となっており、難しい試験であることがわかります。

したがって、この資格を所持していれば就職や転職に有利になるほか、給与面での待遇も良くなることがあるようです。

なお、取得した資格に有効期限はありません。

受験者の状況

日本医療保険事務協会が発表している第1回試験から第45回試験までの受験者状況によれば、受験者の性別は「医科」では女性が90.9%、男性が9.1%、「歯科」では女性が90.5%、男性が9.5%となっています。

年齢構成は、医科・歯科合計で、16歳~20歳が38.0%、21歳から25歳が20.6%、26歳~30歳が16.2%、31歳~35歳が10.1%、36歳~40歳が6.7%、41歳~45歳が4.4%、46歳~50歳が2.5%、51歳以上と年齢不明が1.5%となっています。

女性の受験者が圧倒的多数で、10代後半から20代にかけての若い人が多く受験している試験であることがわかります。

その他、診療報酬請求事務能力認定試験についての詳細は、以下のWebサイトをご確認ください。

公益財団法人 日本医療保険事務協会 診療報酬請求事務能力認定試験