僧侶(住職・坊さん)の1日のスケジュールを解説 繁忙期の生活は?
身近にお寺があったとしても、実際に僧侶たちが普段どんなことをしているのかを知る人はほとんどいません。
今回は、一般的な僧侶が普段どのように一日の生活を過ごしているのかを紹介します。
僧侶の業務スケジュール
僧侶の業務は24時間体制
僧侶の業務スケジュールは、仏門に入ったばかりの新人と、寺院の責任者である住職とでは異なります。
修行僧は早朝3:00〜5:00頃から掃除や修行を行い、21:00〜23:00頃に就寝します。
彼らにとって、日常生活そのものが修行であり、勤務時間は起床から就寝までと考えられます。
住職や中堅の僧侶は、お寺に住み込みなので、早朝の開門に合わせて5:00〜7:00頃から業務をスタートします。
お通夜など夜の業務が入っていなければ、18:00前後の閉門に合わせて業務終了となることが一般的です。
しかし、人が亡くなるのに時間は関係ありませんので、深夜や早朝の電話にも対応する必要があります。
そのため、僧侶の業務は24時間体制とも言えるでしょう。
修行と奉仕の精神に基づく僧侶の日々の営みは、仏教の教えとともに、寺社と地域社会に大きな支えとなっています。
繁忙期はお盆やお彼岸
僧侶にとっての繁忙期は、お盆やお彼岸の時期で、1日に何軒もの檀家の法事をまわり読経を行います。
そのかたわらで、空いている時間には仏教史や仏の教えを学び、研究することも欠かせません。
地域からの講演依頼も多く、一般の人にわかりやすく仏教の話を伝える役目も担います。
なかには大学などで教鞭をとったり、書籍の執筆に携わる僧侶もいます。
僧侶は古くは「先生」と呼ばれる職業で、生涯を通じて学問に励むことが求められる仕事です。
このように僧侶の業務スケジュールはお寺の規模やキャリアによっても異なり、朝早くから夜遅くまで対応することもあります。
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住職として働く僧侶の1日
まずは住職として働く僧侶の1日を、タイムラインに沿ってみていきましょう。
中堅として働く僧侶の1日
ここからは副住職などの中堅として働く、一般的な僧侶の1日について見てみましょう。
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イベントを企画することも
お寺では読経会などの行事が頻繁に行われ、僧侶は、こうした行事の準備や計画を行うことがあります。
また、地域の行事や催しに僧侶が参加することもあります。
地域社会との交流を深め、仏教の教えを広める機会として活用されます。
座禅会や瞑想会
座禅や瞑想を体験してもらうためのイベントです。
初心者向けの説明や指導が行われることが多く、参加者は心を静める経験をすることができます。
お寺の参拝や境内案内
一般の人々に寺院を親しんでもらうために、お寺の参拝や境内の案内を行います。
歴史や文化、仏教の教えについて説明をしたり、四季折々の自然について説明したりします。
般若心経の朗誦会
般若心経は仏教の重要な経典の一つであり、参加者が一緒に朗誦するイベントが行われることがあります。
これにより、仏教の教えに親しむ機会が提供されます。
近年では般若心経を書き写す「写経」も人気があります。
仏教講座やセミナー
仏教の教えや歴史、実践方法について学ぶための講座やセミナーを開きます。
仏教の理念や価値観を深く理解する機会となり、仏教に親しみを持ってもらいます。
お坊さんとの座談会
お坊さんと一般の人々が直接交流できる座談会も人気です。
人々の質問や相談に答えることで、仏教に対する理解を深めてもらいます。
仏教行事やお祭り
仏教の重要な行事やお祭りなど一般の人々も参加して楽しむことができるようなイベントが行われることがあります。
お盆やお彼岸の法要、お釈迦様の誕生日のほか、近年では生け花やお茶、お香、ヨガなどを行う所も増えてきています。
僧侶(住職・坊さん)の1日のスケジュールのまとめ
僧侶の1日は、非常に多忙です。
朝早くから始まり、境内の掃除や朝の読経を行い、仏さまへのお供えも忘れません。
読経を行い故人の成仏を祈るほか、寺のなかでもさまざまな作業があります。
住職は寺に常駐しているため、深夜や早朝でも電話や来客者があれば対応しなくてはなりません。
僧侶としての業務は多岐にわたりますが、仏教の教えを実践し、人々に寄り添う存在として重要な役割を果たしているといえるでしょう。