アスレティックトレーナーの資格試験の種類・難易度・合格率

アスレティックトレーナー(AT)として活動するための国家資格はありません。

ただし、業務に関連するいずれかの資格を取得して仕事をする人が多くなっています。

ここではそれぞれの資格について詳しく紹介します。

\アスレティックトレーナーの資格を取得!/

日本にはアスレティックトレーナーの国家資格はない

日本には、アスレティックトレーナー(AT)として活動するための国家資格はありません。

ただ、アスレティックトレーナーの業務に関連する主な資格としては以下の3つが挙げられます。

アスレティックトレーナーの業務に関連する主な資格
  1. 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー:JSPO-AT
  2. NPO法人 ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会 認定アスレチック・トレーナー:JATAC-ATC
  3. NATA-BOC公認ATC (アメリカ国家資格)

\アスレティックトレーナーの資格を取得!/

JSPO-AT(日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー)

JSPO-ATとは

JSPO-ATは、日本スポーツ協会が公認するアスレティックトレーナーの資格です。

日本におけるアスレティックトレーナーの資格としては最も有名で、国内で活動する多くのアスレティックトレーナーが取得しています。

JSPO-ATの受験資格

JSPO-ATの資格を取得するためには、日本スポーツ協会の養成講習会を受講するか、適応コース承認校(スポーツ指導者養成講習会免除適応コース承認校)を卒業する必要があります。

ただし、日本スポーツ協会の養成講習会を受講するには条件があり、満20歳以上で関連団体の推薦と日本スポーツ協会の認可が必要です。

関連団体でアスレティックトレーナーとしての活動実績がないと推薦を得ることは難しく、養成講習会の受講人数にもかぎりがあることから、実績がない人は適応コース承認校への進学が一般的です。

適応コース承認校を卒業することで資格が取得できるわけではありませんが、養成講習会や検定試験の一部が免除され、受験資格が得られます。

参考:JSPO-AT試験

JSPO-ATの難易度・勉強時間

JSPO-ATの資格取得は、国内のスポーツトレーナー関連の資格としては難易度が高いといわれています。

日本スポーツ協会の養成講習会のカリキュラム
  • 共通科目150時間(集合講習および自宅学習)
  • 専門科目600時間(集合講習190時間、自宅学習140時間)

適応コース承認校で学ぶ場合は大学であれば4年、専門学校や短期大学であれば最短2年となります。

JSPO-ATの合格率

JSPO-ATの合格率は公表されていませんが、簡単に取得できる資格ではありません。

日本スポーツ協会養成講習会修了者で合格率は30~40%程度、適応コース承認校で学んだ場合はさらに低く、10%程度とされています。

JATAC-ATC(ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会 認定アスレチック・トレーナー)

JATAC-ATCとは

JATACとは「ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会」の略称で、JATAC-ATCは同協会が認定するものです。

JATAC-ATCは資格というよりも、ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会の正会員として登録されることで名乗ることができます。

医学的な知識や技術をもとにスポーツ外傷や障害の予防の専門家としてトレーニングの指導やリハビリテーションなどに携わることができます。

JATAC-ATCの受験資格

JATAC-ATCとなるためには、いくつかの条件があります。

まずは指定された国家資格を持っていることが必要です。

そのうえでJATACの講習を受け、通信教育講座でスポーツ科学分野の単位(4領域69単位)を取得しなければいけません。

ただし、JSPO-AT、もしくは次に紹介するNATA-BOC公認ATCの資格を有する者は、4領域69単位の取得は不要です。

また、2年制以上の専門学校、大学、大学院におけるスポーツ科学系コースの卒業生も、JATACが認定する単位を取得していれば講習を受けてJATAC-ATCとなることができます。

JATAC-ATCの難易度・勉強時間

JATAC-ATCとなるためにはまず、柔道整復師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、理学療法士、作業療法士の国家資格を取得しなければいけません。

難易度は高く、多くの勉強時間が必要な資格といえます。

JATAC-ATCの合格率

JATAC-ATCには受験があるわけではありませんから、合格率を算出することは難しいです。

まずは指定の国家資格を取得する必要があるため、その国家資格の難易度によっても異なります。

参考:JATAC-ATC試験

\アスレティックトレーナーの資格を取得!/

NATA-BOC公認ATC

NATA-BOC公認ATCとは

NATA-BOC公認ATCは、アメリカのアスレティックトレーナーの国家資格です。

アメリカでは1950年にアスレティックトレーナーを統括する「全米アスレティックトレーナーズ協会(NATA)」が設立されました。

1990年にアスレティックトレーナーが準医療従事者として認定されたことにより、「NATA」の「資格認定委員会(BOC)」が公認する「アスレティックトレーナー(ATC)」は国家資格となりました。

国際的な知名度も高い資格で、海外でアスレティックトレーナーとして活動したい人は取得する必要があります。

NATA-BOC公認ATCの受験資格

NATA-BOC公認ATCの資格を取得するためには、「BOC Exam」という国家試験を受ける必要があります。

その受験資格を得るには、まずは「アスレティックトレーニング教育認定委員会(CAAT)」によって認定された大学の養成カリキュラムを受けて学士を取得しなければいけません。

日本人が受験する場合も同様で、日本から留学することができます。

NATA-BOC公認ATCの難易度・勉強時間

受験資格を得るために学士を取得しなければなりませんから、難易度の低い資格ではありません。

NATA-BOC公認ATCの資格を取得するためには英語力も必要ですから、日本人の場合は語学力の壁もあります。

NATA-BOC公認ATCの合格率

NATA-BOC公認ATCの合格率は、60%程度といわれています。

ただし、この数字は日本人の留学生の合格率ではありませんし、日本人の受験者数そのものが非常に少ないと考えられます。

専門的な知識や技術に加えて実技におけるコミュニケーション能力もすべて英語で求められますから、日本人にとっては難易度が高いといえます。

参考:NATA-BOC公認ATC試験

アスレティックトレーナーの資格試験の種類のまとめ

アスレチックトレーナーになる上で、絶対に必要な国家資格はまだありません。

日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー、NPO法人 ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会 認定アスレチック・トレーナー、NATA-BOC公認ATCという3つの資格があり、いずれかを取得している人が大半です。

それぞれ要件や難易度が異なるため、どれを取得するかは慎重に考える必要があるでしょう。

\アスレティックトレーナーの資格を取得!/