レーサーに事故は多い? 危険性は高い?
レーサーは、最も危険な職業のひとつ
「危険性の高い職業といえば?」と問われれば、レーサーは多くの人が思い浮かべる職業のひとつでしょう。
実際に、カーレーサーは危険すぎる職業として生命保険などに加入できないことも多く、保険金額に制限が設けられていたりします。
しかし、一昔前にくらべれば、カーレーサーの危険度はずいぶん低くなっています。
規定が変更されたことによって車両の安全性が高まっており、多くのコースが事故の起きにくい設定になってきているからです。
最高峰のレースであるF1を見ても、年々、死亡事故は明らかに減少しています。
F1では1970年代、1980年代にはそれぞれ10件近い死亡事故が発生していますが、1990年代には2件、2000年代には0件を記録しました。
残念ながら2014年の日本グランプリで21年ぶりとなる死亡事故が発生してしまいましたが、近年は事故を防ぐためにさまざまな面で細心の注意が払われるようになっています。
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世界で一年に数件は死亡事故が起きている
だからといってレーサーが安全な職業というわけではなく、残念ながら毎年、世界で数件の死亡事故が発生しています。
時速200~300キロのスピードでコースを走行するわけですから、レース時はもちろん、練習のときでも事故が起こる可能性はあります。
安全対策がとられているとはいえ、事故が起きれば死亡したり、重傷を負ってしまったりする確率が高いことは否めません。
F1以外でも、さまざまなレースで死亡事故は発生しています。
たとえば、2012年10月に鈴鹿サーキットで行われたスーパー耐久シリーズ第5戦に参戦していたOSAMUは、他車がまいたオイルでコントロールを失い、防護タイヤに激突して脳挫傷で亡くなりました。
他車の事故に巻き込まれたり、思いもよらぬアクシデントに遭遇したりと、サーキットでは予期せぬ事故も起きてしまいます。
事故が発生する要因はさまざまですが、レーサーである以上、普段から事故防止のための最大限の意識を持っておくことが大切です。
レーサーはドライビングスキルの向上を図るだけでなく、肉体のメンテナンスやメンタルを安定させるトレーニングを行うなどして、事故のリスクに備えなければいけません。
オートレースでは落車がつきもの
落車などの事故がつきものであるオートレースでも、やはりレース中や練習中に死亡事故が発生することがあります。
女性のオートレーサーだった坂井宏朱は2012年1月、船橋オートレース場でのレース終了後、走行練習に参加したときに第一コーナーでバランスを崩しました。
バイクから放り投げられて滑走し、コーナー脇にあった観客防護用のフェンスに激突すると、不運にも自らのバイクも滑走してきて激突しました。
頭蓋骨骨折や全身打撲によって、ほぼ即死の状態でした。
オートレースは1950年に初のレースが開催され、翌1951年には初の死亡事故が発生しています。
その後も死亡事故はなくならず、これまでにレース中と練習中を合わせて90名以上のオートレーサーが命を落としました。
オートレースでも安全対策が強化されてきてはいますが、競技の特性上、事故がゼロになることは考えにくいです。
それだけに、レーサーには常に高い集中力と細心の注意が求められます。