テニス選手の練習方法・トレーニングの内容
テニス選手の練習方法
プレースタイルと戦術を確立してから
テニス選手は、トレーニングすべきことが非常に多いです。
しかし、練習にさける時間は限られています。
短い時間で効率的に練習するには、まず、自分のプレースタイルと戦術を確立し、それに合わせて技術や体を鍛えて行く必要があります。
さらに、心技体全般についても、選手の長所と弱点をよく分析したうえで、効率的なトレーニングメニューを作成する必要があるのです。
これは、選手本人には、なかなか難しいことです。
テニスについてはもちろん、トレーニング全般にも高い知識をもつ指導者でなければ、なかなかできません。
世界のトッププロを目指すなら筋肉の柔らかさが欠かせない
世界のトップクラスのサーブは、男子で時速250キロ、女子で時速200キロを超えてきます。ショットも、かなりの高速になります。
しかも、そうした高速サーブやショットを動き回って打ち返さなければなりません。
それをするために必要なのは、まず筋肉の柔らかさです。
時速200キロ前後のボールの軌道を正確に捉えるには、目の周りの筋肉を柔らかく保つ必要があります。
また、ボールにかけられた回転を認知するにも、目の周りの筋肉が柔らかくなければなりません。
そして、ボールの軌道を捉えたら、その軌道に合わせて素早く動くにも、全身の筋肉がやわらかいことが欠かせません。
現実に、シューズメーカーの担当者やトレーナーなどの証言でも、世界で活躍するトッププロは、足裏も、ふくらはぎも、ももの筋肉もまるでつきたてのお餅のように柔らかいそうです。
現在のトッププロには、もともと筋肉の柔らかさに恵まれた人が多いのですが、トッププロを目指すなら、通常のトレーニングに加え、筋肉を柔らかくするトレーニングが必要になります。
自分に合った方法を見つけて、少しずつ柔らかくしていく
筋肉を柔らかくするトレーニングとしては、ストレッチングやゆる体操、マッサージなどがあります。
最近は、インターネットやYouTubeでも、いろんな部分の筋肉を柔らかくする方法がたくさん紹介されています。
いくつかの方法を試して、自分で、実際に効果の感じられる方法を見つけるといいでしょう。
そして、お気に入りの方法が見つかれば、それを毎日続けることです。
筋肉の状態は、日々微妙に違いますので、地道に続け、少しずつ柔らかくしていくことが大切です。
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プロテニス選手のトレーニング内容
テニス選手のトレーニングメニュー作成は難しい
テニス選手として高いレベルで活躍したいなら、トレーニングは、しっかりした指導者について、きちんと教えてもらう方がいいでしょう。
テニスのトレーニングメニューを作ることは、他のスポーツと比べても難しい部類に入ります。
たとえば、「心・技・体」という言葉があります。
世界のトップ選手と対等に戦おうと思えば、心技体のすべてにおいて、高いレベルでバランスが取れていることが必要になります。
また、テニスの試合では、自分のプレースタイルを確立し、そのスタイルに合わせた戦術も重要なポイントになります。
短い時間でハードな練習をしている
プロテニス選手の練習時間は、ストレッチからコートでの練習まで含めると3時間から4時間程度といわれています。
朝から晩までやっている野球選手などと比べるとそれほど長くはありませんが、内容はとにかくハードです。
まずトッププロであっても、振り回し練習はやっています。
錦織圭選手はこの振り回し練習で力をつけて、ランキングを上げたと言われています。
さらに、試合のために練習を軽めにしがちな長期遠征の間も、普段通りのメニューをこなしていたそうです。
体力的にはハードですが、この生活になれた錦織選手は、ボールへの感覚やスタミナ、パワーを維持する上ではこの方が良く、かえって疲労も残らなかったそうです。
また、ストレッチや筋力トレーニングなどでは、しなやかかつ強いパワーを生み出すため、チューブを使ったトレーニングを取り入れている選手が多いです。
サーブやショットの動作を繰り返して、動きの安定性を高められるほか、手首など細かい部分の筋肉を鍛えるのにも効果的です。
また、練習の合間にプレッシャーのかかるところを想定した練習をプロは取り入れています。
大坂なおみ選手はコートでショットの練習をしているときに、合間でダッシュ系の動きを入れているそうです。
そして、練習の苦しい時間帯でチャンスボールを決める練習をしています。
疲れてきた時間帯にもしっかりと足が動き、大事な場面で決める勝負強さはこうした練習に裏打ちされたものと言えます。
サーブ練習は配球を大切に
試合の流れを大きく左右するサーブの練習ですが、トッププロになるほど、球数を制限して強いサーブを打つ練習よりも、配球を意識しています。
世界を飛び回り連日試合を繰り広げるトッププロにとって、肩は消耗品です。
試合で質の高いサーブを打つために練習は不可欠ですが、必要最低限の数に抑える必要があります。
そして、試合を組み立てるという意味では、強いボールであること以上に、場面に応じたコースに正確に打てることが大切です。
例えば、ロジャー・フェデラー選手は、試合前にデュースサイドから、軽く中央へスピンをかけて打ちはじめ、強度を上げながらワイドへ。
アドバンテージサイドに移動して、ワイドへスピンサーブ。
最後に中央へ様々な球種で力を入れながら…というように、
自分が試合で打つべき場所を意識しながら、最初はコントロールした軽いサーブ、後半は強度を上げたサーブを練習しています。
いきなり力を入れて強いサーブを打つことはしていません。
もちろん、強いサーブを生み出すための練習時間は必要です。
しかし、練習ごとに目的をもって取り組まなければ、遠回りをしてしまうだけです。
コースに打てる動作を自分の体に覚えこませた上で、力を込めていきます。
飽くなき探求心
錦織圭選手はビリヤードが得意だそうです。
ビリヤードは球を正確に撞き、回転や反発を利用しなければなりません。
しかも、少しでも撞く場所がずれてしまうと、キューが球をとらえることすらできないため、
集中力と、球を正確にとらえる力がテニスのインパクトの訓練になると考えたそうです。
プロの選手ほど、そのスポーツ以外の事をしながら自分が取り組んでいるスポーツとの共通項を発見し、深い精神性をそこに見出して取り組んでいる姿があります。
錦織選手の場合、それがビリヤードであり、そこにボールをインパクトするという共通項を見出して取り組んでいたのでしょう。
プロ野球広島で4番を務め、WBCにも出場した栗原健太さんは、「オフに卓球をしながら、自然とボールを面でとらえる感覚をバッティングに生かせないかを考えていた。」と話していました。
もし、練習や試合でのプレーに行き詰ってしまっていたら、ほかのスポーツに触れてみるのも有効でしょう。
気分転換を図ると同時に、今までにない発想からブレイクするきっかけを得られるかもしれません。