キャリアアップのための認定薬剤師・資格の種類
現在、様々な認定薬剤師制度があります。
キャリアアップ、自己研鑽のために、これらをうまく活用するとよいでしょう。
ここでは、私がこれまでに取得した認定薬剤師・資格について、自らの経験も交えて紹介します。
国民の期待に応えるために勉強
薬学の世界は日進月歩なので、薬剤師免許を取得した後も勉強の毎日です。
常に最新の知識・技術を身につけることで、薬剤師法第1条に言う「公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保する」ことができます。
日々、勉強のモチベーションを維持するためにも、様々な認定・資格に挑戦するとよいでしょう。
日本薬剤師研修センター 「研修認定薬剤師」
地域の市薬剤師会や県薬剤師会主催の学術講演会では、大抵この認定のための研修シールが配られていると思います。
そのため、最も集めやすく、薬剤師会に入会しているなら、この認定が最も身近でしょう。
私も、地域薬剤師会主催の月イチの学術講演会には、ほぼ毎回出席し、シールを集めました。
(コロナ禍の前の話です)
e-ラーニングでも単位を稼ぐことができるます。
日本病院薬剤師会 「感染制御認定薬剤師」
先に紹介した、研修センターの研修認定薬剤師は、講演会にたくさん参加すれば、自動的に認定を取得できます。
しかし、この日病薬の感染制御認定薬剤師は、
2.学術大会で感染制御に関する演題発表をし、
3.勤務先で、感染制御に関して貢献した事例を規定の数列挙し、
4.認定試験に合格する、
という、(自分にとっては)超難易度の高い認定でした。
1~4の一つ一つは、それほど高度なものが求められているわけではないので、個々のハードルをクリアするのは簡単なのですが、日々の業務の合間に、認定を受けるための細かい規程を理解し、認定資格を得るために、1~4をタイムリーに行っていくというマネジメントが大変でした。
しかし、ハードルの種類と数が多い分、実践力がつく、ということでもあり、自分にとっても、取得の過程で多くを学びました。
日本病院薬剤師会 「日病薬病院薬学認定薬剤師」
これは比較的新しい認定制度です。
先に紹介した、日病薬の感染制御認定薬剤師等、日病薬の認定薬剤師(感染制御の他、がん、精神科、妊婦・授乳婦等)の認定をこれから取得しようとする場合、まず、この病院薬学認定を受ける必要があります。
私は病院薬剤師ですが、病院薬剤師は、入職したらまずこの認定を目指すとよいでしょう。
各地域の病院薬剤師会が主催する学術講演会で認定のための単位を得ることができますし、日病薬のe-ラーニングで単位を稼ぐこともできます。
私は、全てe-ラーニングで単位を取得しました。
認定試験はCBT(Computer Based Testing)方式で、職場・あるいは自宅で受験することができます。
試験の内容も、それほど難しいものではありませんでした。
医療情報学会 「医療情報技師」
私は、医療情報に興味があったので、薬剤師系の認定の他に、この資格も目指しました。
資格取得のためには、関連講義を聴講(受講料を払ってe-learingで聴く)して単位を貯め、試験に合格する必要があります。
(学会に参加等でも単位は貯まる)
試験会場が全国に数箇所しか無いのが難点です。
試験は、
に別れており、
医療職である薬剤師にとっては、
2.は超難しい(教科書を読んで知らない用語を覚える→過去問を繰り返し解く)
3.はやや難しい(教科書をざっと読んで、過去問を解いて見直す)
な内容でした。
医療情報技師の資格を取得している薬剤師の先生方は結構多く、「薬剤師・医療情報技師会(HIT-Pharmacist)」という集まりもあります。
最後に
どうでしたか?
この記事をお読みいただいた薬学生・薬剤師の方も、ぜひ、いろんな認定・資格の中から自分の興味・キャリアプランに合うものを見つけて挑戦してみてください。
そして認定を取得して満足するのではなく、取得の過程で得られた知識・技能を最大限現場に活かしましょう。
そうすることで、さらに知識・技能に磨きがかかります。