入国審査官の仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介

入国審査官の仕事とは

「入国審査官」の仕事は、日本の安全を守る大切な仕事です。

出入国する人の審査や外国人の滞在を管理することで、日本の安全や治安を守ることに貢献しています。

主な仕事は外国人の入国審査を行うことであり、犯罪者が危険な物品を持ち込もうとする人を取り締まることで、日本国内に犯罪の火種を持ち込ませない役割を果たしているのです。

その目的を果たすため、主に「空港」や「港」のように、海外との行き来の玄関口である場所で仕事をしています。

なお、入国審査官は「国家公務員」であり、各仕事場で採用試験が行われるのではなく、各地方の法務省入国管理局の採用試験に合格する必要があります。

必然的に外国人を相手に仕事することが中心となるため、外国語でコミュニケーションをとるための能力が必要不可欠です。

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

入国審査官の業務の内容

出入国審査

入国審査官の仕事の代名詞といえば「出入国審査」です。

外国人が日本に入国する際、または日本人が外国から帰国する際にパスポートやビザをチェックし、入国目的などをチェックして入国の是非を決定します。

問題がなければ入国を許可し、何か問題があれば入国を拒否します。

なお、入国を拒否する理由は「入管法」によって定められており、以下の理由があれば入国を拒否します。

・保険や衛生上の問題がある
・反社会性が強いと認められる
・過去に強制退去を受けされた経歴がある
・日本の利益や公安を害する可能性があると認められる
・相互主義に基づいて入国を認められない場合

参考:出入国在留管理庁

違反審査

入国審査官の仕事の1つに「違反審査」と呼ばれるものがあります。

これは、外国人が日本に入国したのち、入国が不法であった場合や、許可された滞在期間を超えて滞在している場合に「入国警備官」によって身柄を拘束され、その違反についての確認を行う仕事です。

入国審査官は、外国人の入国や滞在に違反が認められると確認した場合には、日本からの強制退去などの処遇を決定します。

在留資格審査

3つめの仕事は「在留資格審査」です。

これは、日本に滞在している外国人からの申請により、入国時に定められた在留期間を延長または滞在目的を変更したい場合において審査を行います。

入国審査官は、当該外国人からの申請に基づき、その申請内容を認めることが日本社会の利益になる、あるいは日本の安全性が維持できるかなどについて入国管理法に照らし合わせて審査を行い、申請の許可および拒否を決定します。

<参考: 在留審査業務許可件数の割合>

在留審査業務許可件数の割合_令2

出所:法務省 2021年版 出入国在留管理白書

入国審査官の役割

出入国を通じた日本の安全の維持

入国審査官の仕事は「日本の安全」を維持するという重要な役割があります。

外国から日本に入国しようとする人は、外国からさまざまなものを持ち込もうとします。

例えば「感染力と致死性の高い疫病」のウイルスを持ち込まれてしまえば、日本国内はもちろん、日本を出国することによって諸外国に疫病が蔓延することになります。

その他にも、日本では所持や使用が禁止されている薬物や武器の類、危険な思想や犯罪者などの危険人物を入国させてしまうと、日本に犯罪をばらまいてしまう結果になりかねません。

入国審査官は、そうしたものが日本に入り込んで安全を脅かさないように、水際で食い止めているのです。

安全な観光地としての印象を世界に発信

入国審査官がしっかりと仕事をこなすことによって、日本の安全だけでなく「観光立国」としての日本のありようをサポートしています。

入国審査官は日本を訪れる外国人が日本で初めて接する日本人ともいえますので、入国審査官の対応次第で日本人の印象が大きく決定づけられてしまう可能性があります。

また、入国審査官の仕事がずさんであいまいだと、外国から見て「日本は危険な国だ」と認識されてしまう可能性があります。

入国審査官がしっかりとした仕事を丁寧にこなすことによって、諸外国に「日本は安全な観光地」「日本人は礼儀正しい」というイメージを発信することになるのです。

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

入国審査官の勤務先の種類

入国管理局・支局・出張所

入国審査官の主な勤務先は、各地方にある「出入国在留管理局」です。

「入国警備官」の採用試験のような独自の試験は設けられていません。

人事院が主催している国家公務員採用試験に合格し、その後に各地方の出入国在留管理局の面接を経て法務事務官として採用され、勤務経験を重ねることで入国審査官になることができます。

なお、入国審査官になるための特段の試験はありません。

在外公館

入国審査官として働く中で、在外公館での勤務を命じられることがあります。

これは、他省庁との人事交流の一環として実施されており、職員を「外務省」に出向させたうえで在外公館勤務に就かせる制度となっています。

職員は、諸外国での生活やビザの発給事務などの実務を通じて国際感覚を養います。

入国審査官の仕事の流れ

入国審査官は国家公務員ではあるのですが、その勤務体制は勤務先によって大きく異なります。

入国管理局でのデスクワークであれば固定的な仕事内容に終始するケースが多いのですが、空港などで勤務する場合にはその勤務先で決めたシフトに従って仕事をすることになります。

飛行機の発着などに合わせて、場合によっては早朝勤務や夜勤も必要となります。

勤務先の規模も仕事の流れに影響するケースがあり、規模の大きな空港や港の場合だと飛行機や船の発着が24時間規模になるので、夜勤なども含めてシフトが組まれることになります。

外国からの観光客数は年々増加傾向にあり、それに伴って入国審査官の仕事内容も多くなり、残業が必要になるケースも多くなるのです。

それに対して入国審査官の数を増やしたり、審査ブースの数を増やすことで業務の効率化が図られており、今後は入国審査官の勤務環境が大幅に改善されることが期待されています。

入国審査官と関連した職業

入国審査官と関連した職業といえば「入国警備官」です。

入国警備官とは、入国管理局に勤務して、日本への不法入国や不法滞在の疑いがある外国人を調査し、必要に応じて摘発を行う仕事です。

入国審査官と同じく、国家公務員の一種です。

摘発した外国人は入国審査官にその身柄が預けられ、入国審査官は摘発内容に基づいて審査を行います。

外国人を摘発する際には危険を伴うこともあり、入国警備官には運動能力や正義感が求められます。

入国審査官の仕事が基本的に1日中同じ場所であるのに対して、入国警備官の仕事は違反者の捜索から空港への移送まで幅広いため、さまざまな場所に移動するための体力も欠かせません。

また、外国人を相手にすることが中心となる仕事であるため、外務省に出向して国際経験を積む入国警備官も多いです。

入国警備官の仕事