自分なりの「オリジナリティ」と「こだわり」を発揮できる仕事。
インテリアデザイナーnawaさん
1995年生まれ。静岡県浜松市出身。
東京モード学園 インテリア学科2015年度卒業。卒業後、インテリアデザイナーとして、店舗デザインから住宅デザインまで幅広く活躍中。趣味は料理、ものづくり全般。
インテリアデザイナーという職業に興味を持ったきっかけを教えてください。
子どもの頃からおもちゃを分解することやものづくりが好きでした。あと、自分の部屋を帽子やスニーカーなどの好きなもので埋めていて、「部屋をいじる」みたいなことには自然に興味を持っていたかもしれません。
それと、大きかったのは幼馴染のお父さんがインテリアデザイナーだったことです。子どもの頃、その子の家に遊びに行ったときに家がものすごくカッコよかったのをよく覚えています。
デザイナーへの憧れのようなものは、そこで芽生えたような気もします。
それから、どうやってインテリアデザイナーになろうと決めたのですか?
僕は浜松で育ったのですが、高校在学中にカナダへ短期留学をしたとき、まったく知らない世界があることに刺激を受けて。
卒業後は東京に出てインテリアデザインを勉強しようと決めました。
それで学校探しのために東京に来たとき、大都会の新宿、しかもビルの形も斬新ということから、モード学園でインテリアデザインを学ぶことにしました。
専門学校ではどのようなことを学ばれたのですか?
僕は基礎科というところで1年、その後は専攻別のカリキュラムで2年間学びました。
図面の見方・書き方など、本当にインテリアデザインの基礎の基礎から学びました。もちろん絵の描き方や、設計をするためのパソコンソフトの使い方なども。
卒業前には卒業制作もやりましたし、カリキュラムの一環で、大手の設計事務所で1ヵ月のインターンシップを経験できたことも印象に残っています。
学生生活は楽しかったですか?
はい。授業はみっちりありましたが、よくクラスの友達と他愛もないことを話して楽しんでいました。
校舎の立地も良く、昼休みは限られた時間の中で、周辺の色々なお店に食べに行きました。
それと、モード学園にはファッション学科などの様々な分野の学科もあるので、オシャレな人や意識の高い人に囲まれて過ごすことで刺激を受けていました。
卒業後はどのような道に進んだのですか?
将来について悩んでいときに、最初に話した幼馴染のお父さんと話す機会がありまして、「まだ就職先が決まっていないなら、ウチで働きなよ」ということになって、そのまま入社させていただきました。
僕が今勤めているその会社は、規模は小さいのですが浜松にもオフィスがあります。社長は普段浜松にいることが多いので、東京の事務所では、基本的に1人で過ごしています。
現在はどのようなお仕事をされているのですか?
新築の設計を行うこともありますが、リフォームや、以前作ったデザインを変えたい、壁を塗り替えたい、新しい家具がほしいなど、お客様によって要望は本当に様々です。
住宅、店舗、病院など、会社としては手広く手掛けています。
基本的には社長がお客様と商談をして僕が設計を行っているのですが、部署がいくつも分かれているわけでもないので、社長の近くで何でもやらせてもらっているという感じです。
1日のスケジュールを教えてください。
抱えている案件によって、スケジュールはだいぶ変わってきます。
朝、始業時間通りに事務所に出社することもありますし、現場に直接入るようなこともあります。
たとえば先月は伊豆でエステサロンの設計をしていたので、車で2時間かけて現地へ行き、業者さんを入れて打ち合わせをして戻ってくるの繰り返しでした。
案件が詰まっている時期と、落ち着いている時期の忙しさの差が激しいです。
あと商業施設内の店舗を手掛けると、営業時間外に作業を進めるために忙しいときは朝3時から現場に入らなくてはならないこともあります。
nawaさんの思う、インテリアデザイナーとして働くやりがい・魅力を教えてください。
自分で設計したものが形になることは快感です。
たとえば隙間におさめたいと思って考えた家具がバシッと入ったときは気持ちいいですし、図面上で見ていたものが目の前に現れたときには、その迫力に我ながら興奮することもあります。
それと、自分の日常生活では出会えないような富裕層のお客さまと出会えることもあります。知らない世界に触れることができる喜びがありますね。
ただ、そういう方はとくに目が肥えていらっしゃいますし、求められるものもハイレベルなので緊張感は増します。
では、このお仕事をしていて大変だと思うのはどのようなところですか?
正直にいって、現実は皆さんが想像するカッコいいデザイナーのイメージとは少し異なると思います。
色々なお客様がいるので、現場によっては電球を替えるなど、「これもデザイナーの仕事?」と思ってしまうような地味な仕事をやらなくてはならないこともあります。
また、建築業で長年のキャリアがある「ザ・職人」のような方とも関わりが深くなるので、泥臭い部分もあります。キラキラしたイメージへの憧れだけでこの仕事に就くと、ギャップに苦しんでしまうかもしれません。
建築士という職業との違いはどのようなところにあるのでしょうか?
僕の働いている会社には建築士もいて、一緒に仕事を進めることがあります。
会社によって業務内容のすみわけは多少異なると思いますが、たとえば建築士は建物の構造計算などを行っており、「この部分にこの家具がほしい」という話を受けて、僕が内装のデザインを担当するといったことがあります。
お休みの日やオフの時間は、どのようにリフレッシュしていますか?
料理や音楽、ものづくりが好きです。スキューバダイビングをやることもあるので、インドアもアウトドアも楽しんでいます。
そういえば最近ドローンを買ったのですが、都内ではなかなか飛ばせないので、関東近郊に出かけたりもしています。
好奇心はかなり旺盛なほうかもしれません。興味を持ったらどこまでも追っていきたいタイプです。
nawaさんが働くうえで、大事にしていることはありますか?
いろいろなものに興味を持って、よく見ることは、デザイナーにとってものすごく大事なことではないかと考えています。
それと、この仕事をしていると普段からいろいろなデザインを意識的に見るようになりますが、自分がいいと思うデザインはもちろん、好きじゃないと思うデザインに遭遇したときにも、それについて深く考えてみることは意識しています。
それがどういう風につくられているのかとか、安っぽく見えないようにするにはどうすればいいのかとか、気になったことはとことん突き詰めて考えます。
こういうものの見方は職業病なのかもしれません。
将来の夢はありますか?
普段、ずっと人のものをつくっているので、ゆくゆくは自分のものもつくってみたいです。
時間があるときに自分が住んでみたい「理想の家」をスケッチしたりしているので、いつか自分自身の家を手掛けてみたいですね。
最後に、インテリアデザイナーという職業に興味を持っている人に向けてメッセージをください。
ものづくりに関わっていくのであれば、「オリジナリティ」と「こだわり」を持っていくことが大事だと思います。
若いうちから色々なものに触れて自分の引き出しを増やしながら、少しずつ自分のスタイルを身につけられるように心がけておくといいと思います。
それと、僕は自分を幸せにするのは自分だと考えています。
デザイナーは、ものづくりを通して人を喜ばせる仕事なので、まず自分が幸せでいられるように、毎日を楽しく過ごすための方法を自分で見つけてみてください。
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