専門学校の学費・費用の総額は? 入学金は高い?

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専門学校への進学にあたって気になるのが、在宅中にかかる学費はどのくらいになるのだろうか、という点でしょう。

ひと口に学費と言っても、授業料や入学金などさまざな項目が含まれています。

専門学校に通うとかかる学費の内訳や目安を理解して、学費に対する不安を解消しておきましょう。

専門学校に通うとかかる学費・費用とは?

小中学校までは義務教育ですので、公立の学校に通うのであれば授業料などはとくにかかりません。

高校以上は義務教育ではないため、進学して通うとなると学費を納入する必要があります。

専門学校や大学も同様で、入学してから卒業するまで学費が必要になります。

学費の納入方法は学校によって異なり、年度ごとに必要な学費を一括納付する学校もあれば、前期と後期の2回などに分けて分納する学校もあります。

一般的には、入学初年度に「入学金」と「初年度授業料」を納入し、2年目以降は「授業料」を納入します。

このほか、専門学校の施設や設備を維持・購入するために必要な費用や実習費も学費に含まれています。

専門学校卒業までにかかる学費の内訳

一般的に、専門学校に入学してから卒業するまでにかかる学費の内訳は下表のようになっています。

1年次 2年次 3年次以降
入学金
授業料
実習費
施設設備費

入学金

入学時に納入するお金のことを入学金といいます。

新たに入学するタイミングで一度だけ支払うものになりますので、2年次以降はかかりません。

授業料

専門学校での授業を受けるために納める費用が授業料です。

授業料に一律の基準はなく、学ぶ分野や通う学校によって独自に設定されています。

実習費

専門学校で学ぶ分野によっては、座学の講義以外にも実習が行われます。

実習に必要な材料や資材をそろえる必要があるなど、講義と比べると設備や機材にお金がかかるため、授業料とは別に納入するケースが多く見られます。

施設設備費

専門学校の校舎や学内の各施設、講義や実習で使用する設備を維持するために必要な費用です。

大がかりな設備が必要な分野では、施設設備費が高くなりやすい傾向があります。

年間の学費の目安

専門学校の学費は各学校が独自に定めているため、通う学校や学ぶ分野によって年間の学費は異なります。

平均的には、年間で15万円〜100万円程度の範囲に収まるケースが多く見られます。

年間の学費平均額(東京都)

入学金 182,000円
授業料 698,000円
実習費 117,000円
設備費 195,000円
その他 69,000円
合計 1,261,000円

参考:令和元年度 学生・生徒納付金調査結果について(東京都専修学校各種学校協会)

これは1年間の学費ですので、2年制の専門学校と3年制の専門学校では3年制のほうが1年分多くの学費がかかることになります。

学費以外に必要な費用があることに注意

専門学校で学ぶ上でかかるお金は学費だけではありません。

たとえば、教材費・テキスト代は学費とは別途必要になります。

年間で必要な教材の数や分量によっても変動しますが、年間でおよそ10万円程度は必要になる学校が多いようです。

また、実習で使用する器具(ハサミ、調理器具、白衣など)も買いそろえておく必要があります。

学科によってはノートパソコンの持参が必須となっている場合もありますので、必要に応じて購入しなくてはなりません。

さらに、海外研修制度を用意している学校に進学すると、希望者は別途研修費を納めることになります。

卒業前には卒業アルバムの制作費が必要になったり、同窓会費、学生保険料といった費用がかかったりすることもあります。

多い場合にはこれらの費用の総計が数十万円に及ぶ場合もありますので、事前にしっかりと確認しておきましょう。

学費が高くなりやすい傾向のある分野

学ぶ分野によっては、施設設備費や実習費だけなく、授業料も他の分野と比べて高くなる傾向があります。

こうした分野に進みたい人は、専門学校の中でも高めの学費がかかることを覚悟しておく必要があるでしょう。

とくに次に挙げる3つの分野については、学費が高くなりやすいため注意が必要です。

医療系の分野

理学療法、作業療法、鍼灸といった医療系の分野は、実習がたくさん行われるだけでなく設備も高額なものが多いため、学費が高くなりがちです。

一例として、理学療法・作業療法学科の平均額と最高・最低額を確認しておきましょう。

理学療法・作業療法学科の学費(東京都)

入学金 321,000円
授業料 971,000円
実習費 203,000円
設備費 240,000円
その他 43,000円
合計 1,778,000円
最高額 2,012,000円
最低額 1,400,000円

参考:令和元年度 学生・生徒納付金調査結果について(東京都専修学校各種学校協会)

医療系の分野は、卒業後に国家資格を取得した上で就職を目指す人がほとんどのため、国家試験対策のために必要な問題集・参考書や、国家試験の受験料などが別途必要になります。

衛生関係の分野

衛生関係の分野には栄養、調理、製菓、理容・美容などがあります。

この中でも、とくに調理や製菓は実習で材料が必要になるため、他の分野と比べて学費が高くなりやすい傾向があります。

一例として、製菓学科の平均額と最高・最低額を確認しておきましょう。

製菓学科の学費(東京都)

入学金 210,000円
授業料 662,000円
実習費 561,000円
設備費 162,000円
その他 118,000円
合計 1,713,000円
最高額 2,975,000円
最低額 1,130,000円

参考:令和元年度 学生・生徒納付金調査結果について(東京都専修学校各種学校協会)

年間にかかる学費の最高額と最低額に3倍近くの開きがあることから、入学する学校によって学費が大きく異なることが分かります。

とくに著名なパティシエが実習の講師を務める学校などでは、授業料や実習費が高くなる場合があります。

文化・教養関係の分野

文化・教養系の分野には、語学や美術、デザイン、音楽、スポーツ、アニメ、声優といった多彩な学科があります。

美術や音楽といった実技に重きが置かれる分野では、画材や楽器を自分専用に購入する必要があるため、お金がかかる傾向があります。

一例として、音楽、演劇、映画、放送学科の平均額と最高・最低額を確認しておきましょう。

音楽、演劇、映画、放送学科の学費(東京都)

入学金 172,000円
授業料 746,000円
実習費 93,000円
設備費 346,000円
その他 5,000円
合計 1,362,000円
最高額 1,500,000円
最低額 1,180,000円

参考:令和元年度 学生・生徒納付金調査結果について(東京都専修学校各種学校協会)

音楽科では個人レッスンが行われることも多く、講師1人あたりが指導する学生数が少なくなりやすいため授業料が高くなる場合があります。

また、音楽科であれば専用のレッスン室、美術科であればアトリエが用意されるなど、設備費がかかるのも特徴です。

専門学校の入学金は高い?

専門学校の入学金は、ほとんどの学校で10万円〜30万円程度が必要になります。

卒業までにかかる学費のトータルで考えるとそれほど高額ではありませんが、入学金は初年度授業料と同時に納入するのが一般的であるため、入学前にまとまったお金が必要になります。

また、入学金の納付は合格通知が到着してから1週間以内など、比較的短期間が納付期限となっているケースが多く見られます。

期限内に入学金を納めないと、入学を辞退したことになってしまいます。

そのため、複数の専門学校を併願していて、第一志望の合格通知が届く前に他校の納付期限が来てしまうようであれば、第一志望でなくても入学金を納入せざるを得ません。

いったん納入した入学金は原則として返金されることはありません。

専門学校に進学するにあたって「入学金が高い」というイメージを持たれやすいのはこのためです。

大学の入学金との比較

専門学校と同様、大学にも入学金があります。

専門学校の入学金は大学と比べて高いのでしょうか。

《大学の入学金》

国立大学 282,000円
私立大学 249,985円

参考:国立大学等の授業料その他の費用に関する省令(文部科学省)

参考:私立大学等の平成30年度入学者に係る学生納付金等調査結果について

国立・私立とも、大学の入学金は専門学校の平均額よりも高くなっています。

とくに私立大学の医学部になると、入学金は100万円〜200万円と高額になります。

前に挙げた通り、専門学校の医療系学部は平均よりも入学金が高めですが、それでも30万円前後ですので、大学の医学部のほうが高額と言えます。

このように大学と比較した場合、専門学校の入学金は決して特別に高いわけではないことが分かります。

専門学校の学費は、入学する学校や分野によって異なるため事前に調べておくことが大切です。

とくに入学金に関しては、併願する専門学校の数や受験の日程にも影響しますので、きちんと調べておく必要があります。

専門学校に合格してからあわてることのないよう、卒業までにかかる学費については各学校の案内をよく見て確認しておきましょう。