技術アジャスターの仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「技術アジャスター」とは

技術アジャスターの仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

自動車事故の原因調査と車両の修理費用を算出するプロフェッショナル。

技術アジャスターは、自動車事故があったとき、事故の原因を調査し事故車両の修理費用を算出する仕事です。

この仕事に就くには日本損害保険協会が定める「技術アジャスター資格試験」に合格する必要があり、自動車整備や道路交通法などの法律、自動車保険の詳細の知識、自動車修理の見積もり作成能力などが求められます。

就職先はおもに損害保険会社となり、そこでの技術アジャスターの多くは、被害者との示談交渉まで行っています。

年収は勤続年数と能力に応じて変わりますが、400万円~600万円ほどとされています。

電気自動車や自動運転車など自動車が進化を遂げ続けるなか、技術アジャスターは世の中の技術革新をとらえ、どんな事故でも対応できるように知識の吸収と技量の向上が欠かせません。

「技術アジャスター」の仕事紹介

技術アジャスターの仕事内容

技術アジャスターは、自動車事故があったとき、事故の原因を調査し事故車両の修理費用を算出する仕事です。

保険会社勤務の技術アジャスターの多くは、被害者との示談交渉まで行います。

事故の原因によっては被害者と加害者の事故費用負担割合が違ってきますので、自動車に対する高い技術力と冷静な判断力が必要です。

さらに、事故車両が修理工場に搬送され修理にとりかかる前に、修理の方法と必要部品から修理金額を見積もります。

修理金額が決まればお客さまに対し修理に関する方法と期間を説明し、修理金額を提示し示談に入ります。

また、示談が成立せず裁判に持ち込まれれば、裁判に向けた事故の報告書の作成・提出も大事な仕事です。

技術アジャスターになるには

技術アジャスターになるには、技術アジャスター資格試験に合格する必要があります。

この試験は日本損害保険協会が定めている資格試験で、技術アジャスターが仕事をするために必要な資格です。

資格には見習い・初級・3級・2級の4ランクあります。

2級を取得していることが転職の要件となっていることもあるため、2級を目指すとよいでしょう。

受験するためには、自動車整備士の資格に相当する知識と技能が必要です。

機械系の大学か高専を出た新卒であれば、入社後に自動車の整備の研修から始まり、6年から7年で2級が取れるカリキュラムが組まれます。

中途採用や派遣の求人では、自動車整備士の資格を有しているか、整備工場などでの実績が必要です。

技術アジャスターには、このほかにも、道路交通法などの法律、自動車保険の詳細の知識、自動車修理の見積もり作成能力が求められます。

技術アジャスターの給料・年収

企業によって異なりますが、技術アジャスターの給与は25万円前後で、勤続年数と実績により給与額が異なります。とくに技術アジャスターの資格を取るごとに、昇給するところが多いようです。

年収は、勤続年数と能力に応じて変わりますが、400万円~600万円ほどとなることが多いでしょう。

2級技術アジャスターの資格をとり第一線で活躍するようになると、800万~1000万円といった高収入を得られることもあります。

損保調査会社のサービスセンターは全国各地にあるため、勤務地はどこに配属されても良いという態度で面接に臨むことが必要です。

待遇としては、必要な保険の加入・交通費補助・家族手当・退職金・社内融資制度など福利厚生は充実していますので、生活面を心配せず仕事に取り組めます。

技術アジャスターの現状と将来性・今後の見通し

自動車は進化を遂げ、電気自動車や自動運転車が現実のものとなり、事故の原因も複雑化してきます。

技術アジャスターは世の中の技術革新をとらえ、どんな事故でも対応できるように知識の吸収と技量の向上が欠かせません。

また、いつの時代でも損保会社では新たな人材が必要です。

将来現場から離れても、技術アジャスターの経験を生かし、指導者として人材育成に当たる人もいます。

さらに、いろいろな事故の経験をマニュアル化することで、損保業界にとって事故の原因追及や示談成立など、迅速な対応ができる基礎が構築されます。

技術アジャスターとしての仕事の成果を積み重ねれば、将来、個人の技術アジャスターとして独立することも可能です。

そのため、普段から上司や同僚さらにお客さまから信頼を得るよう努めることが大切です。

技術アジャスターに向いている人・適性

技術アジャスターの仕事は、自動車事故車両の状況確認と事故の原因調査から始まります。

自動車は年々高度化していますので、高い知識を常に維持する向上心が必要です。

そのため、世の中の技術の変化と自動車に関する技術の変化に興味を持ち続けることが求められます。

また事故を調査するにあたり、被害者と加害者の双方と話をするとき、正しい情報を得るためのコミュニケーション能力と熱意が必要で、人が好き、人に貢献したいという気持ちが重要になってきます。

さらに、修理費用の決定に当たっては、保険の規定と道路交通法などの法律から判断を下すことになり、コンプライアンスを遵守する精神が求められます。

事故には簡単に分からない原因が多くあるため、調査を粘り強く続ける執着心も大切です。

技術アジャスターの勤務時間・休日・生活

勤務は完全週休2日制で、勤務時間は9時~17時ぐらいとなるところが多いです。また、ほとんどの会社では、年次有給休暇と夏季・冬季休暇があります。

残業時間は個々の事業所により制限がありますが、事故の発生時間やお客さまと話をする時間が夕方以降しかない場合があるなど、ある程度の残業は覚悟すべきです。

また、夜間・休日でも事故が発生すれば、保険会社としては対応しなければならず、技術アジャスターも柔軟に対応する必要があります。

自動車事故が起きると、ほとんどのお客さまは困った状況に置かれます。

そのような人を救うことが損保会社の存在価値ですので、技術アジャスターは迅速に事故の原因を特定し、保険金が下りるように図ることが重要です。

そのためには夜間、休日の出勤も止むを得ないという考えも必要です。

技術アジャスターの求人・就職状況・需要

技術アジャスターの求人には、損失保険会社などの調査会社からの求人が多くあります。

求人の範囲は、新卒、中途採用、派遣などがあります。

なかには、個人経営の事故調査事務所からの求人もありますが、2級技術アジャスターの資格者に限られる求人がほとんどです。

損保会社からの求人では、機械系の学校を出ているか自動車整備士の資格を有することが必要です。

技術アジャスターの資格は入社後取れるようにスケジュールが組まれ、このスケジュールに従い資格を取る必要があります。

会社によっては、最初の1年は見習いとし、1年後に技術アジャスター見習い資格がとれたところで正社員とする会社もあります。

一方、技術アジャスターの資格を有している人の求人は随時行われています。