好きを仕事に! 格闘技イベントプロデューサー
イベントプランナー立澤 美和さん
東京都出身。2009年7月、J-NETWORK株式会社に転職。格闘技のイベントを中心にプランニングを行っている。
座右の銘:焦らず、怠けず、腐らず
今の仕事内容について教えて下さい。
格闘技のイベントをプランニングしています。業務内容は多岐にわたります。
イベントのマッチメイクからはじまり、イベントの流れを立てたりする他、リリースの作成、テレビ取材のやりとり、HP・ブログの更新、事務的な仕事も多いです。ポスターを貼りに行ったり、大会で使用したグローブなどを磨くなど地道な仕事もあります。
1日の流れを教えて下さい。
イベントのない日は基本的にデスクワーク中心です。たくさんの人と関わっているので、メールや電話は多いですね。ブログの更新も大事な仕事です。リリースには表立った情報しか掲載できないので、ブログには選手の素顔など裏情報を載せるようにしています。
イベントのある日は、事前に作成したタイムスケジュール通りに動きます。試合が昼と夜の二部ある場合は午前9時前後に会場に入りして午後9時頃まで、夜一部のみの場合は午後3時頃から午後9時頃まで、打ち上げなどを含めると終わるのは深夜です。
試合は月に1回から2回ですが、これは他の団体から比べると多い方です。担当するイベントの種類は、アマチュア・男女プロなどさまざまです。
今、取り組んでいる仕事はどういったものですか?
7月に新宿で開催される女子キックボクシングイベントに向け、プランニングに取り組んでいます。現在、女子だけのキックボクシングイベントを作っているのはうちだけで、今回もアマチュア選手からベテラン選手までズラリと揃えようかと思っています。
選手が強くなっていく姿、その成長ぶりを見るのもすごく楽しみです。一人一人それぞれのドラマがあるので、イベントを作ると同時にドキュメンタリー番組も作ってしまいたい!と、いつも思っています。
イベントプランナーの男女比を教えて下さい。
ウチの会社でイベントをプランニングする人は5人います。自分を含め、イベント制作のみに従事しているのは2人で、他の者はジム運営の仕事や経理などを兼業しています。
5人のうち3人は女性です。元々格闘技が好きな人ばかりですね。
イベントプランナーの職業を目指そうと思ったきっかけを教えて下さい。
格闘技が好きで、格闘技に関わる仕事をしたかったからです。この仕事に就く前から、試合はもちろん、格闘技に関するイベントにもよく行っていました。
今の職場は全く違う職種からの転職だったので、ダメ元で受けたのですが採用になりました。最初はHPのデザインからはじまり、まだ入社して間もなく仕事もわからない時に、いきなり会社で出しているマガジンの編集長をすることになりました(笑)
その後、今のイベントプランナーという仕事をするようになりました。
イベントプランナーの仕事で苦労したエピソードはありますか?
出場予定の選手が練習中にケガをしてしまうことがあります。そんなときは急遽、代わりの選手を探さなければなりません。スポーツイベントならではのことですが、プランをきちんと立ててもイベント当日までは気が抜けません。
イベントプランナーの仕事でやりがいを感じるのはどんな時ですか?
自分のプランニングしたイベントで、お客様が楽しんでくたり、喜んでくれた時ですね。
ただ、終わったあとすぐに次のイベントのことを考えなければいけないので、達成感を得たり、ほっとしている暇はあまりないような気がします。
一番思い出に残っているイベントはどういうものですか。
一つ一つのイベントに思い出はありますが、2010年末に、株式会社ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント様(以下SPEJ)とのコラボレーションで開催された『J-GIRLS 女祭り 2010~戦う女は美しい~』が特に心に残っています。
SPEJは、「ソルト」「バイオハザードⅣ アフターライフ」のブルーレイとDVD発売に合わせて『Wヒロインキャンペーン』を展開していました。そのキャンペーンのコンセプト「戦う女は美しい。」が、私たちの作っている女子キックボクシングイベント「J-GIRLS」のコンセプトと合致し、イベントが実現したんです。
会場はアンジェリーナ・ジョリーとミラ・ジョボヴィッチの巨大垂れ幕、ポスターなどで埋め尽くされて壮観でしたね。
最近では株式会社 EMIミュージック・ジャパン様とのお仕事で、人気歌手のAIさんのPVに、女子選手が出演しました。こういった試合以外の思い出もたくさんあります。
仕事以外の楽しみはありますか?
最近、奪われつつありますね(笑)朝は11時からと遅いのですが、夜も11時、12時までという日が結構多いので。
格闘技が元々好きだったので、仕事が趣味の延長です。他の団体の試合を観たりするのも楽しみです。ただ、試合だけを楽しめるわけではなく、どういう風にイベントプランニングをしているかなども観るようになってしまいましたね。
イベントプランナーに向いているのはどんな人ですか。
タフな人、やる気がある人、熱い人、打ち込める人、明るい人ですね。マイナス思考の人より、なんでもプラスに考えて楽しめる人が向いていると思います。力仕事もあるので体力も大切です。
今後、イベントプランナーの業界はどうなって行くと思いますか?
つまらないイベントをしていれば、やはり業界は潰れてしまうでしょう。おもしろいイベントを作れば上がっていきます。景気が悪いとずっと言われていますが、楽しいところには人は集まってきますからね。
他の職種でもそうですけど、良い商品を売っているところは上手くいきます。手抜きをしているとダメになってしまいます。
高校生に戻れたら何をしますか?
私は大卒ではありませんが、大学に行かなかったことを後悔していません。この仕事に学歴は関係ないですから。今の高校生はやりたいことをいっぱいやればいいと思いますよ。
これをやりたいとか、好きなことがあればやってみれば良いと思います。私も高校時代から、やりたいと思ったらやっていました。だから、高校生に戻ったとしても今のまま、やりたいことをやっていますね。
将来の夢や目標はありますか?
イベントプランナーをやっているからには、東京ドームのような場所で、大きなイベントをやりたいですね。選手も命を削って戦っているので、自分に誇りを持てるような、大会場の舞台に立たせてあげたいです。
数年前から「格闘技界全体が氷河期」なんて言われていますが、格闘技の楽しさ、素晴らしさ、を伝えていきたいとも思っております。
イベントプランナーを目指す方にメッセージをお願いします。
好きだったらできますし、楽しいと思えばできます。大変だけれど、こなした時にやりがいを感じられます。失敗も糧になる仕事ですし。
イベントプランナーをやってみたいと思えば、やっちゃえば良いですよ。そんな気持ちでこの業界を目指してもらえればと思います。
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