葬儀屋の資格・葬祭ディレクター試験の難易度・合格率
葬儀屋を目指そうと考えたとき、葬儀屋になるまでの過程やその難易度が気になる人もいるでしょう。
本記事では、葬儀屋になるための資格の難易度などについて紹介します。
葬祭ディレクターとは
厚生労働省の認定制度
葬儀屋になるには特別な資格は不要です。
しかし、葬儀の仕事に関しては、厚生労働省の認定制度が用意されています。
取得すれば葬祭業界においての知識や技能のレベルが一定以上あると認められる「葬祭ディレクター」という資格です。
葬式を作り上げる、いわば葬儀のコーディネーターを認定する資格です。
試験は葬祭ディレクター技能審査協会が主催し、同協会が認定します。
1級と2級の2種類の資格
葬祭ディレクターの資格内容には1級と2級があります。
- 2級:個人葬における受注から会場設営、式典運営に至るまでの一般的な知識と技能
- 1級:全ての葬儀における受注から会場設営、式典運営に至るまでの詳細な知識と技能
大きな違いは、2級は個人葬、1級は社葬までがプランニングできる点です。
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葬祭ディレクターの受験資格
1級の場合は、葬祭実務経験を5年以上有する者、また2級合格後2年以上葬祭実務経験を有する者とされています。
2級の場合は、葬祭実務経験を2年以上有する者とされていますが、在学中のアルバイトなどの期間は葬祭実務経験年数に算入することはできません。
ただし、協会が認定した全国の葬祭教育機関の所定のカリキュラムを修了した者(見込含む)は、2級受験時にその期間を葬祭実務経験に算入することができます。
葬祭ディレクターの難易度・勉強時間
葬祭ディレクターの試験内容
葬祭ディレクターの試験は学科と実技の両方が用意されています。
学科試験では、下記のような内容が出題されます。
- 葬式におけるさまざまな基礎知識
- 公衆衛生
- 宗教の知識
- 行政や法律問題
実技試験は、作業試験と筆記試験があり、実技作業試験の課題は、幕張・司会・接遇の3種類があります。
幕張は、時間内に葬儀式場設営の基本である幕張装飾が正確にできるかどうかをチェックされます。
司会の実演は模擬司会で、葬儀にふさわしい言い回しや言葉遣いなどが審査されます。
接遇は、お客さまの意見を聞き、葬儀全体の進行や運営などすべてのコーディネートする実技となります。
葬祭ディレクターの難易度
葬祭ディレクターの勉強時間は、1級・2級ともに80時間程度が目安です。
学科は問題集や参考書を見て勉強することができますが、実技は葬祭教育機関の講座を受講するのが合格への近道です。
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葬祭ディレクターの合格率
2018年度の葬儀ディレクター試験の合格率は下記のとおりです。
- 1級:65.2 %
- 2級:72.5 %
受験者数は1級が1,264人、2級が1,051人です。
合格基準は1級、2級とも学科試験において70%以上の得点、幕張、接遇、司会、実技筆記の点数を合計して70%以上の得点(※ただし、幕張、接遇、司会、実技筆記のいずれもが30%以上の得点であること)とされています。
1級、2級いずれにおいても半数以上が合格する試験であり、きちんと勉強していれば合格できる難易度といえるでしょう。
葬祭ディレクター試験の概要
1級
学科試験(正誤判定問題:50問、多肢選択問題50問:計100問/50分)
- 葬儀及び関連する事項についての知識を評価するために行います。
- 葬儀に係る仕事の内容について、意味も含めて正確に理解できているかを判定します。
- かつ、社会的環境・公衆衛生・法律・行政手続・遺族心理・宗教等の関連知識の有無も判定します。
作業試験 幕張(7分)
- 葬儀式場設営のための基礎能力を評価するために行います。
- 自宅や寺院等での式場設営の基礎技術であり、伝統的な式場装飾法である幕張装飾技法の習熟度を判定します。
- かつ、設営課題実現のための目的意識と処理能力を判定します。
作業試験 接遇(2分)
- 葬儀の担当者としてのお客への基本的な応接能力を評価するために行います。
- 家族と死別した直後にある遺族や関係者に対して、適切な応接をすることができるか、表現、言葉遣い、態度・姿勢、発声を判定します。
作業試験 司会(6分)
- 葬儀運営のための基礎能力を評価するために行います。
- 葬儀ならびに告別式の内容を理解し、参列者に配慮して適切な案内・進行ができるかを判定するものです。
- かつ、必要な日本語読解力、文章表現力が備わっているか、マナーが優れているかを判定します。
実技筆記試験(60問/40分間)
- 生活者へのアドバイス能力を評価するために行います。
- 質問に対して要点を正確に理解できているか、生活者の視線で、適切に、正確に情報を提供できるかを判定するものです。
- かつ、サービス提供に必要な一般常識、マナーの基本が理解されているかを判定します。
2級
学科試験(正誤判定問題:25問、多肢選択問題25問:計50問/30分)
- 葬儀及び関連する事項についての知識を評価するために行います。
- 葬儀に係る仕事の内容について、意味も含めて正確に理解できているかを判定します。
- かつ、社会的環境・公衆衛生・法律・行政手続・遺族心理・宗教等の関連知識の有無も判定します。
作業試験 幕張(7分)
- 葬儀式場設営のための基礎能力を評価するために行います。
- 自宅や寺院等での式場設営の基礎技術であり、伝統的な式場装飾法である幕張装飾技法の習熟度を判定します。
- かつ、設営課題実現のための目的意識と処理能力を判定します。
作業試験 接遇(2分)
- 家族と死別した直後にある遺族や関係者に対して、適切な応接をすることができるか、表現、言葉遣い、態度・姿勢、発声を判定します。
作業試験 司会(4分)
- 葬儀運営のための基礎能力を評価するために行います。
- 葬儀ならびに告別式の内容を理解し、参列者に配慮して適切な案内・進行ができるかを判定するものです。
- かつ、必要な日本語読解力、文章表現力が備わっているか、マナーが優れているかを判定します。
実技筆記試験(60問/40分間)
- 生活者へのアドバイス能力を評価するために行います。
- 質問に対して要点を正確に理解できているか、生活者の視線で、適切に、正確に情報を提供できるかを判定するものです。
- かつ、サービス提供に必要な一般常識、マナーの基本が理解されているかを判定します。
試験の詳細につきましては、下記をご確認ください。
葬祭ディレクター技能審査協会
葬儀屋の試験の難易度・合格率のまとめ
葬儀屋になるには特別な資格は不要ですが、取得すれば葬祭業界においての知識や技能のレベルが一定以上あると認められる「葬祭ディレクター」という資格が葬祭ディレクター技能審査協会によって主催されています。
葬祭ディレクターは2級と1級に分けられ、2級は個人葬、1級は社葬までがプランニングできる力が認められます。
葬祭ディレクターの試験は学科と実技の両方が用意され、実技試験は作業試験と筆記試験があり、実技作業試験の課題は、幕張・司会・接遇の3種類に分かれています。
合格基準は1級、2級とも学科試験において70%以上の得点、幕張、接遇、司会、実技筆記の点数を合計して70%以上の得点(※ただし、幕張、接遇、司会、実技筆記のいずれもが30%以上の得点であること)とされています。
きちんと勉強していれば合格できる難易度といえるでしょう。