専門学校は忙しい? 時間割はどうなっている?

高校までの授業とは違い、専門学校では講義や試験のほか実習や課題に取り組むことになるため、忙しくなるというイメージがあるようです。
そこで、専門学校の時間割はどのようになっているのか、実際どのくらい忙しくなるのか解説していきます。
専門学校の時間割の特徴
専門学校の時間割は高校までとは大きく異なります。
具体的にどのような点が高校と違うのか、なぜそのような違いが生じるのか、専門学校の授業の特徴を知る上で時間割を把握しておくことはとても大切です。
時間割の内容は学ぶ分野や進学する専門学校によって異なりますが、ここでは多くの専門学校に当てはまる時間割の特徴について、代表的な3つの点を挙げます。
授業時間数は年間800時間以上
専門学校の修業年限は目指す職業や資格によって1年制から4年制まであります。
一般的によく見られるのは2年制の専門学校です。
高校では3年間かけて学んできたのに対して、2年間で専門的な内容を集中的に学ぶのは想像以上に大変なことです。
専門学校の授業時間数は年間800時間以上(夜間部は450時間以上)と定められていますので、2年制の学校では入学から卒業までに少なくとも1,600時間(夜間部は900時間)を授業に費やすことになります。
また、大学では必修科目など一部の授業を除き、数多くの科目の中から関心のある授業を選択することができますが、専門学校では決められた時間割に沿って授業が行われるのが一般的です。
そのため、専門学校では土日祝や長期休暇の期間を除き、1年間ずっと授業を受けている状態になることを覚悟しておく必要があります。
平日は授業がびっしり入ることが多い
専門学校の時間割は、月曜から金曜の朝から夕方までびっしりと授業で埋まっているケースがほとんどです。
大学の場合、学部によっては3・4年次になると1週間の中で数えるほどしか授業が入っていなかったり、曜日によって1〜2時限しか授業がなかったりすることもめずらしくありません。
その点、専門学校で過ごす日々は「授業が少ない曜日」や「授業数が少ない年」がほぼないと考えたほうがいいでしょう。
授業以外にも課題が出されて次の授業までに調べておくべきことがあったり、試験までに勉強しておかなくてはならないことがあったりと、常に忙しい状態になるのが一般的です。
大学生は空いた時間をアルバイトやサークル活動に充てる人も多くいますが、専門学校生に関してはアルバイトをしている時間もないほど過密なスケジュールとなる場合もあります。
専門分野に特化した内容を学ぶ
高校までの授業は、英語や数学、世界史、化学といったように、幅広い分野が扱われています。
ところが、専門学校で学ぶ内容は特定の職業に就くための知識・技能に特化されています。
専門的な内容を集中的に学ぶため、入学した時点では全員がゼロからのスタートとなると考えていいでしょう。
基礎中の基礎から学び始め、2年制の専門学校であれば2年後には職業人として求められる知識・技能をひと通り身につけている必要があります。
そのため、学んでいく過程で学生にかかる負荷も高校時代より大きくなりやすいといえます。
このように、専門学校で学ぶ内容はその専門性の高さという面でも、学生にとってハードなものとなります。
専門学校の授業の特徴
専門学校の授業には、大きく分けて3つのタイプがあります。
《専門学校で行われる授業》
・講義(学科)
・実習
・資格試験対策
授業の特徴を知っておくことで、専門学校へ入学後に学ぶ内容をよりイメージしやすくなるはずです。
それぞれどのような形式の授業なのか、学ぶ内容や特徴についてまとめました。
基礎を身につける講義(学科)の授業
講義(学科)とは、いわゆる座学の授業です。
各分野の基礎的な理論や知識を身につけるための授業で、講師の話を聞きながらノートを取るスタイルのため高校の授業に近い形式になります。
学校によっては、1日の授業のうち半分が講義、残りの半分が実習という場合もあれば、曜日によって学科のみの日と実習のみの日といった分け方をしている場合もあります。
医療系の学科など習得しておくべき基礎知識の分量が多い分野では、1年次はとくに基礎科目の学科が多く、2年目になると実習の比率が高くなる学校がよく見られます。
講義で習った内容が身についているかを確認するためのテストが実施されたり、学期末や学年末になると学んできた内容を総合的に問う試験が行われたりすることもあります。
実践的な技能を習得する実習の授業
多くの専門学校で力を入れているのが実習です。
専門学校によっては、授業の5割程度が実習に充てられているケースも見られるほどです。
実習室は実際の仕事で用いられる本格的な設備が用意されている学校も多く、将来的にその分野の職業に就くことを想定した実践的な指導が行われます。
実習がスムーズに進むように前もって知識の確認をしたり、指導を受けたことを身につけておくために空いた時間で自主的に練習したりと、実習の時間以外にもやるべきことがたくさんあります。
企業や事業所で実習が行われることもあるため、実践的で学びがいがあると同時に集中力や対応力が試される場ともいえます。
看護専門学校や医療専門学校では実際の病院で実習が行われる機会もあるため、本物の患者さんやドクターと同じ空間で働きながら学ぶことができます。
資格取得に向けた対策のための授業
国家試験など難関資格の取得を目指す分野をはじめ、卒業までに資格を取得する専門学校では、資格試験に向けた対策授業がカリキュラムに組み込まれていることがあります。
試験のポイントや重要事項を教えてもらうことができますが、授業さえこなしていれば資格試験に合格できるとは限りません。
試験当日までに相当量の知識を習得するという目的が明確になっているため、授業時間以外にも自分で勉強を進めていくのは必須となります。
資格取得を目指す学生が受験する模擬試験が実施されることもありますので、現時点での自分の実力がどの位置にあるのか、合格まであとどれだけ勉強が必要なのかが分かります。
また、模擬試験や学内試験の結果をもとに講師との面談が行われたり、就職に向けたキャリア指導が実施されたりすることもあります。
昼間部と夜間部の時間割の違い
専門学校には昼間部と夜間部があります。
昼間部とは朝9時頃から夕方4時頃にかけて授業が行われるのに対して、夜間部では夜6時頃から9時頃にかけて授業が行われています。
授業はいずれも1コマが45分程度で、昼間部では昼休憩を挟んで1日5〜6コマ、夜間部では1日2コマ程度が実施されます。
では、昼間部と夜間部で時間割の内容や身につく知識・技能に違いはあるのでしょうか。
夜間部の授業数は年間450時間以上
昼間部が年間800時間以上の授業を実施するのに対して、夜間部では年間450時間の授業を行います。
一見すると夜間部の授業時間は昼間部の半分程度しか確保されていないように見えますが、履修する内容そのものはどちらも同じです。
学生が利用できる施設・設備やカリキュラムを修了して取得できる資格などの条件にも違いはありません。
昼間部と比べて夜間部は少人数で授業が行われることが多く、講師との距離が近いため、集中して学べるメリットがあります。
ただし、夜間部は実施可能な授業のコマ数が限られるため、カリキュラムが昼間部よりもコンパクトに凝縮されており、1回の授業で習う内容も多くなりやすい傾向があります。
また、学校によっては夜間部を卒業しても「専門士」の称号を与えられない場合があるため注意が必要です。
昼間部と夜間部で時間割に違いはある?
昼間部と夜間部の時間割は、履修する科目や内容に差がつかないように工夫されています。
ただし、専門学校によっては専門科目ではない一般教養科目の授業を昼間部のみで行い、授業のコマ数に余裕のない夜間部では実施しないといった違いが見られます。
また、中には夜間部の時間帯には実施が困難な授業もあります。
たとえば企業や事業所での実習は訪問先の営業時間に合わせる必要があるため、夜間部では例外的にその日だけ昼間の時間帯に実習を行う場合があります。
夜間部に通学する学生の多くは昼間に仕事をしていますので、実習が昼間に実施される予定の日をあらかじめ確認しておき、有給休暇を取得するなど対処しておく必要があるでしょう。
この記事のまとめ
専門学校は限られた修業年数の中で専門的な知識・技能の習得を目指すため、授業がびっしりと詰まった時間割になりやすい傾向があります。
大学と比べると学生生活そのものが忙しく、勉強以外のことに取り組むだけの時間的な余裕がない場合もあります。
しかし、将来の職業に直結する実践的な内容を学べるのは専門学校の時間割の大きな特徴です。
将来の目標が明確になっている人であれば、専門学校で忙しくも充実した日々を送ることができるでしょう。
30秒でわかる!転職サービス診断
-
転職支援実績No.1の安心感:リクルートエージェント
-
20代・第二新卒専門のエージェント:マイナビジョブ20's
(オフィス:新宿・横浜・大阪・神戸・名古屋)