機械工学とは? 大学で学ぶことや就職先は?





機械工学の概要・理念

機械工学は、機械の設計や製作を通じて私たちの暮らしをより快適で便利なものにするための研究を行う学問です。

これまでにない新しい機械を考案し設計するのはもちろんのこと、実際に機械を製作し、どのように社会で使われ役立てられるかについても研究します。

さまざまな動力源として利用されているエンジン、ポンプといった機械や、カメラや時計といった精密機械、さらには自動車や船舶、航空機といった輸送用機械が発達してきたのは、機械工学の成果によるものです。

機械工学は、もともと人間の暮らしをより効率的で便利なものにすることを目指してきた学問ですが、現代においては環境問題や公害といった諸問題が発生したことの反省を踏まえ、環境に配慮した機械の開発が求められています。

そのため、近年においては利便性だけでなく、環境に優しい持続可能な開発を進めることも念頭に置いた研究開発が行われています。

エコカーや電気自動車など、新しい技術を研究することを通じて環境問題に貢献することを目指すのも、機械工学の1つの大きな使命なのです。

機械工学で学ぶこと

機械工学の基礎にあたるのが、数学と力学です。

力学には熱力学、材料力学、流体力学、機械機構力学などがあり、1・2年次にはこれらの基礎となる知識や理論を学びます。

授業では理論を学んだのちに演習が行われ、学んだことを実際の機械設計に活かすことができるよう、実践的な問題に取り組むことで力をつけていきます。

また、機械を製作するには材料や形状、加工法、構造についての知識も求められます。

実際に設計図を引く練習をしたり、金属を加工して部品を製作したりと、座学に留まらず手を動かして作業することも少なくありません。

こうした知識や技能を総合的に学ぶことを通じて、機械の設計から製作、検証までを行うことができるようになっていきます。

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機械工学の大学での授業科目の例

動力学

物理学の理論を応用して物体の動作における力の影響について研究し、機械の動きや操作について学びます。

機械制御

機械を操作し動きを制御するための知識をはじめ、コンピュータによる自動制御の仕組みについても研究します。

設計製図

機械を設計する際に必要な知識や製図の仕方について、実践的な方法論を学ぶとともに実習を通じて製図の練習をします。

材料加工

機械を構成する部品について、材料の性質や加工法について学び、適切な材料の選定や加工をするための知識を習得します。

流体力学

流体の静止状態または運動状態での性質や運動の特徴について研究します。

機械工学のレポート・テーマの例

機械工学のレポートでは、実際に機械を設計して動かし、その結果や課題点について報告する形式のものが多く見られます。

機械の設計から製作、検証に至る一連の工程を記載することもあるため、1つのレポートを書くためにまとまった期間が必要になることもめずらしくありません。

  • ・変形加工の力学解析
  • ・燃料電池自動車用高圧水素容器の設計について
  • ・固体表面の超撥水性
  • ・2輪移動ロボットの非線形最適出力フィードバック制御
  • ・非線形モデルによる四輪車両の軌道追従制御

機械工学と関連する学問

機械工学はいわゆる工学系の分野を包括する位置にある学問ですので、関連する工学系の学問はほぼ関係していると言えます。

一例として、制御工学電気工学電子工学材料工学自動車工学船舶工学航空宇宙工学といった分野は、機械工学から分岐していった分野です。

また、機械工学を研究する上で欠かせないのが数学と物理学の知識です。

機械を設計する上で必要な計算を行い、力学の知識を駆使するため、数学と物理学は機械工学の基礎をなすと言ってよいほど関連性の高い学問分野です。

機械工学を学んで就職に有利な業界・仕事

機械工学は応用物理学の1つであり、在学中から機械設計や製作を行っていることからも、いわゆるモノづくりに関わる業界・職種への就職においては有利になりやすい傾向があります。

機械メーカーや自動車メーカー、家電メーカーといった道に進む人が多く見られます。

職種としては技術職や研究職に進むことが可能です。

また、機械の製造を専門としない業界であっても、現代の産業において機械が介在していない仕事はほとんどありませんので、機械の保守やメンテナンスが必要な職場であれば、機械工学の知識を活かして活躍することができます。

近年ではIoTが実用化から普及の段階へと進みつつあるように、日常生活においてもセンサーやコンピュータがますます利用されるようになっています。

こうした精密機械の分野においても、機械工学の専門知識を持つ人材は供給が不足しているといわれていますので、就職先の選択肢は非常に多くあると考えていいでしょう。

そのほか、高校の物理の教員や、工業高校での教員を目指すことも可能です。

機械工学の知識は人生でどう役立つ?

現代社会における私たちの暮らしは、機械に囲まれていると言っても過言ではありません。

日用家電だけでなく、スマートフォンなども私たちの生活において必需品となっています。

こうした機器がどのような仕組みで動いているのか、構造がどのようになっているのか、といったことに関しては、実際に機械を設計・製作したことがあるのとないのとでは理解度に大きな差が生じるのは間違いありません。

これからも私たちの暮らしは機械に支えられ、いっそう利便性が高まっていくことでしょう。

新しい技術を理解し、適切に利用していく上でも、仕組みのレベルから理解するための基礎知識が役立ちます。

機械工学で身につけた知識は、テクノロジー社会を生きていく上でかけがえのない教養であり続けるはずです。

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