映画製作とテレビドラマ制作の違い

映画とテレビドラマの違い

予算

一般的にテレビドラマよりも映画の方が高額な予算がついています。

高額な予算がついていることにより、長期間の撮影ができますし、おおがかりなロケもすることができます。

大規模な爆破シーン・スタントマンを使ったアクション・街全体を貸し切っての撮影・長期に及ぶ海外撮影などの映画を見たことがある人も多いでしょう。

一方、テレビドラマは予算が限られているため、低予算でもよいものを作ろうと工夫をしているところが多くあります。

しかしながら、最近では時代の流れと共に逆転現象も起きています。

映画の予算が削減されてテレビドラマの延長線のような作品が増えていますし、一方でテレビドラマとは思えないほど映像技術や舞台装置にこだわったクオリティの高い番組が地上波で放送されているのです。

映画のなかにはインディーズ映画やショートフィルムなど低予算でつくられているものもありますし、NHKの大河ドラマや朝ドラに代表されるように大掛かりな予算を組んで長期間撮影されるものもあります。

かつては映画制作は高額な予算で作り上げるのが定番となっていましたが、そのような状況は少しずつ変化しているといえるでしょう。

撮影方法

映画は映画館の大きなスクリーンで見ることを前提に撮影されますが、テレビドラマは家庭のテレビで見ることを考えられているため、演出や撮影方法が大きく変わります。

撮影自体も、長期間じっくりと撮影することが多い映画に対し、放送日があらかじめきめられているドラマはスピード感が重視されます。

映画撮影の場合、満足のいくまで撮影をしていたら1日にワンシーンしか撮影できなかったということも日常茶飯事で、監督・スタッフ・俳優陣は気力と体力の勝負です。

一方、テレビドラマは分単位で撮影スケジュールが組まれており、監督・スタッフ・俳優陣ともに次週の放送に間に合うように撮影を進めながらいかにクオリティの高い作品を世に送り出すかが重要視されます。

俳優のなかには、テレビドラマのような撮影は自分に合わないと、じっくりと作品に向き合える映画に集中して出演する人もいます。

表現の方法

テレビドラマの場合、誰が視聴するかわからないため、殺人などの暴力的なシーンをはじめとした過激な表現は制限されています。

その点、映画は「R-18」などその映画を見ることができる年齢制限や規定がなされており、より幅広い表現ができる場合が多いです。

世間の認識

一般的に、映画は「映画館でお金を出して見るもの」、テレビドラマは「家庭で無料で見られるもの」と考えられています。

映画はその時間じっくりと画面を見て堪能することが多い一方、ドラマの場合はつまらないと途中でチャンネルを変えられたり、見るのをやめたりしてしまう人も多くいるため、制作の段階から視聴者に飽きられないように工夫をしなくてはなりません。

そもそも映画はテレビが出来る以前に大衆娯楽としてはじまったもののため「映画はテレビドラマよりも格が高い」という認識も浸透しています。

映画に期待しているものとテレビドラマに期待しているものの世間の意識の差は、作品を作る上でしっかりと認識しておかなくてはならないでしょう。