大学院には何年通えばいい?

(読了時間:6分21秒)

大学院への進学を検討するとき、気になることの1つに「大学院には何年通うことになるのか?」という疑問があるはずです。

就職など大学院の後の進路を選択する上でも、修了の時期は大きく影響するからです。

ただ、一般的に卒業まで4年間と決まっている大学とちがい、大学院は選択する課程や研究分野によって修了までの年数が変わることがあるなど、仕組みがやや複雑です。

そこで、大学院には何年通うことになるのか、基本的な大学院の仕組みや分野ごとの違いについて整理しておきましょう。

大学院の修士課程と博士課程

大学院には修士(マスター)課程と博士(ドクター)課程があります。

どちらを選択するかによって通う年数に差がありますので、大学院への進学を検討する際には重要な判断材料の1つになります。

まずは多くの大学院に共通する一般的な修士課程と博士課程の違いについて解説します。

修士課程は最短で2年間

修士課程は修了まで2年と定められているのが一般的です。

大学の理系学部の中には、3・4年次に研究室に所属してからの研究が長期にわたることを見越して、あらかじめ修士課程への進学を前提にしているケースも見られます。

ただし、2年間というのはあくまで目安であり、実際には修士論文が審査に合格しなければ修了することはできません。

つまり、2年を超えて修士課程で研究を続ける可能性もあるわけです。

修士課程では大学の学部よりもさらに踏み込んだ専門性の高い研究に従事します。

そのため、想定していたように実験が進まず2年で修了できないケースや、より深く研究テーマを追究したいという希望で2年を超えて修士課程に在籍するケースは決してめずらしくありません。

博士課程は最短で5年間

博士課程では修士課程の2年間に加えて、さらに3年間を上乗せした計5年間が最短の在籍期間となっています。

大学院によっては、博士課程を前期の2年間と後期の3年間に分けた前後期制を採用している場合もあります。

【修士課程と博士課程】

修士課程/前期博士課程(2年間) 博士課程(5年間)
後期博士課程(3年間)

博士課程は修士課程以上に研究者の養成を目的とする面が色濃く、修了後も大学に残って研究者への道を本格的に目指す人が少なからずいます。

また、修士論文以上に博士論文の審査は厳しい目で見られるため、十分な研究成果を上げていると認められなければ修了することはできません。

こうした背景から、博士課程に進学したとしても修了することができず中退となるケースも見られるのが実情です。

取得できる学位の違い

4年制大学を卒業すると学士の学位が授与されますが、大学院では修士課程を修了すると修士、博士課程を修了すると博士の学位が授与されます。

前後期制の博士課程を設定している大学院では、前期博士課程を修了した段階で修士、後期博士課程を修了した段階で博士の学位を授与している場合もあります。

ちなみに、博士号には課程博士と論文博士の2種類があります。

課程博士とは、前述のように博士課程を修了し、博士論文の審査を通過して博士号を取得した場合の呼称です。

これに対して論文博士とは、博士課程に進まず論文審査のみで博士号を取得した場合に用いられる称号です。

めざましい功績が学会から認められた場合など、まれに論文のみで博士号を取得する人もいます。

ただし、近年では文部科学省の方針で論文博士の認定は厳しくなっており、実質的には課程博士が大半となっています。

学部ごとの平均的な年数

ここまで解説してきたのは、ごく一般的な大学院での修了年数です。

専攻する分野によっては、例外的に修士・博士課程を独自の基準で定めている場合があります。

代表的な学部として、主に医療・医学系の学部が挙げられます。

とくに薬学部・医学部・歯学部では、通常の4年制大学とは異なる就学年数を定めているケースが多く見られます。

薬学部の4年制課程と6年制課程の違い

薬学部では薬学に関する膨大な知識を習得するため、4年制課程と6年制課程を設定している大学・大学院が多くなっています。

4年制の薬学部は薬科学科と呼ばれ、主に研究者の養成を目的として設置されています。

これに対して6年制の薬学部は薬学科と呼ばれ、主に薬剤師の養成を目的としています。

4年制薬学部では大学4年まで修了したのち、修士課程の2年を経て就職または博士課程への進学へと進路が分かれます。

6年制薬学部では、そもそも大学の履修課程が6年間で編成されており、薬剤師国家試験への合格を目指します。

【薬科学科と薬学科】

薬科学科(4年制薬学部) 薬学科(6年制薬学部)
大学1年 一般教養科目 大学1年
大学2年 専門科目 大学2年
大学3年 研究室配属 大学3年
大学4年 実験など 医療系科目 大学4年
修士1年 薬局実習など 大学5年
修士2年 薬剤師国家試験 大学6年

教育目的の違いから、4年制薬学部では研究室での実験が多く実施されるのに対し、6年制薬学部では薬剤師として必要とされる知識を取得するための授業・実習が中心となります。

医学部・歯学部は6年制が基本

医学部・歯学部では、主に5・6年次を中心に実際の医療現場で臨床実習を行うことから、そもそも6年制が基本となっています。

6年制の大学を修了することにより、学士の学位が授与されます。

また、6年間の修業を経て、医師免許や歯科医師免許を取得するための国家試験に合格することを目的としています。

そのため、一般的に医学部・歯学部には修士課程が存在せず、6年制の大学を卒業して大学院に進学する場合は4年制の博士課程へ進むことになります。

なお、医学部や歯学部で6年間を修了して他学部の大学院へ進む場合、修士課程の修了と同等の資格を得たものと見なされます。

つまり、医学部・歯学部は6年制大学を卒業することにより、他学部の修士課程に相当する学業を修了したものとして扱われます。

大学院は何年で卒業できる?

ここまで、大学院での一般的な修業年数について解説してきました。

大学院への進学を検討する人の多くが意識していることとして、卒業まで何年かかるのか?という点が挙げられます。

卒業する時期が大学よりも遅くなることは明白ですので、その後の就職などへの影響を考えれば、卒業時期が気になるのは当然のことと言えます。

大学院に進学した場合、何年で卒業できると考えたらいいのでしょうか。

最短の年数はあくまで目安

大学と大学院の違いとして、卒業(修了)までの期間が人によって異なるケースが多いかどうかが挙げられます。

大学の場合、卒業に必要な単位を着実に取得していき、卒業論文を提出することで大半の人は卒業することができます。

これに対して、大学院では修士論文や博士論文が審査に合格しなければ基本的に修了は認められていません。

つまり、在籍年数や取得単位数に関わらず、論文によって研究成果が認められるかどうかがカギを握っています。

修士課程2年間、博士課程5年間というのはあくまで目安であり、論文の仕上がりによってはこれらの年数を超えて研究を続けることも十分にあり得ます。

大学院に進学した場合、修士課程なら2年間、博士課程なら5年間で修了できるものと考えてしまうのはリスクが高いと言えます。

博士課程を5年間で修了できる人はまれ

とくに博士課程の場合、学生というより一人の研究者として研究成果が問われることになります。

学士論文は論文の内容そのもの以上に「論文の書き方を身につけているか」が問われます。

修士論文においても、学士での基礎的な研究を踏まえてテーマをさらに深掘りできているかどうかが問われます。

しかし、博士論文では研究テーマに関する新たな視点を提示しているか、これまで論じられてこなかった観点で研究を進めてきたか、といった点が重視されます。

そのため、博士論文の審査に通過できないのは決してめずらしいことではなく、むしろ5年間で博士課程を修了できる人のほうがまれです。

博士課程に進むのであれば、自身の研究テーマについて研究者として認められるレベルまで追究していく覚悟を持って進学する必要があります。

大学院には最長で何年間通える?

修士課程2年・博士課程5年という目安によらず、研究成果によってはさらに長く在籍して研究を続けることもあると述べました。

では、大学院で研究を続ける場合、最長で何年間在籍することができるのでしょうか。

大学院によって異なりますが、一般的には修士課程で4年間、博士課程で6年間(修士課程を含めると10年間)と定めているケースが多く見られます。

これらの年限を迎えても修士論文・博士論文が審査に通過できない場合、さらに在籍期間を延ばすことが認められず退学となります。

なお、実際には論文審査は審査が行われた結果不合格となるというよりも、論文を提出する時点で指導教授から提出するレベルに達していないと指摘されるケースがほとんどです。

大学院に何年通えばいいか、最短の修了年数と実態について解説してきました。

大学院は教育機関というより研究機関ですので、大学のように規定の単位数を取得すればたいてい卒業できるものではありません。

大学院を修了するタイミングはその後の進路にも大きく影響しますので、大学院へ進学する際には研究テーマを追究し、論文を書き上げる覚悟が求められていると言えるでしょう。

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