【チーズ教室主宰】「“チーズ”が人生を豊かにしてくれた」元編集者から一転チーズの世界へ。 梶田泉さん

好きを仕事にしてる人を紹介するインタビュー記事。
今回は、元編集者から一転、現在はチーズ教室の講師として活動する梶田泉さんからお話を伺います。

チーズ教室 講師の仕事内容

チーズ教室の講師は具体的にどのような仕事なのでしょうか?

チーズの知識を深め、食をより楽しんでもらえるような講座を開催しています。

チーズによって、特徴、食べ方、製造方法、歴史などが異なるので、様々な角度からチーズを楽しんでもらえるように講座の内容も一つひとつオリジナルで考えています。

色々な種類のチーズを食べて楽しむ講座から、専門性の高い講座やチーズプロフェッショナル試験対策講座まで多岐に渡って。講座にもよりますが、20代〜80代までの幅広い年齢層の方から受講して頂いてます。

また、フランスチーズ鑑評騎士(※1)やチーズプロフェッショナル(※2)の肩書きを持っていることから、チーズ教室とは別に、年に数回メディアの仕事や企業さんと仕事をしています。

(※1)…フランスチーズの普及に貢献している人の称号。
(※2)…チーズのソムリエ。チーズの基礎的な知識と取り扱いに熟知した人の持つ呼称。

チーズ教室は週にどれくらい開催されているんですか?

基本的にほとんど毎日講座を開催しているという感じですね。

とはいえ、一日中講座をしているわけでなく。講座の資料を作成したり、講座で使用する材料の準備をしたり、試験用の問題を考えたり…講座の準備をする時間も含めて終日働いていますね。

ということは年中無休なんですか…?

そういうわけでもないです。授業の内容と同様に、スケジュールも自分で組めるので、時期によっては休む期間もあります。その時は2週間くらい海外に行ってチーズの勉強を深めたり、旅を楽しんだりして。

まとまって仕事をして、まとまって休んで、時間の使い方も自由なので、そこは会社員では難しい働き方だと思います。

チーズに興味を持ったキッカケ

チーズ教室を開くほど、チーズに興味を持ったキッカケを教えてください。

学生時代、チーズスクールに通ったのがキッカケです。

実は私、もともと弁護士になりたくて、大学院まで進んで法学部で弁護士の勉強をしていました。

なかなか資格を得ることができず、カウンセリングに通うほど将来に悩んでいて…。そんな時、たまたま都内にチーズスクールがあるとチラシで見つけて、気晴らしに通い始めたんです。

全国に一つしかないチーズスクールだったこともあり、さまざまな経歴や年代の方たちが受講していて。

こんなに個性豊かな人たちがいるんだとカルチャーショックを受けました(笑)

それまでは勉強漬けの毎日で勉強のことしか考えてなかったのですが、この出来事をキッカケに自分の中で世界が広がって。

もっと視野を広げてみようと思い、海外へ語学留学をしてバックパッカーとしてヨーロッパの国々を見て回りました。

そこで旅が好きだと感じ、海外から帰国後は弁護士を目指すことを辞めて、旅に関する出版の編集プロダクションに入社。

また、帰国してからも趣味でチーズスクールに通い続けていました。

最初は趣味でチーズに関わっていたんですね。

はい。ただ何となくチーズが好きで、食の好みの合う人と出会えるし、楽しいから通おうくらいの気持ちでしたね。

そんな気持ちでスクールに通い続けていたある時、フランスのチーズ産地ツアーに行く機会があり、そこでチーズの魅力に気づいたんです。

実際にチーズを作っている人に会って、チーズの背景や文化を知ったらとても面白くて、そこからチーズを突き詰めていくようになりました。

チーズの知識を深めていくとともにチーズと一緒に楽しむためにワインの知識も必要だということに気づき、そこでワインの資格も取得。

チーズに関するあらゆる知識を極めていきました。

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チーズ教室 講師になるまでの経緯

そこからなぜチーズ教室の講師に?

ちょうどその当時、ワインやチーズが流行っており、教室を友人が始めたので、まずはワイン講師として手伝うようになり、さらにチーズ講座も開設することになったのでそのままチーズ講座を担当するようになりました。

最初は編集の仕事を続けながら、副業のような形でチーズ講師をしていました。

しかし、両立するのが大変になってきたことと、やっぱりチーズの仕事を一本でやっていきたいと思い、とりあえず一年間はチーズに専念してみようと取り組んだ結果、生徒さんも増えてきて、なんとかこの道でやっていけそうな自信がつきました。

友人のワイン教室で約13年勤め、2011年秋に自分の教室を立ち上げて、現在は独立から8年目になりますね。

独立する際に不安はなかったのでしょうか?

もちろん不安でした。自分で場所を借りて教室を開くので、ちゃんと家賃が払えるのか、生徒さんは集まるのか、不安はたくさんありました。

もともと独立をしたかったわけではなく、働いていた教室と折り合いが悪くなって辞めることになり、チーズ講師の仕事を続けるには自分で始めるしか選択肢がなくなってしまったのがきっかけです。

ただ、思い切って教室を借りて自分一人で始めてみると、何でもっと早く独立しなかったんだろう!と思いましたね。

どこかに所属していると、いろいろな制約があり、企画が制限されてしまいますが、自分で運営しているからそれがない。

自分のやりたい企画を好きなようにできましたし、さらに以前の教室からの生徒さんも引き続き通ってくれたこともあって、独立して良かったと思いました。

チーズ教室 講師の楽しさ、大変さ

チーズ教室の仕事は、どのような楽しさ、やりがいを感じていますか?

自分の好きなこと、関心のあることを追求できて、さらにそこに共感して集まってくれる方がいることに楽しさを感じます。

また、チーズ教室を通じて、食に対する見方が変わったり、食の好みが合う人との出会いがあったりする。そういう場所を持っていることにはやりがいも感じます。

チーズ教室に通わなくても生活はできます。でも、通うことで、少しでも生活を豊かにしたり、人生に楽しさを感じられることもある。そんな場所になれていたら嬉しいし、やりがいがありますね。

逆につらいな、大変だな、と思うことはありますか?

全部一人でやらなければならないのは大変ですね。

基本的に経営に関することからカリキュラム作りまで私一人でやっています。

自分の好きなようにスケジュールを組み仕事をすることができますが…その反面、体調を崩す日や、なかなか気分が上がらない日もあるわけで…。

コンスタントに継続していくことにはとても努力と忍耐が必要だと痛感しています。その上、それなりの講座数をこなさないといけません。

全て自分次第であることは、自由であると同時に責任も大きいです。

ただ、私は自由に自分の好きなようにやることを選んだので、今は少し工夫して稼働するようにしています。

例えば、チーズ以外の食やワインの専門家の方に講座を担当していただいて、自分だけが一人でがんばらないようにしています。

講座のバリエーションが増えることは幅広い関心を持つ生徒さんに教室を知ってもらうきっかけにもなりますし。

自由だからこそ、工夫次第で自分の負担を軽くすることも重くすることもできるというのを感じますね。

チーズ教室 講師としての目標

今後、チーズ教室の講師をしていく中で目指していることを教えてください。

2つあります。

一つは私自身、チーズについてもっと知識を増やしていきたいです。

まだまだ学びたいこと、経験したいこと、見に行きたいことがたくさんあって、追求したい欲がどんどん膨れ上がるんです。

経験や知識が豊かになることは、講座をする上でも欠かせないことなので、生徒さんたちにもっと楽しんでもらえるためにもスキルアップは不可欠。

これからもチーズに関する知識や経験を増やしていこうと思っています。

もう一つは、「チーズ」という私が関心を持っているものをキッカケに、生徒さんの世界や人生を楽しくしたいですね。

教室を始めた当初は、今ほどチーズに関心を持つ人がいなかったので、チーズってこんなに美味しくて面白い、ということを広めたいと思っていました。

しかし、最近ではチーズを食べることが珍しいことではなくなってきたので、チーズを広めたいという想いよりも、チーズをきっかけに食に対する意識が高まったり、同じような関心を持つ人たちとの出会いを通じて楽しんでもらえたりできる場所を作っていきたいと考えています。

「教室に来るようになって、なんだか人生が楽しくなりました」って時折言われるんです。

それが一番うれしいですね。

私自身が、「チーズ」に関わるようになって人生が楽しくなっていったので、まさに自分が体験したことを生徒さんにも感じて欲しいと思ってやっています。

好きを仕事にしたい方へメッセージを

最後に、好きを仕事にしたい方へメッセージをお願いします。

何がキッカケで自分の将来が決まるか分からないので、関心のあることはとにかく色々やってみた方が良いと思います。

私自身、チーズ教室の講師になるなんて学生の時は思ってもいませんでした。

チーズに興味を持ち始めたのだって25歳の時ですからね(笑)

弁護士になろうと思って進路を決めていたし、就職先もチーズに関係のない仕事。チーズは単なる趣味でしかなかった。

でも、「自分が本当にやりたいことって何だろう?」と常に考えながら、色んなことに手を出して選択をしていった結果、今の仕事に辿り着いたと感じています。

どの選択が正解で不正解なのか、何もやってみないことには分かりません。

なので、自分の好きなこと、やってみたいことなど、関心のあることにとりあえず飛び込んでみる。違ったら辞めたら良いと思うんです。

悩んでもがくことは悪いことじゃなく、前に進むために必要な時間です。

そうやって挑戦して選択して、自分に本当に合っていること・やりたいことは何なのかを研ぎ澄ませていくのが一番大切だと思います。

梶田さんに聞く美味しいチーズを選ぶ3つのコツ

1. 商品の裏面にあるラベル表示をチェック!
原材料に「クリーム」が入っているカマンベールタイプのチーズはくせがなくて食べやすいですのでチーズ初心者にはおすすめです。

2. パッケージ越しにチーズの様子をチェック!
美味しいチーズはやっぱり美味しそうな表情をしています。じっと見て観察するとだんだん選択眼が養われます!

3. 店員さんに聞く!
店員さんがいるお店であればやはりプロに相談するのが一番です。「こんな味が好き」、「こういうのは苦手」など具体的に説明して相談してみましょう。

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