コンビニ業界研究・仕事内容や求人状況、今後の動向を解説

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コンビニ業界とは

小売店の中でも、年中無休で長時間労働を行うのがコンビニエンスストア(通称コンビニ)です。

小規模な店舗が大半を占めており、食料品や日用品を主に取り扱っています。

発祥はアメリカで、日本では1974年の「セブン・イレブン」を皮切りとして全国に広まっていきました。

日本にあるコンビニの数は2016年時点で5万8000店舗、全体の業界規模は約7兆2,700億円となっており、日本有数の巨大業界なのがコンビニ業界の特徴です。

主な企業として「セブン・イレブン」、「ファミリーマート」、「ローソン」があり、この3企業だけでシェアの大半を占めています。

コンビニ業界の主な職種は、店舗で販売する商品を選定する「バイヤー」、実際の店舗に立って商品を販売する「販売職」、担当する店舗を回って売り上げを伸ばす「販売促進」、店舗の立ち上げに1から携わる「店舗開発」です。

コンビニは利便性を武器に今まで売り上げを伸ばしてきましたが、過当競争により近年は停滞しています。

新たなサービスを創設する、海外進出を図るなどの対策が必要です。

コンビニ業界の役割

もはや私たちの生活に欠かせないコンビニを展開し、人々の生活を豊かにするのがコンビニ業界の役割です。

ATM・公共料金支払い・コピー機・アマゾン受け取り・宅配など、さまざまな設備やサービスを利用できるインフラとしての機能も備えています。

大型スーパーでは収益を見込めない人口過疎地にも展開を行い、コンビニだけが頼りという自治体も少なくありません。

店舗ノウハウをオーナーに提供する代わりにロイヤリティを納めさせるフランチャイズ方式を盛んに行なっており、自分の店を持ちたい方にコンビ二経営者という働き方も提供しています。

近年は、各コンビニがプライベートブランドを創設してオリジナル商品を開発しており、商品の質も向上。

東南アジアを筆頭に海外進出も進み、コンビニの利便性を世界に輸出することを目指しています。

コンビニ業界の企業の種類とビジネスモデル

シェアの大半を占める3大企業

コンビニ業界は、シェア最大の「セブン・イレブン」とそれを追いかける「ファミリーマート」、「ローソン」の3企業が中心となっています。

この3社を合わせるとシェア全体の90%で、大企業の寡占化が進んでいるのが現状です。

ただし、ほとんどの店舗は直営店ではなく、本部のノウハウをもらう代わりにロイヤリティを収める契約を結んだ「フランチャイズ店」です。

フランチャイズ店を活用することにより、店舗運営にコストをかけることなく、日本全国に展開できるのがコンビニのビジネスモデルとなっています。

特定の地域に店舗を集中出店する「ドミナント戦略」を展開するセブン・イレブン、他企業との連携に積極的なファミリーマート、ターゲットを分析した商品展開を行うローソンなど、各企業の経営戦略は多種多様です。

その他中小企業

コンビニ業界の中小企業としては、大手スーパーイオンが母体となっている「ミニストップ」、山崎製パンが運営している「デイリーヤマザキ」などがあります。

純粋な競争では大企業に太刀打ちできないので、オリジナル商品の開発や地域に根ざした経営を行うことで、生き残りを図っています。

近年はディスカウントショップやドラッグストアのコンビニ化も進んでおり、それに対抗するためどのような戦略を打ち出すかが、今後の課題です。

コンビニ業界の職種

販売

直営店やフランチャイズ店で、商品の販売・アルバイトの教育・売り上げの管理など店舗運営全般に携わる職種です。

多くのアルバイトが販売として勤務しており、正社員登用するパターンも数多くあります。

スキルと経験を積めば、将来的には独立や店長就任を目指すことが可能です。

バイヤー

店舗で販売する商品の仕入れ・新商品の企画などを行います。

薄利多売が前提のコンビニ業界では、バイヤーによる仕入れ値交渉が、企業全体の売り上げを左右するので重要です。

コスト感覚はもちろん、新商品を生み出すための企画力やプレゼン力も求められます。

販売促進

担当している店舗の売り上げを向上させるため、店員へのアドバイス・販売計画の実行・品質向上を行う職種です。

店舗の売り上げに責任を持つ立場となるので、責任は重いですが、やりがいを感じやすい仕事となります。

常に複数の店舗を訪問しながら勤務を行うため、体力と行動力が必要です。

店舗開発

土地探し・オーナー選定・開店計画立案・施工など、店舗立ち上げに関わる全ての業務を請け負う職種です。

競争が激しい中で店舗を発展させる必要があるので、マーケティングや調査力などさまざまなスキルが求められます。

フランチャイズ店がほとんどなので、オーナーとなる人物の素質見極めも必要です。

コンビニ業界のやりがい・魅力

コンビニ企業の本部で働くか、フランチャイズ店で働くかで、やりがいは変わってきます。

本部で働く場合は、直営店の販売支援新商品の開発・経営戦略の立案・フランチャイズオーナーの開店サポートなど、後方支援業務が多いです。

業務を通して店舗を活性化し、日本の重要なインフラであるコンビニを発展させることができるという大きなやりがいがあります。

長時間労働も是正されつつあり、就職する場合は本部勤務がよいでしょう。

ただし、競争も激しいので、選考を突破するのは一筋縄ではいきません。

フランチャイズ店で働く場合は、自分の城ともいえる店舗を構え、ライバルとの競争に打ち勝ちながら売り上げを伸ばすのが主な仕事です。

順調にいけば複数店舗のオーナーになることも可能で、大きな収入も見込めるというやりがいがあります。

ただし、労働環境は激務になりがちなので、体調管理はしっかり行いましょう。

そんなコンビニ業界の平均年収は、550万円程です。

セブン・イレブンなど大手コンビニでは600〜700万円まで上昇するので、まずまずの年収といえます。

ただし、24時間労働であるコンビニの性質上、労働時間は長くなりがちなので注意が必要です。

コンビニ業界は現在まで拡大を続けていますが、国内では需要の減少・競合店の増加などで頭打ちの傾向にあります。

将来就職して活躍したい方には、言語スキルを磨き、海外進出に対応できる人材になりましょう。

コンビニ業界の雰囲気

大企業の場合、給与が高く、長時間労働に対する対策も実行されており、働きやすい雰囲気が作られています。

本部勤務に配属されれば、直接現場に行くことも少なく、コンビニ特有の長時間労働にも巻き込まれにくくなります。

コンビニの現場で働く場合は、社員とアルバイトが年齢、役職分け隔てなく働いており、濃密な人間関係を構築可能です。

ただし、基本的には残業を前提とした長時間労働であり、離職率も高めな傾向にあります。

フランチャイズオーナーは立場も弱いので、本部からの要求を断りづらいです。

人員確保も難しく、他店舗との過当競争にも晒されており、厳しい競争環境の最中にいます。

コンビニ業界特にフランチャイズ店で働く場合は、競争を勝ち抜いて出世するためのタフネスさが必要です。

コンビニ業界に就職するには

就職の状況

小売業は学生からの人気が薄く、求人需要は旺盛です。

大企業でも倍率は低めなので、ある意味狙い目の業界と言えます。

離職率も高いので、入社数年でも大きなポジションを任されるチャンスがあります。

大卒で就職する場合、まずは職種関係なく一括採用されるのが一般的です。

店舗経営に配属された後、適性を見ながら部署を決定する流れとなります。

本部勤務のポジションは競争が激しいので、就きたい場合は努力が必要です。

現場での評価を上げ、希望するポジジョンの適性があることを示しましょう。

アルバイトから社員登用される道もあり、就職する方法は多種多様です。

仕事内容が想像しやすい分志望者も多いので、業界研究をしっかり行い、競合者と差をつけましょう。

就職に有利な学歴・大学学部

コンビニ業界では、就職で有利となる資格・学歴は特にありません。

セブン・イレブンなど大企業に応募する際、高学歴なら多少有利となる程度です。

文系・理系関係なく入社しており、高卒や専門卒出身も珍しくありません。

販売に関する仕事なので、商学部経済学部で学んだ方は、就職後に知識を活かしやすくなります。

コンビニでのアルバイト勤務がある学生も、筋の通った志望動機を作りやすいでしょう。

体力のあるタフネスな人材が喜ばせるので、学生時代運動に打ち込んでいた学生なら、適性があると判断されやすいです。

就職の志望動機で多いものは

小売業の王道ともいうべき業界なので、「小売業を通して人の生活を豊かにしていきたい」という流れが多く見られます。

他には、「コンビニでの勤務経験を通して、その魅力に気づいた」という方も多いです。

コンビニではどんな社員もまずは現場勤務からスタートするので、コミュニケーション力や折衝力を志望動機でアピールしましょう。

採用担当は、面接を通して「なぜうちのコンビニでないとダメなのか」「すぐやめずに長い間まで活躍できるか」を見ています。

この2つの条件を満たすためにも、大きな目標を持った志望動機作成がおすすめです。

応募企業の業界での立ち位置をしっかり把握し、戦力して活躍しているイメージを持ってもらえるように行動しましょう。

コンビニ業界の転職状況

転職の状況

就職と同じく、転職の求人も数多くあります。

就職との違いは、一括採用ではなく、あらかじめ配属されるポジションが決まっていることです。

転職する際は、働くことになるポジションでどのように活躍するかを考える必要があります。

販売や販売促進の求人が多く、現場に出ることを求められる傾向にあるので、本部勤務を希望する場合は注意しましょう。

営業や販売員の経験があると、採用担当に評価されやすくなります。

転職の志望動機で多いものは

「コンビニ業界での勤務経験を生かしたい」、「営業や販売に携わった経験を生かしたい」という志望動機が多く見られます。

フランチャイズ店での勤務経験を持ち、その経験を本部で生かしたいという方も少なくありません。

転職市場では経験と実績が求められるので、志望動機でそれらをアピールできるようにしましょう。

ノルマ達成や売り上げ向上の経験も、効果的に語ると評価されます。

転職で募集が多い職種

販売員、店長候補の求人が多いです。

未経験・フリーター歓迎や土日休みありなど、入社しやすく働きやすい環境が近年整えられています。

ハードな業務が苦手な場合は、契約社員からキャリアをスタートさせるのもおすすめです。

経験を積めば独立の道も開けるので、自分の店を持ちたい方は店長候補ポジションに応募しましょう。

どんな経歴やスキルがあると転職しやすいか

販売職や店長候補は未経験歓迎も多く、特別なスキルは経験がなくても転職が可能です。

ただし、現場での勤務が多く、長時間労働などハードになりやすいので注意しましょう。

本部での勤務は求人数が少なく、転職エージェントを通じて非公開求人で募集している場合が多いです。

競争も激しくなかなか入社できませんが、残業も少なく待遇面で恵まれています。

本部勤務を目指す場合は、アピールできるスキルや経験も棚卸しする必要があります。

コンビニ業界の有名・人気企業紹介

株式会社セブン・イレブンジャパン

株式会社セブンイレブンジャパンが展開する、日本最大のコンビニチェーンです。

国内店舗数は2万店、売上高は4兆円と日本最大級の企業となります。

近年はオリジナルブランド「セブンプレミアム」に力を入れており、さまざまな食品が開発されています。

株式会社セブン・イレブンジャパン ホームページ

株式会社ファミリーマート

セブンイレブンに次ぐ業界第2位のコンビニ企業で、店舗数は16,000店を数えます。

2016年にコンビニチェーン「サークルK」と合併し、業界2位から3位に上昇しました。

海外展開にも積極的で、中国をはじめとしたアジア各国に店舗があります。

株式会社ファミリーマート ホームページ

株式会社ローソン

店舗数13,000を数える、業界3位のコンビニチェーンです。

コーヒー、ドーナツ、ホットスナックなど、多様なオリジナルメニューが特徴です。

業界に先駆けてセルフレジを導入しており、人手不足解決に効力を発揮しています。

ローソン ホームページ

コンビニ業界の現状と課題・今後の展望

競争環境

フランチャイズ形式やプライベートブランド開発で売り上げを伸ばしてきましたが、国内では既に飽和状態にあります。

コンビニの数は5万店を超え、新規出店してもなかなか売り上げが伸びにくくなってきたのです。

フランチャイズオーナーも高齢化や人手不足と言った問題を抱えており、現状のシステムの見直しを求める声が強まっています。

海外進出も積極的に行なっていますが、国内の需要減を補うには至っていません。

最新の動向

「プライベートブランド」と「セルフレジ」が、現在注目されています。

プライベートブランドは、卸売業者を通さず直接生産するオリジナル商品で、大量生産によって低コストを実現しています。

セルフレジは、レジ打ちなしで自動的にお会計ができるので、人手不足の救世主として期待されています。

今後は自動化が推進され、コンビニの労働環境も変化すると考えられています。

業界としての将来性

コンビニ業界は成長が一旦落ち着き、新たな変化が求められています。

近年は長時間労働やロイヤリティで疲弊するフランチャイズオーナーが問題となっており、体制の見直しを求められるでしょう。

海外進出や自動化が進めば、今後も発展し続けることが可能です。

コンビニ業界で働く場合は、シビアな環境で生き残るためのハングリーさとタフネスさが求められます。