フランス文学とは? 大学で学ぶことや就職先は?





フランス文学の概要・理念

フランスはヨーロッパでも屈指の芸術の国として、日本において古くから研究対象となってきました。

フランス語は長らくヨーロッパの共通語として用いられ、西洋文化を支えてきた歴史があります。

フランスで生み出された思想や哲学、文化はしばしば日本に輸入され、日本の研究者芸術家に多くの影響を与えています。

フランス文学は狭義ではフランスで生まれた文学作品を研究をする学問ですが、より広い意味ではフランスの文化や哲学、思想を包括する学問として発展してきました。

フランス文学を学ぶことを通じて、西洋文化が日本に与えてきた影響の軌跡を発見したり、日本人から見た西洋文化の特徴について深く探求したりすることへとつながるのです。

大学の文学部フランス文学科(仏文科)などにおいては、フランス文学を原書で読解するための語学力の習得をはじめ、フランスの歴史、ファッションや芸術といった文化の特徴を学ぶための講義が用意されています。

フランス文学で学ぶこと

フランス文学には、大きく分けて3つの分野があります。

文学分野ではいわゆる文学作品が研究対象となり、小説や詩、演劇をはじめ、その背景にある哲学や思想を掘り下げて探求します。

語学分野では、言語としてのフランス語そのものが研究対象となり、言語学の観点から音声学や文法の歴史について学びます。

文化分野においては、フランスで発展してきた美術や映画作品、ファッションといった文化全般が研究対象となり、当時の社会的背景や現代文化への影響、日本文化との関わりといった視点から研究が進められます。

このように、フランス文学と言っても間口は広く、フランス文化全般、ひいては西洋文化全般に関わる研究に取り組むのがフランス文学なのです。

大学・専門学校の情報が満載(PR)

「スタディサプリ進路」は、あなたに合った大学・短期大学・専門学校を探すサービス。パンフや願書を無料で取り寄せることができます。

いまなら図書カードプレゼント!

フランス文学の大学での授業科目の例

フランス語

フランス文学を学ぶ上で欠かすことのできないフランス語の語学力を習得するために、基礎的な文法や作文の力を身につけます。

フランス文学史

フランス文学の歴史や潮流に関する基礎的な知識を習得し、各時代の社会的な背景が文学に与えた影響について学びます。

フランス文化研究

文学作品に留まらずフランス文化全般について研究し、フランス文化に対する理解を深めます。

フランス史

フランス文学研究の基礎的な知識として必須となるフランスの歴史について学びます。

比較文学

フランス文学が他の文化圏の文学に与えた影響や、近代日本文学における解釈の違いについて、相対的な理解を図ります。

フランス文学のレポート・テーマの例

フランス文学におけるレポートは、特定の文学作品やその登場人物について深く探求するテーマが多く見られます。

文学作品そのものだけでなく、その背景にある思想や哲学、当時の社会的背景についても理解した上でレポートを作成する必要があります。

  • ・『レ・ミゼラブル』の解釈
  • ・グスタフ・クリムトの作品における女性と背景の象徴
  • ・アルベール・カミュの哲学の再検討
  • ・アンドレ・ジッド論
  • ・プレヴェール研究

フランス文学と関連する学問

フランス文学と関連性が高い学問としては、哲学、美術(史)学、言語学、比較文化学などが挙げられます。

ヨーロッパで発達してきた西洋哲学の影響は広範に及んでおり、フランス文学の作家もその影響を受けていることから、フランス文学を研究する上で避けて通れない学問領域と言えます。

美術学や美術史学は、フランス文学を文化的側面から研究する上で重要な分野となります。

フランス文学を支えるフランス語そのものを分析する際には、言語学のアプローチが必要になるケースもあります。

さらに、フランスと他の文化圏を比較する際には比較文化学の研究手法をとることもあります。

フランス文学を学んで就職に有利な業界・仕事

フランス文学を学んだことで得た知識を活かすのであれば、翻訳家出版社航空会社など外国語に関わる仕事に就く際に有利になるケースがあります。

フランス文化の研究を通じて体得した幅広い知見や教養を活かすという意味では、サービス業をはじめあらゆる分野の仕事でその力を発揮することができるはずです。

実際、多くの大学においてフランス文学科の卒業生の進路はまちまちで、金融系やサービス系といった他学部・学科においても多く見られる進路を選ぶ学生が相当数にのぼります。

フランス文学研究の一環として留学経験がある場合は、海外支社がある企業やグローバル企業に入社する際、評価してもらえる可能性もあるでしょう。

このように、フランス文学は実学ではないため、直接的に就職で有利になることは少ないかもしれませんが、フランス文学を研究してきたことで得た知見や教養は評価される余地が十分にあり、就職してからも仕事の中で活かせる可能性があります。

フランス文学の知識は人生でどう役立つ?

フランス文学には人間の悲哀や歓喜、世の中や人間に対する深い洞察、自らを深く見つめる思想や哲学など、多くの学ぶべき要素が詰まっています。

フランス文学に触れ、優れた知見や先人の思想に触れた経験は、これからの変化に富んだ時代を生きていく上で求められる本質的でバランスの取れた判断力や思考力をもたらしてくれるはずです。

また、古くから多様性を認める寛容さな側面を持っていたフランス文学を学ぶことは、価値観が細分化し多様性を受け入れることが求められる時代だからこそ、大切にしたい心のありようを教えてくれます

フランス文学は古くから研究されてきた歴史のある学問ですが、これからの時代を生きていく上でも通用する教養を身につけられる学問といえるでしょう。

30秒でわかる!転職サービス診断

当サイト人気の転職エージェント