栄養学部で学ぶこと、学科、志望理由、就職先(読了時間:13分31秒)

よりよく生きるための「食」を追究する

栄養学部とは

栄養学部は、食品や食品の持つ栄養について研究する学部です。

食生活や食物について「食品学」「調理学」「栄養学」といった観点から探求していきます。

栄養学部を志望する人の多くは、食に対する関心が高かったり、栄養を摂ることの重要性について考えていたりする人が多く、将来的に栄養士やフードスペシャリストといった資格の取得を目指している人もいます。

栄養学部は女子学生がほとんどですが、男子学生が在籍しているケースもあります。

食や栄養に対する関心や、将来的に目指したい方向性など共通点が多い人が集まっていますので、連帯感が生まれやすい面があるようです。

栄養学部で学んだ知識や取得した資格を活かして、卒業後は食品メーカーやドラッグストア、学校の給食施設といった職場を選択する人が多い傾向があります。

全体として学部卒で就職する人の割合が高く、就職に活かせる資格を取得できるケースも多いことから、就職率は比較的高めの大学が多いといえるでしょう。

栄養学部の理念

栄養学部は、「食物」「栄養」という観点で食をさまざまな角度から見つめ、食を通じて健康的な社会生活を創造するための教育と研究を行う学部です。

個人の健康の維持としての栄養はもとより、より良い食生活による生活向上や社会福祉への貢献を使命とし、食物学や栄養学の基礎から応用理論まで確かな専門知識を身につけます。

栄養士や管理栄養士、そのほか食に関連する資格取得を推奨し、食物および栄養の分野でプロフェッショナルとして活躍できる人材の輩出を目指します。

栄養学部で学ぶこと、勉強すること、授業内容、卒論

栄養学部で学ぶこと

栄養学部で学ぶ内容は、生化学や基礎医学に関連する分野が基礎となり、その知識を調理実習や化学実験での実践に活かすというイメージです。

食について科学的に考察・分析し、複合的な視点から考えられるようになることを目指しています。

また、食の文化や歴史について、「食文化論」「食物史」「比較食文化論」といった観点から学ぶこともあります。

食と産業・経済との関係について、「食糧経済」「食資源」「製品開発」といった面から探求することも可能です。

このように、食について基礎的な知識を身につけつつ、幅広い分野にまたがった「食」全般の研究に取り組むのが特徴です。

栄養学部の授業内容

栄養学部では、おもに「食物」や「栄養」に関連する多様な科目が用意されています。

具体的には、食生態学、調理学、臨床栄養学、応用栄養学、食品衛生学、生化学、食品材料学などがあり、これらの科目を通じて現代人の食と健康に柔軟に対応できる力を身につけます。

座学のみならず、食材の性質を生かした料理を作るための調理実習も行われます。

また、栄養士や管理栄養士の資格取得に向けた講義や演習も用意されており、卒業後はこれらの資格を生かした仕事に就くことが可能です。

さらに、実際の現場で栄養管理を行える応用力を身につけるための栄養食事計画の実習等も実施されます。

栄養学部の卒論の例

  • 加熱調理がかぼちゃの食物繊維含量に及ぼす影響
  • 麹添加玄米粉パンの焼成条件によるパン品質への影
  • 地域在住独居高齢者における体重当りたんぱく質摂取量群別の食物摂取の特徴
  • 東京都在住の小学生の体力と食事および生活習慣に関する横断研究
  • 幼児期の偏食と食環境の関連
  • 災害時における管理栄養士の取り組みと都道府県の備蓄食品について
  • 陸上競技選手の主観的疲労感と食事摂取状況

栄養学部で学んだことの口コミ

  • 体の作り、病気について、栄養に関すること、調理実習など管理栄養士にとって必要な知識を学びました。
  • 普段の食事もカロリーや栄養素、添加物などを気にして食べているので体型を維持するのに役に立っています。
  • 食品は栄養を摂取するだけでなく、癒やしなど心理的な作用を及ぼす面もあり、どちらも重要だと理解できた。
  • 医療や解剖など「ここまで必要だろうか?」と疑問を感じたこともあったが、学んでいくうちに栄養学との関連性が分かるようになった。
  • 衛生管理や調味料の量の計算など初めは苦労しましたが、実習を重ねて自然に身についていったと思います。
  • おいしいと感じる感覚にも科学的根拠があることがとてもよく理解できた。
  • 調味料ひとつとっても、味だけでなく防腐作用、見た目の彩りといった多くの働きがあることが分かった。

栄養学部の主な学科・分野と概要

管理栄養学科

食生活と健康管理に関する多様な知識と技術を身につけ、管理栄養士として活躍できる人材を育成します。

食品学科

商品の加工・調理、開発、流通、安全管理等に関わる知識と技術を身につけ、広くフードビジネスの分野で活躍できる人材を育成します。

医療栄養学科

身近な食材・食品の成分や効能を科学的に理解するとともに、医学・薬学の知識を持ち、医療や福祉の現場でチームの一員として活躍できる人材を育成します。

健康栄養学科

栄養に関する専門知識・技術の習得はもとより、人々の心の問題にも配慮し、心身両面から健康をサポートできる人材を育成します。

栄養学部で学ぶ学問分野・概要

栄養学には食品学、調理学、栄養学などの分野があります。

食品学

食品材料学
食品を植物性・動物性・加工食品などに分類し、各材料の特性について研究します。

食品加工学
加工食品に使われる素材の生産、特性、加工、貯蔵などに関する技術について研究します。

食品衛生学
食品を安全な状態に保ち、飲食を通じて生じる衛生上の危害を防止するための知識、技術を学びます。

調理学

調理科学
調理を勘や経験ではなく、科学的な観点から研究します。

食事計画論
対象者の特性や生活状況、身体条件等にあわせた科学的・合理的な食事計画を考えます。

栄養学

臨床栄養学
疾患や病態の成因、進展、治癒に栄養学がどうかかわっているかを研究します。

公衆栄養学
地域や社会集団を対象とした栄養上の問題点やその改善、疾病予防などについて研究します。

給食計画論
栄養・食事管理を行うことを目的として、給食をマネジメントする方法について学びます。

栄養学部で目指せる主な資格

・管理栄養士
・栄養教諭免許
・食品衛生監視員任用資格
・食品衛生管理者任用資格
・フードスペシャリスト

国家資格である管理栄養士の資格取得を目指して栄養学部を志望する人が多いのですが、それ以外の資格取得を目指すことも可能です。

栄養教諭免許は、学校での栄養指導や給食の献立考案を行うために必要な資格です。

その他、フードスペシャリストの受験資格など、栄養学部で学んだ知識を活かして取得を目指せる資格はたくさんあります。

栄養学部の大学選びのポイント

栄養学部で学ぶことによって、将来的にどのような道に進みたいかが重要なポイントです。

管理栄養士として活躍したいのであれば、管理栄養士の受験資格を得られるカリキュラムが設置されていることが必須となります。

4年制大学でも、管理栄養士養成課程の場合と栄養士養成課程の場合がありますので注意が必要です。

大学案内やシラバスをよく読み、取得を目指す資格を得られるカリキュラムになっているかを確認しておくようにしましょう。

栄養学部の入試方法・受験科目

栄養学部の入試は2〜3科目が課されることが多く、大学によって必修科目と選択科目が大きく異なります。

一例として、東京家政大学と文教大学を挙げます。

東京家政大学家政学部栄養学科栄養学専攻の一般入試の場合、国語・外国語・地歴・数学・理科(化学基礎・生物基礎)から2科目を選択します。

文教大学健康栄養学部管理栄養学科の一般入試(全国入試)の場合、外国語と国語が必須科目とされており、社会・数学・理科(生物・生物基礎・化学・化学基礎)から1科目を選択します。

栄養学部の学費

栄養学部では実習や実験が行われますので、実習研究費や施設費といった費用が必要になります。

そのため、授業料以外にどのような費用がどの時期に必要になるのか、事前に大学案内などでよく確認しておくことが大切です。

日本女子大学家政学部食物(管理栄養士)の初年度学費は1,158,930円(授業料930,000円、施設設備費145,000円、学生図書費1,200円、学生傷害・賠償責任保険料4,730円、各種会費・賛助金78,000円)です。

4年間トータルでは4,876,530円となります。

栄養学部の志望理由、例文、面接

栄養学部の志望動機

栄養学部を選択する人は、子どものころから食が好きであったり、栄養の重要性を実感していたりすることが志望動機につながっています。

食は人が生きるうえで不可欠かつ身近なものであるため、大学生活を通じて食や栄養に関する専門知識を身につけ、将来は食に関連する職業に就きたいと考えている人が多いようです。

「食べることが好き」「調理が好き」というだけにとどまらず、食から派生する健康問題にも関心を持ち、栄養面から人々の健康な生活をサポートできるようになりたいという思いをもって、この学部へ進学している人がたくさんいます。

栄養学部の志望動機の例文

私には将来、栄養士として働きたいという夢があり、その夢を叶えるために管理栄養士の資格を取得したく、貴校を志望いたします。

私の祖母はかつて給食センターで管理栄養士として働いていました。

90歳を超えた現在も健在ですが、栄養士としての知識を現在も活かし続けており、食事のバランスに気を配っていることが健康維持の大きな要素の1つのように感じます。

祖母は私が幼い頃から、好き嫌いなく食べることや、楽しくおいしく食べること、食べ物は材料の選び方からしっかりと考えることを教えてくれました。

これからますます高齢化社会に向かっていく中、栄養や食についての知識を身につけておくことで、社会に貢献できる機会が増えると考えています。

貴校では給食経営管理実習として、実際に給食センターで就業する機会もいただけると伺い、将来の夢を叶えるための第一歩として貴校で学びたいという思いを強くしました。

栄養学部のAO・推薦入試の面接で聞かれること

栄養学部の面接では、他学部と同様に志望動機や栄養学部で学びたいことについて聞かれます。

管理栄養士の資格を取得したいなど具体的な目標がある人は、もう一歩踏み込んでなぜその資格を取得したいのか、将来どのように活かしたいのかを伝えられるようにしておきましょう。

また、栄養学部で学ぶにあたり、食や栄養について一定以上の興味関心を持っていることも大切です。

5大栄養素や生活習慣病など、基本的な知識については事前に確認しておくようにしましょう。

栄養学部の志望理由の口コミ

  • 管理栄養士の資格を取得したかったので。
  • 将来、食に関わる仕事に就きたいと思っていたからです。
  • 食は誰もが一生涯関わることだと思い、しっかり学んでときたいと考えました。
  • 食品メーカーで働きたいという目標がありました。
  • 長寿社会になると、健康に長生きするためには食や栄養がますます重要になると感じたため。

栄養学部の雰囲気・男女比

栄養学部の男女比は、女性の割合のほうが圧倒的に多めとなっています。

もともと栄養学部は家政学部から派生・独立してひとつの学部になったともいわれており、栄養学部を置く大学の中には女子大も多くあります。

しかし、共学の栄養学部では1割〜2割程度は男性が占めており、男性がまったくいないというわけではありません。

実際、食や料理に興味を持つ男性は以前にも増して増えているといわれ、男性でも女性と同様、管理栄養士や栄養士としてビジネスの現場で活躍することができます。

学部の雰囲気は大学によっても異なりますが、学部の全員が食や栄養に関する強い興味を持っており、調理実習などでお互いに協力する機会も多いことから、連帯感は生まれやすいです。

また、管理栄養士の国家試験合格を目指し、励まし合い、切磋琢磨し合える雰囲気もあります。

栄養学部の雰囲気・男女比の口コミ

  • 男子が1割、女子が9割で、圧倒的に女子学生が多かった。
  • 男子の目を気にする場面が少ないからか、男勝りなタイプの女子が少なくない。
  • 実習がたくさんあることもあって、お互いに協力し合っていこうという雰囲気がある。
  • 管理栄養士の国家試験に合格するという目標に向かって、全員で努力していく一体感がありました。
  • もともと「食」に関心が高い人が多いので、おいしいものについての話題が絶えなかった。

栄養学部の楽しいこと・大変なこと・つらいこと

管理栄養士の資格取得など同じ目的に向かって学んでいくことや、実習や実験で協力し合う場面が多いことから、学生同士の仲が良く、自然と助け合っていく雰囲気があるようです。

また、栄養学部で学ぶ知識は広範囲にわたるため、興味を持って学べるのであれば非常に充実した学生生活を送ることができるとのことです。

一方で、国家試験の勉強の大変さを挙げる人は少なくありません。

国家資格ですので、中途半端な取り組み方では合格できないことを覚悟しておくべきでしょう。

栄養学部の楽しいことの口コミ

  • 実習や実験、臨地実習といったように数名で協力する場面が多いため、学生同士の仲が良い。
  • 病気や栄養について毎日新しいことを学ぶため、楽しみながら勉強できます。
  • 栄養学について徹底的に専門的なことを学べるので、充実感があります。

栄養学部のつらいことの口コミ

  • 管理栄養士の国家試験は3月にあるため、4年生の3月まで毎日朝から晩まで国家試験の勉強をしなければいけません。
  • 医学など非常に専門性が高く難しい内容を学ぶ授業では、試験勉強に苦労しました。

栄養学部の口コミ一覧

栄養学部の就職先、業界、目指せる職業・仕事、進路

栄養学部の就職先

栄養学部で学ぶ学生の多くは、国家資格である管理栄養士の試験合格を目指し、その先には資格を生かした仕事に就くことを視野に入れています。

また、管理栄養士以外にも、栄養士、フードスペシャリスト、食品衛生管理者、食品衛生指導員といった民間資格や任用資格を取得することも可能であり、これらの資格を生かすことができる職域は多岐にわたります。

具体的な就職先としては、一般企業の場合、食品メーカー、ドラッグストアなどが中心となりますが、病院などの医療機関、保育所や高齢者施設といった社会福祉施設、学校などの給食施設で働く人も多数います。

とくに、近年は病院におけるチーム医療の一員として管理栄養士が必要とされる場面が急増しており、栄養サポートを行うメディカルスタッフとして医療現場で活躍する人が多くなっているようです。

栄養学部の出身者は就職率が高めといわれていますが、より専門性を高めることを目的として大学院へ進学する人もいます。

栄養学部の就職の状況と需要

管理栄養士の就職先は幅広く、給食施設や病院、社会福祉施設、介護施設のほか、社員食堂や飲食店、食品メーカーなど多岐にわたります。

そのため、卒業後は大半の学生が就職し、栄養学部で学んだ知識や技能を活かして活躍していきます。

「食」は人にとって欠かせないものですので、職業として需要が衰えるようなことは今後も考えにくいでしょう。

また、今後は超高齢化社会になっていきますので、健康に長生きすることは多くの人にとって重要なテーマとなるはずです。

栄養学部で学んだ知識や技能は、今後ますます求められていく可能性があります。

栄養学部の就職以外の進路

割合としては決して多くはないものの、より専門性の高い研究を行うために大学院へ進学する人もいます。

学部では時間の制約などの関係でじっくりと取り組めなかった研究にも、時間をかけて取り組むことができます。

論文を書くためのスキルも向上しますので、研究職など高い専門性が求められる仕事に就きたいのであれば、大学院での経験が役立つことがあります。

就職以外の進路としては、他にもフリーランスの栄養士になるという道もあります。

勤務先から給与を受け取るのとは違い、自ら営業して仕事を確保したり、常に最新の情報を取り入れ知識を更新し続けたりする必要がありますが、大きなやりがいを感じられるでしょう。

栄養学部の就職の状況の口コミ

  • 直営の病院や施設、保育園、委託会社で管理栄養士として就職する人がほとんどです。
  • フィットネスクラブなどでの健康増進や栄養指導、食品メーカーでの企画開発の仕事に就く人もいました。
  • 調理師として飲食店で働くことにした人もいます。
  • 管理栄養士は国家資格ということもあり、資格を活かした就職がそれなりにできると思います。
  • 割合としては少ないですが、事務など管理栄養士に関係のない職場に就職する人もいます。

栄養学部から公務員を目指せる?

管理栄養士の資格を取得後、公務員の管理栄養士の仕事に応募することができます。

公務員の管理栄養士が働く職場としては、保健所や保健センター、学校、病院などが挙げられます。

ただし、公務員の管理栄養士は倍率がとても高いので、合格して就職するのは狭き門と言わざるを得ません。

自治体によっては50倍に迫る高倍率になることもあるほどです。

よって、栄養学部から公務員を目指すことは「可能だが、倍率はかなり高い」というのが実情です。

栄養学部の卒業生の感想

栄養学部の卒業生の感想として、食への関心や管理栄養士資格の取得といった具体的な目的を持って入学する人が多いため、充実した4年間を過ごせるといった声が多数見られます。

また、実習が役立ったという感想も目立ち、学んだ知識を実習で活かすことで得られる経験が、将来的に栄養士などの仕事で働く際に大きな糧となるようです。

反対に、栄養学部は目的を持たずに入学してしまうと、講義や実習の内容に面白みを見出すのが難しいかもしれないという声もあります。

大学時代に学びたいこと、将来やりたいことをしっかりと考えた上で栄養学部という道を選ぶことが大切だと分かります。

栄養学部の卒業生の感想

  • 管理栄養士や栄養士を目指しているという人、食に興味がある人にとっては、とても充実した大学生活を送ることができると思います。
  • 学生時代に実習でまとめたノートは、管理栄養士になってからも役立っています。
  • 講義で得た知識だけでなく、実習などを通じて得た経験の全てが実務に活かされています。
  • 食は人が一生関わるものですので、一生ものの知識を得ることができたと思っています。
  • 何の目標も持たずに健康栄養学科に入ったら、勉強を楽しいと感じることができないと思います。

人が生きる上で欠かせない「食」を研究する栄養学部は、近年注目度が高まっている学部の1つです。

食について深く学び、食に関する仕事に就きたいと考えている人にとって、栄養学部で過ごす4年間は貴重な財産となっていくはずです。

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