ラグビー選手の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「ラグビー選手」とは

ラグビー選手の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

社会人ラグビーチームに所属し、リーグ戦で勝利を目指す。

ラグビー選手とは、一般的に社会人リーグのラグビーチームに所属し、各種リーグで試合をするスポーツ選手のことをいいます。

2020年時点で、日本にはラグビーのプロリーグは存在しません。

国内でラグビー選手として活動する人の多くはラグビー部のある企業に所属し、「社員兼選手」として活動しています。

一方、数はやや少ないですがチームと「プロ契約」を結んでいる選手もいます。

ラグビー選手を目指す人の多くが、高校、あるいはそれ以前からラグビーに触れています。

高校の強豪校でラグビーを続けて大学のラグビー部へ進み、さらに企業チームのスカウトの目に留まることで、ラグビー選手になるのが一般的なルートです。

ラグビーの人気は近年急激に高まっており、近い将来にはプロリーグが発足する動きも出ています。

「ラグビー選手」の仕事紹介

ラグビー選手の仕事内容

チームの練習やトレーニングを重ね、ラグビーのリーグ戦で勝利を目指す

ラグビー選手とは、「ジャパンラグビートップリーグ」を頂点とする社会人リーグのチームに所属し、ラグビーの練習や試合を行うスポーツ選手です。

2020年現在、日本にはラグビーのプロリーグは存在せず、国内で活躍するラグビー選手たちは「企業チーム」に所属します。

その大半は各企業の社員として働きながら選手としての活動を行いますが、わずかながらプロ契約を結んで活動する選手もいます。

実力が認められればラグビー日本代表に選出され、日の丸を背負って国際舞台で戦う機会を得られるでしょう。

また、プロ契約を結ぶラグビー選手のなかには、海外のプロラグビー選手としてプレーする人もいます。

ラグビーのシーズンは主に秋から冬にかけてです。

リーグ戦が行われない時期は、チームでのトレーニングや海外遠征などを通して、体づくりやスキルアップに励みます。

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ラグビー選手になるには

高校や大学でラグビーを続けて企業からのスカウトを待つ

ラグビー選手になるには、ラグビーの各リーグに所属する社会人チームと契約する必要があります。

基本的には各チームから直接オファーを受けて入団します。

トップリーグのラグビー選手の多くは、大学卒業後にチームへ入団しますが、高校や大学時代から強豪校でラグビーを続けている人が非常に多いです。

全国レベルの大会に出るうちにチームのスカウトの目に留まることで、入団につながるケースがよくあります。

ラグビー選手には体の大きさだけでなく、ポジションによっては俊敏性やスピードが求められます。

ラグビーに適した体は一朝一夕で身につくものではないため、学生時代から厳しいトレーニングを重ねて、ラグビー強豪校へ進学することが、ラグビー選手になるための第一歩です。

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ラグビー選手の学校・学費

強豪校へ進学し、活躍の場を増やす

ラグビー選手になる人の多くが、高校入学もしくはそれ以前にラグビーを始めていますが、ラグビーができる学校は野球やサッカーに比べると少ないのが実情です。

しかし、日本全国には「強豪校」といわれる学校が少なからずあります。

全国高等学校ラグビーフットボール大会、通称「花園」では、毎年日本各地のラグビー強豪校が集って戦います。

「花園」に出るような高校に入るには、中学時代からラグビーをプレーして、ある程度の成果を残していると有利です。

強豪校から声がかかれば、そのまま進学をして、さらに高校ラグビーで能力を高めていくことができます。

その先はラグビーが強い大学へ進学し、企業チームからのスカウトを待つのが一般的なルートです。

学校によっては、ラグビーの能力が認められると、学費の免除あるいは減額の措置がとられることもあります。

ラグビー選手の資格・試験の難易度

特別な資格は必要ないが、第一線で活躍できる人はごくわずか

ラグビー選手になるための資格はありません。

学生時代にもラグビー選手として活躍し、企業チームのスカウトから声がかかれば、卒業後はリーグ戦で戦う選手になれます。

また、現在は20歳以上のラグビー経験者を対象とした「トップリーガー発掘プロジェクト2020」というトライアウト経由で、ラグビー選手になることも可能です。

ただし、このトライアウトの合格率はあまり高くなく、年度にもよりますが受験者の1割合格するかどうか、といわれています。

特別な資格は必要ないものの、ラグビー選手として第一線で活躍できる人材は、ほんの一握りといえるでしょう。

ラグビー選手の給料・年収

社員選手とプロ契約の選手で収入の仕組みが異なる

ラグビー選手の収入の仕組みは、プロ契約の選手と社員契約の選手で異なります。

会社の正社員として社業にあたりながら選手活動をする人は、一般の社員と同様、会社から支払われる毎月の給料を受け取ります。

加えて、ラグビー部員としての手当が月に5万円~10万円ほど支給されるケースが多いです。

飛びぬけた高収入は得られなくても、安定した待遇の下でラグビーができます。

一方、プロ契約の選手は個人事業主となり、その給料は年俸制です。

人気や成績、チームへの貢献度などによってシーズンごとに年俸額が定められ、その額を12分割した金額を毎月受け取ります。

さらに、プロ契約の選手はスポンサー契約料やメディア出演料などの報酬も入るため、トップレベルの選手になると、年収5000万円~1億円を超える人もいます。

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ラグビー選手の現状と将来性・今後の見通し

ラグビー人気が高まり、国内ラグビーを取り巻く環境が変わりつつある

2015年や2019年のラグビーワールドカップ以降、日本国内のラグビー人気は一気に高まりました。

野球やサッカーなどと同様、メディアでも取り上げられる機会が増え、日本代表に選ばれたラグビー選手の知名度も上がっています。

こうしたなか、ラグビー選手に憧れてラグビーを始める子どもは増加傾向にあるとされ、将来的に完全なプロリーグを作る動きが進んでいます。

現状ではラグビー選手の多くが会社員の身分で、社業と選手活動を両立させていますが、今後は野球選手などと同様、プロとしてさらに大きく活躍できる環境が整うでしょう。

今後のラグビー界の新しい動きに大きな注目が集まります。

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ラグビー選手の就職先・活躍の場

各リーグに加盟する企業のラグビー部に所属

国内でプレーするラグビー選手は、ラグビーの最高峰リーグである「トップリーグ」や、その下に位置する「トップチャレンジリーグ」などの企業チームに所属しています。

その下には「地域リーグ」と呼ばれるカテゴリーもあり、順位によってチームの昇格・降格が決まります。

企業チームのラグビー選手は、社員選手、もしくはプロ契約を結ぶプロ選手の2種類です。

社員選手は全体の8割ほどで、残りがプロ選手となっています。

社員選手はシーズン中はほとんど社業をせずにラグビーに専念する場合が多いですが、オフシーズンになると、トレーニングや練習をしながら社業にもしっかり携わっている選手が少なくありません。

プロ契約を結べるラグビー選手はあまり多くないため、基本的には会社員をしながらラグビーに打ち込むのが、国内のラグビー選手の特徴です。

ラグビー選手の1日

プロ選手と社員選手で異なる1日の生活

ラグビー選手にはチームとプロ契約を結んでいる選手と社員選手の2種類があり、それぞれに1日の過ごし方は異なります。

プロ契約選手は午前、午後とラグビーの練習をして過ごしますが、社員選手は社業も行っています。

出勤前に朝練習を行い、午前中は社業を行って午後に再びチーム練習に合流するというが社員選手の1日です。

また、リーグ戦の試合が行われる週末の1日は、練習日とは異なるスケジュールとなります。

<試合日のラグビー選手の1日>
7:00 起床
9:00 クラブハウスに出発
10:00 試合会場へ出発
11:00 試合会場に到着
12:00 試合前の練習
13:00 試合開始
15:00 取材対応
16:00 クラブハウスに戻る
19:00 夕食
22:00 就寝

<練習日のラグビー選手の1日>
5:00 起床
6:00 朝練習
8:00 出勤
9:00 始業
12:00 昼食
13:00 午後の練習
16:00 自主練習
19:00 夕食
22:00 就寝

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ラグビー選手のやりがい、楽しさ

チーム一丸となり勝利を目指せること

ラグビーは個人競技ではなく、チーム全員で戦い、勝利を目指すスポーツです。

「One for all, All for one(一人はみんなのために、みんなは一人のために)」の精神の通り、チーム一丸となって強くならなくてはなりません。

肉体を激しくぶつけ合う厳しいスポーツですが、試合に勝利したときの喜びや、練習を通して生まれる仲間との絆、連帯感は大きなものです。

ベンチ入りしている選手やコーチ陣、スタッフも含めて、全員で勝ちに向かって頑張れることが、ラグビーのやりがいであり、魅力です。

また、実力を発揮すれば国際舞台で戦えるチャンスもあります。

国内ラグビーへの注目度も高まってきているなか、日本代表として戦うことも、ラグビー選手にとっての目標であり、大きなやりがいです。

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ラグビー選手のつらいこと、大変なこと

ハードなトレーニングの日々が続く

ハードなトレーニングの日々が続く

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ラグビー選手に向いている人・適性

負けん気が強く、戦い続けるための強い意志があること

ラグビーは、他のスポーツと同様に厳しい勝負の世界なので、とにかく負けず嫌いな性格であることが求められます。

とくにラグビーは体を張って相手とぶつかり合うことが多いため、闘争心や強い意志のある人に向いています。

ハードなトレーニングを継続するために、忍耐力や精神力、集中力も必要です。

一方、フェアプレーができる誠実さや、仲間を大切にできる心なども大事な要素です。

なお、ラグビー選手は体が人一倍大きな人が目立ちますが、ポジションによって求められるスキルや体の動きは少し異なります。

小柄であっても、俊敏性や足の速さ、キックやパスなどの細かなテクニックを備えていることで、ラグビー選手として第一線で活躍している人もいます。

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ラグビー選手志望動機・目指すきっかけ

子どもの頃や学生時代にラグビーに興味をもつ人が多い

ラグビーは、日本ではもともとそこまで知名度が高くありませんでしたが、世界的に見れば超人気スポーツの一種です。

海外には多くのプロリーグもありますし、近年はラグビー日本代表の活躍によって、「ラグビーをやってみたい!」と考える子どもがますます増えています。

全員で守り攻める様子、フェアプレーの精神、戦略性が求められるところ、迫力やスピード感などに感動して、ラグビー好きになる人が多いです。

実際、ラグビー選手を目指す人の多くが、高校など学生時代からラグビーを続けています。

野球やサッカーなどと同じく、日本各地にはラグビーの強豪校があるため、そうした学校で高いレベルの指導を受けていくうちに本格的にラグビー選手を目指す人が多いです。

ラグビー選手の雇用形態・働き方

社員選手の大半は正社員として企業に勤務

トップリーグのチームは企業チームが多く、社員選手とプロ契約の選手が混在している状況です。

社員選手は、各企業の社員の立場であるため、仕事をしながらラグビーの練習や試合に出場しなくてはなりません。

社員としての配属はまちまちで、総務として働く人もいれば、営業の仕事をしている人もいます。

多忙な毎日となりますが、正社員としての安定した給料、待遇が保証されているのはメリットといえるでしょう。

一方、プロ契約の選手は基本的に個人事業主です。

給料は年俸制で、ラグビーの能力や成績によって金額の変動が激しいです。

社員選手に比べて、やや不安定な面もありますが、国内トップで活躍する選手は社員選手よりも多くの収入を手にできるチャンスがあります。

ラグビー選手の勤務時間・休日・生活

社員選手は社業とラグビーの練習や試合を両立させる

会社の社員として働きながらラグビーをする選手の場合、非常に忙しい生活を送ることになります。

というのも、平日は社業に取り組みながら練習を中心に行い、週末にはリーグ戦の試合に出場するからです。

トップリーグのリーグ戦は金、土、日の3日間で行われることが多く、試合日の翌日は練習が休みになるのが一般的です。

土曜日が試合であれば日曜日は休めますが、完全週休2日制の一般社員と比べると、体力的にハードな生活となるでしょう。

ラグビーシーズンは9月から2月くらいまでなので、それ以外の時期はオフシーズンです。

ただし、オフシーズンもトレーニングは行いますし、社業の比重が大きくなることから、シーズン中よりも忙しいと感じる選手もいます。

ラグビー選手の求人・就職状況・需要

高い身体能力やセンスがある若手は常に注目される

現在、国内でラグビー部を置く企業は数多くあり、各チームのスカウトは、常に有力な若手選手を探しています。

どのチームも自チームを強くさせたいと必死ですから、ラグビー選手としての能力が高く、センスのある人材と認められれば、声がかかるチャンスを掴みやすいでしょう。

そのためには高校や大学の強豪校に進学し、ラグビーに打ち込んで結果を残すのが一番です。

もしスカウトから声がかからない場合にも、トップリーグのトライアウトである「トップリーガー発掘プロジェクト」に参加し、高く評価されれば、合格してチームに入れる可能性もあります。

いずれの場合でも、ラグビー選手になれるかどうかは、ラグビー選手としての資質や能力で決まります。

自分を積極的にアピールする気概をもって、日々努力を続けていくことが重要です。

ラグビー選手の転職状況・未経験採用

引退年齢が早いためセカンドキャリアを考える人も

国内のラグビー選手はラグビーチームを置く各企業チームに所属しており、チームが所属するリーグ戦で、できるだけ上位になることを目指します。

身分は社員の選手が多いものの、基本的には同じチームでトレーニングや練習を続けるため、一般的なビジネスパーソンのような「転職」の概念はありません。

新入りの選手も、大学などからラグビー経験者として入社・入団する人が大半で、未経験者がいきなりチームに入ることは考えにくいです。

ただし、一部の選手はなんらかの事情で別チームへ移籍することがあります。

また、ラグビー選手は引退年齢が早めで、30代で多くの選手が第一線を去ります。

セカンドキャリアとして、もともと在籍していた会社で働く人もいますし、別会社へ転職して社会人として新たに歩み出したり、指導者になったりする人もいます。