演出家の仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介

演出家の仕事とは

演出家はお芝居、ミュージカルなどの舞台作品やテレビドラマで制作面におけるすべての指揮をとる仕事です。

「監督」とほぼ同じ役割を持ち、具体的な作品の方向性から、配役、照明、音楽、舞台装置、演技指導に至るまで責任を持って決定していきます。

一般的にはドラマや映画に携わるイメージが強くありますが、さまざまなイベントにも不可欠な存在です。

はじめは演劇、ドラマなど専門のジャンルを決めて活躍していることが多いですが、経験を積むと、専門ジャンル以外の仕事も手掛け、幅広く活動する人もいます。

もともと脚本家出身の三谷幸喜は、現在では演出家としても知られ、舞台、テレビ、映画などジャンル問わず活躍を見せています。

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演出家の業務の内容

舞台演出家

演出家と聞くと、まず一番に「舞台」を思い浮かべる人も多いでしょう。

演劇、ミュージカルはもちろん、オペラやお笑いなどにも演出家は存在し、それぞれの演目をそれぞれの見方で解釈し、表現するのが仕事です。

舞台で唯一演出が存在しないのは歌舞伎で、歌舞伎の舞台は俳優の演技(芸)を中心に展開され、演出も序列の高い俳優によって行われます。

しかし、最近では演出が存在する現代歌舞伎も登場するなど新たな動きも見せています。

市川海老蔵が行った歌舞伎『ABKAI』では、演出をミュージカルの演出で知られる宮本亞門が務めたことで話題となりました。

このように舞台においては、ジャンルを超えて活躍する機会があると言っても過言ではありません。

映像演出家

テレビの世界でも演出家は欠かせません。

ドラマの場合は脚本家の書いた脚本を理解し、プロデューサーや監督の意見も加味しながら表現していきます。

また、バラエティ番組にも必ずといっていいほど演出家が存在します。

ディレクターが演出を担当することがほとんどですが、なかにはバラエティ専門の演出家もおり、コント番組などでの演技指導が主な仕事です。

映画の分野においては監督自身が演出家として活躍します。

アニメの演出家

テレビ、映画問わず目指す人も多いのがアニメの演出家です。

連続テレビアニメなどは、ドラマと同じように各話を担当する演出家がいることがほとんどです。

アニメ演出家は、仕事内容が多岐に渡ります。

絵コンテから始まり、原画チェック、色指定、撮影チェック、編集(CG含む)、アフレコ、最後のチェック、予告カット選出など、たった30分のアニメを作るのにも膨大な時間と手間がかかります。

人気が出れば数年にわたり続く連続テレビアニメも多く、数人の演出家がローテーションで担当するのが一般的です。

また映画ともなれば、数年越しで動く大きなプロジェクトもあります。

演出家の役割

舞台演出家の役割

舞台がテレビや映画と違う点は、演出家主導で動くケースが多いことです。

小規模な劇団であれば、企画から、演目のセレクト、脚本までを担当、自らが広告塔的な役割までする演出家も少なくありません。

すべてをとりまとめスタッフや役者に指示をする演出家は、当然リハーサルでも欠かせない存在となり、稽古のスケジュールも演出家中心です。

リハーサル中は演技、照明、効果音、すべてに神経をとがらせ、すべてに指示をいれていきます。

最初はシーンごとだったリハーサルも、公演が近づいてくると通し稽古などリハーサルもハードなものになり、演出家が休憩のタイミングやタイムスケジュールを決めなくてはなりません。

役者やスタッフの調子や心情をしっかり観察し、チームを鼓舞し1つにまとめるリーダーシップが求められます。

また大物演出家になると、製作委員会や企業などから公演依頼が来たり、所属以外の劇団から演出の依頼が来たりすることも多くなります。

映像・アニメの演出家の役割

テレビドラマやアニメの場合はそのシリーズを監修する監督がいることも多く、監督がすべてを監修し、演出は担当の放送分だけを演出するといったように分業するのが大半です。

タイトなスケジュールで進行するテレビドラマやアニメは、ひとりの監督がすべてを撮っていては間に合わないことも多く、演出家を数人置き、ローテーションしながら制作を進めます。

その際、キャラ設定や、作風がバラバラにならないようすべてをまとめて見るのが監督の役割となります。

とはいえ、役者や声優への演技指導や、カメラマンや他スタッフへの指示出し、カメラチェックといった現場での仕切りは演出家が主導です。

アニメの場合は絵コンテまで演出家自らが行うことも珍しくありません。

また単発のテレビドラマやバラエティ番組に関しては監督がおらず、演出家のみということもあり、その場合は監督兼演出家として、文字通りすべてを監修していくことになります。

映画の場合

映画製作の場合は、演出家=監督という役割です。

企画や映画化する作品自体は配給会社で決まり、そこから監督の依頼が来ます。

オファーを受けたら、製作委員会が立ち上がり、実際の製作がスタートします。

脚本チェックや撮影現場での仕切りだけでなく、映画のプロモーションなどまで一手に引き受ける重要な立場です。

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演出家の勤務先の種類

演出家の主な就職先はテレビ局や制作会社です。

ただし、「演出家」という職種で求人があることはほとんどありません。

演出家として活躍する人の多くは、テレビ局などの制作スタッフからスタートし、演出の仕事に関わるようになったり、劇団で実績を積んだ後フリーの演出家として仕事をしたりしています。

テレビ局や制作会社のアシスタントとして下積み期間を乗り越えられるか、劇団の演出家としてキャリアを積めるかどうかが、活躍への鍵となるでしょう。

制作会社などに社員として所属していれば一般的なサラリーマンと同程度の給与を得られますが、フリーランスの場合は自由な働き方ができる分、収入は不安定となりがちです。

演出家の仕事の流れ

作品に関わる際、まず必要になるのが脚本や原作の解釈です。

現場に入る前にその作品を誰よりも理解して、自分なりの演出プランや方向性を決めていなければ良い作品づくりはできません。

現場に入ってからは、スタッフや役者たちをまとめ、スケジュールを調整しながら撮影や稽古を進めていきます。

納得できなければ何度もやり直し、スケジュール通りにことがすすまないことも日常茶飯事の世界です。

舞台の場合は、公演後も観客の評判を伺いながら、何度も修正を加えていき、演出家によっては、初日と最終日の舞台の見せ方が全く異なるという人もいるほどです。

テレビや映画の場合は撮影が終わると、今度は編集作業が待っています。

ひたすらスタジオで編集作業を進める日々が続き、CGを多用している映画の場合はさらに時間がかかります。

これらのすべての作業が終わってやっと演出家の仕事は終わるのです。