音楽学とは? 大学で学ぶことや就職先は?





音楽学の概要・理念

音楽は世界中のさまざまな地域において、それぞれの文化や特性によって育まれ、独自の発展を遂げてきました。

音楽とひと口に言っても、オーケストラやオペラといった西洋音楽、雅楽など日本古来の音楽をはじめ、民俗音楽など数多くのジャンルが存在します。

音楽の研究対象となるのはこれら全てのジャンルであり、音楽全般について理論と技能の両側面から研究が行われます。

音楽を学ぶと聞いて多くの人がイメージするのはピアノの演奏などの実技面ですが、実際には音楽理論の習得や音楽の文化的・歴史的背景について学ぶなど、実技以外にも幅広い研究分野が存在します。

演奏技術の研鑽を目指して日々レッスンに取り組む人もいれば、新たな音楽の創作を目指して制作に打ち込む人もいます。

研究テーマによっては、テレビのCMソングやゲーム音楽について、文化的な観点から研究を進める場合もあります。

このように、音楽を学問として学ぶ場合、音楽についてあらゆる側面から研究することが可能であり、研究テーマも多岐にわたっているのが特徴です。

音楽学で学ぶこと

音楽学で学ぶことには、大きく分けて理論、実技、創作の3つの柱があります。

理論においては、音楽理論など作曲に必要な知識や、スコアリーディングなどの実践的な技能の基礎となる知識を習得します。

実技では、楽器の演奏や歌、指揮を通じて、それぞれの技術を研鑽します。

実技の場合、個人レッスンと個人練習を繰り返していくことに研究の主眼が置かれることがほとんどです。

創作は、作曲や編曲を行うことで、これまでにない新たな楽曲の創出や、理論を成果物として具現化します。

このように、音楽で学ぶ分野や学び方はさまざまですが、どの分野を専攻する場合でも音楽の基礎となる音の長さや高さの感覚を身につけるためのソルフェージュの授業は必修となります。

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音楽学の大学での授業科目の例

器楽

管楽器、打楽器、弦楽器のうちから専攻を選び、実技を通じて演奏技術を研鑽していきます。

声楽

人の声による音楽分野全般について研究するとともに、合唱やオペラ、カンタータの実技を研鑽します。

作曲

音楽理論を学び、理論に裏付けられた作曲の手法について研究します。

指揮

オーケストラの指揮者として必要な技能やスコアリーディングについて学ぶとともに、さまざまな楽器の知識を習得します。

楽理

音楽史や時代背景に関する知識の習得を通じて、楽曲が作られた歴史や文化的側面について分析します。

音楽学のレポート・テーマの例

音楽においては、レポートと制作の2種類の取り組みが行われます。

レポートには音楽に関する文化や歴史、社会学的な考察といったテーマも含まれます。

制作においては、実際に作曲したり、新しい編曲の手法について提案したりといった試みをすることもあります。

  • ・吹奏楽曲によるマーチの制作
  • ・クラリネットのリードの研究
  • ・日本におけるパイプ・オルガンの受容
  • ・日本におけるキリスト教音楽
  • ・ミュージカルにおける和訳詩

音楽学と関連する学問

音楽を広い意味で捉えた場合、芸術という観点から研究が進められることがあります。

美術やデザインといった分野も、同時代の音楽について作曲された社会的・文化的背景を考察する上で貴重な資料となることがありますので、それぞれの分野へ越境して研究が進められることもあります。

同様に、文学芸術学とも密接な関わりがあることはめずらしくありませんので、こうした分野の学問とは深い関係があるといえるでしょう。

また、楽理や音楽史を研究するにあたって、歴史や社会学の知識が求められることもあります。

近年では音楽療法など、医療分野においても音楽の効果に対して期待が寄せられています。

このように、音楽は芸術という枠を超えて、さまざまな学問と関連しています。

音楽学を学んで就職に有利な業界・仕事

音楽で学んだ知識を職業として活かすとすれば、学校で音楽の先生になったり、音楽療法士を目指したりする道が考えられます。

公務員としては、学校の先生以外にも警察の音楽隊を目指す方法もあります。

大学で音楽を学ぶとなると、演奏家を目指すなど音楽だけで生活していく道をイメージしがちですが、実際には音楽一本で生計を立てられる人は一握りと考えたほうがいいでしょう。

楽器やジャンルによっては、プロの演奏家が必ずしも音楽を専門に学んだ経験がないケースも多いことを考えると、音楽を学んだからといって演奏家になるわけではないことがわかります。

音楽に関わりのある仕事としては、音楽教室の講師、楽器店の販売員、楽器メーカーの従業員などが挙げられます。

一方で、音楽とは直接的に関わりのない一般企業へ勤める人も数多くいます。

仕事の傍ら、音楽活動を続ける人もいれば、音楽がきっかけで仕事上の人脈を築いていく人もいますので、就職に直結しなかったとしても音楽を学んだことで得た知識や技能は活かせるはずです。

音楽学の知識は人生でどう役立つ?

世の中にはさまざまな音楽が溢れており、音楽を好む人も非常にたくさんいます。

歴史的に見ても、世界中で古くから音楽が創られ、各地域で文化の一面を映し出してきました。

現代社会においても、暮らしをより豊かなものにし、心が癒やされるひとときを持つ上で、音楽はとても大きな役割を果たしています。

近年では娯楽や芸術としての音楽以外にも、医療分野における音楽療法に注目が集まるなど、音楽の社会的役割はますます大きくなっているといえるでしょう。

音楽を専門的に学んだ経験は、音楽の高度な知識が身につくことや演奏技術の向上につながるだけでなく、生涯を通じて音楽と関わりを持ち続けるための貴重な財産を築くことへとつながっていくはずです。

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