審判の年収は? プロ野球の審判やJリーグの審判の収入をくわしく解説
審判の年収の仕組み
専業の審判はプロ野球とJリーグの一部のみ
審判はスポーツの試合の進行に欠かせない重要な存在ですが、日本においては審判として生計を立てられるのはプロ野球の審判とJリーグの審判の一部くらいです。
プロ野球の審判
プロ野球の審判は、リーグを運営する日本野球機構(NPB)と契約を結びます。
給料は、選手と同じように1年ごとに契約を結ぶ「年俸制」ですが、審判を務めた試合に対しても1試合ごとに報酬が支払われます。
報酬の額は1軍と2軍では大きく異なっており、主審と塁審でももちろん金額は異なります。
Jリーグの審判
Jリーグの審判は、日本サッカー協会に登録しています。
1級審判員の資格を持っているとJリーグの試合で審判を務めることができ、1試合ごとに報酬が決められています。
Jリーグの審判は最高位のプロフェッショナルレフリーとなると年俸制で収入は安定しますが、プロフェッショナルレフリーは計16名しか存在しません(2020年現在)。
他競技の審判は大半が別の本業を持っている
2016年にバスケットボールのプロリーグとして誕生したBリーグには2名のプロ審判がいるものの、野球とサッカー以外の競技では、審判が専業として生計を立てるのは難しい状況です。
大会や試合によって多少の手当てと交通費くらいは支給されますが、生活できるだけの収入を稼ぐことは困難です。
テニスやバレーボール、ラグビー、アマチュア野球などの審判は1日あたり数千円の報酬に交通費と1食分のお弁当といった待遇が一般的です。
都道府県レベル以上の大会で審判を務めれば報酬はもらえますが、1年間に100日審判を務めても数十万円にしかなりません。
そのため、プロ野球とJリーグの一部審判以外は学校の先生や公務員、自営業者など、別の本業を持ちながら審判として活動しています。
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審判の平均年収・収入
プロ野球の審判は、1軍であれば年俸の最低保証額が750万円となっています。
それに加えて試合ごとの手当もあり、1軍の球審を務めれば3万4000円、塁審で2万4000円、控えで7000円です。
2軍の審判の場合は年俸の最低保証額が345万円となっており、試合出場の手当は1試合当たり2000円です。
1軍の審判であれば年収は1000万円ほどある人が多いですが、2軍の審判の平均は400万円前後となっています。
Jリーグの審判の大半は試合出場ごとの手当が全収入となっており、J1の主審で約12万円、副審で約6万円、J2の主審で約6万円、J2の副審で約3万円といった金額です。
J1で1年間に30試合の主審を務めても年収は360万円で、Jリーグの大半の審判は安定した収入が保障されるわけではありません。
審判のトップクラスの年収
プロ野球の1軍の試合を担当するトップクラスの審判の年収は、2000万円ほどといわれています。
年俸が1000万円以上あり、それに加えて試合の出場手当も出るため高額の年収を得ている審判もいます。
Jリーグの場合は、プロフェッショナルレフリーとして日本サッカー協会と契約している審判がトップクラスの年収を得ています。
プロフェッショナルレフリーとして契約している16人のJリーグ審判は試合の出場手当だけでなく、年俸制で契約を結んでいるため収入は安定します。
プロフェッショナルレフリーの年俸は、1000万~2000万円程度といわれています。
一般のサラリーマンと比較しても高額な報酬を得られる審判は、プロ野球の1軍担当審判とJリーグのプロフェッショナルレフリーくらいしかいません。
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審判の待遇の特徴
スポーツの審判は好待遇の職業とはいえません。
プロ野球やJリーグのトップクラスの審判は高収入を得てはいますが、引退の年齢を考えると生涯収入は一般の会社員と比べても特別に高額なわけではありません。
プロ野球の審判の定年は58歳と若いですし、Jリーグの審判は定年はないものの、年齢による衰えがあらわれれば続けられない職業です。
プロ野球選手のように特別な年金があるわけでもありませんし、トップクラスの審判であっても契約は1年ごとで安定はしていません。
待遇の面から考えても、スポーツの審判はその競技が本当に好きでなければ務まらない職業といえます。