演出家になるには

演出家になるまでの道のり

専門の学校で学ぶ

映像制作の専門学校など、演出家になるための専門学校は数多くあります。

最近では、映画、バラエティ、ドラマなど専攻が細かく分かれている学校もみられます。

現在第一線で活躍する演出家もこのような学校出身の人が多く、演出家に必要なノウハウを基礎から学ぶことができ、卒業後は制作会社への就職のサポートもあることが大きなメリットです。

また、美術系の大学にも映像系や演劇などの専攻学科があり、とくに日本大学藝術学部映画学科、玉川大学の芸術学科演劇専攻科などは多くの演出家を輩出しています。

基礎から段階をしっかりと踏んでスキルを磨くことができるだけでなく、映像や演劇に関し幅広い知識を学べるため、演出家を目指す人にとっては選択肢のひとつとなるでしょう。

現場で技術を学ぶ

学校などで専門的な知識をつけずに、直接現場へ飛び込むという手もあります。

制作会社や劇団では、現場アシスタントやアルバイトを募集している場合は少なくありません。

この場合は未経験からの受け入れをしていることも少なくなく、現場の空気を感じながら、作品制作の進め方、先輩演出家の仕事を間近で見られます。

学校で基礎知識を学ぶことも大切ですが、自分の眼で現場を見て学んだ方が早いこともあるため、もし現場に入れるチャンスがきたらぜひチャレンジしましょう。

劇団を立ち上げる

すぐにでも演出家としてデビューしたいという人は、自ら劇団を立ち上げるという方法もあります。

小規模の劇団は全国に数多く存在しますし、最初は収入も見込めず、公演や宣伝などで活動するたびにお金が消えていくのも現実です。

しかし「世界のニナガワ」と呼ばれる蜷川幸雄を始め、劇団の俳優から演出家へと転身した例も数多くみられます。

ツテも経験もない場合は、まず自分の好きな劇団に入り、お芝居のことを学びながら業界内での人脈づくりをしていくのもよいでしょう。

このような下積み時代に出会い、苦楽を共にした仲間は人生において何物にも代えがたい貴重な財産となります。

演出家になるまでのルート

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演出家に必要な資格はある?

演出家になるためには、特別な資格は必要ありません。

学校で学ぶ人が多いですが、学歴が問われることもないので、誰でも挑戦することができます。

演出家になるための学校の種類

映像制作の専門学校

映像やメディアに関する専門学校は全国にあります。

東京放送が運営する東放学園専門学校は、テレビなどの放送業界人を育成する学校で堤幸彦監督や行定勲監督ら、現在第一線で活躍する大物演出家が多数在籍していました。

演出家を目指す人の多くは、カリキュラムが自分に合うところや、好きな演出家が卒業している学校を選んでいます。

美術系の大学

美術系の大学にも映像系の専攻学科があるところがいくつかあります。

なかでも日本大学藝術学部、通称「日芸」にはデザイン系の学科が多くあり、なかでも映画学科と写真画家は富野由悠季監督、羽住英一郎監督など多くの演出家を輩出していることで有名です。

演劇部や演劇サークルに所属する

演劇や映像、芸術とはまったく関係のない学校を卒業した演出家もたくさんいます。

劇作家であり演出家としても有名な野田秀樹は、東京大学の法学部に在籍しながら、演劇研究会に所属し、その後劇団「夢の遊眠社」を立ち上げ活動をはじめました。

一般の大学に在籍しながら、演劇の研究会やサークルに入り、学業と並行して演劇活動を続ける人も数多くいます。

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演出家に向いている人

演出家になるには、芸術的なセンスやたぐいまれな感性が求められます。

ただし、感性が優れているだけでは演出家の仕事は務まりません。

不規則なスケジュールにも耐えうる体力と、多くの人と円滑な人間関係を築くためのコミュニケーション力も重要です。

演出家に向いている人・適性・必要なスキル

演出家のキャリアプラン・キャリアパス

需要はあれど求人は少ない

演出家の活躍の場は多数ありますが、求人をみると、それほど情報がないと感じる人も多いでしょう。

演出家の求人があるところは、テレビ局や制作会社ですが、非常に狭き門となっています。

そもそも求人自体も少なく、とくに受賞経験など実績のない無名の場合は、採用にこぎつけるまで非常に厳しいといえるでしょう。

また大手の制作会社や劇団などでも演出家のポジションを狙う人は非常に多くいるため、他の制作の仕事と比較すると厳しい現実があります。

一方、劇団でも演出家を募集することもありますが、知名度の高い劇団であればあるほどチャンスを狙っている若手演出家も多く、競争率は大変高くなります。

大物演出家に仕事が偏る

演出家の求人が少ない理由は、どうしても経験を積んだ演出家に仕事が偏りがちだからです。

テレビ局も制作会社も、多くの場合は「制作スタッフ」という名で入社し、アシスタントの下で雑用仕事からスタートします。

そこから仕事ぶりを認められ、アシスタントに昇格し、上司から声がかかり、ようやく演出家としてデビューするのが大半です。

右も左もわからない新人に、いきなり演出家の仕事などまかせられるわけがありません。

必然的に「演出家」という求人は少なくなり、演出家になりたければまずは「制作スタッフ」から下積みをし、雑用でもアルバイトでもその業界で経験を積むことが必要です。

制作スタッフはさまざまな制作会社で募集されていますし、映像制作専門学校などであれば、毎年新卒での求人情報も届きます。

制作会社や劇団の常に募集状況をチェックして、チャンスを見つけ出す努力も大切でしょう。

フリーで働くという選択肢

演出家は、会社に所属していることのほうが少なく、実際はフリーランスで仕事をしている人が非常に多くなっています。

フリーで演出家を目指す場合、劇団に所属したり、自分で映像作品を作りコンクールなどに応募したりするなどして、演出した作品が認められるまで努力を続けます。

少しずつ実績を積み、手掛けた作品が話題になったり賞を獲得したりするなどして知名度を上げれば、演出家としての仕事を本格的にスタートさせることができます。

演出家を目指せる年齢は?

演出家になるために年齢は関係ありません。

映画監督や役者として経験を積んでから転身する人もいますし、何年も小劇団などで経験を積んでから本格的にデビューする人も多くいます。

演出をする上では、自ら歳をとりお年寄りの気持ちを理解することも重要です。

体力さえあれば、年齢を重ねても活躍しやすいといえるでしょう。

演出家は女性でもなれる?

女性演出家は少ない

女性演出家は、男性に比べて、圧倒的に少ないのが現状です。

そもそも舞台もテレビも映画も、現場スタッフは男性が占める割合が多く、女性スタッフはヘアメイクやスタイリストのみ、という現場は少なくありません。

舞台やロケは早朝から深夜まで及ぶことも多く、さらに強いリーダーシップも求められるなど、女性には仕事がしづらい点もあります。

しかし近年では注目を浴びている女性演出家も多く、今後もその数はさらに増えていくでしょう。

また、同じ制作スタッフだと女性脚本家の活躍が目立ちます。

脚本家から実力が認められ、演出家へ転身というケースも増えています。

演出家はひとたび認められてしまえば仕事は尽きることはないため、結婚や出産をしても活躍の場は多いといえるでしょう。

女性演出家の強み

女性演出家は、同性である女性が好む世界観、女性の細かな心情などが理解しやすく、女性ターゲットの作品においては表現も自然で、共感も得られやすいのが何よりの強みです。

ヘアメイクや衣装など、ビジュアル面でも同様で、男性よりも違和感なく演出できることが大半です。

さらに、同じ女性ということで女優のリラックス度も高く、より自然で大胆な演技も引き出しやすくなるという利点もあります。