通信工学とは? 大学で学ぶことや就職先は?

(読了時間:4分13秒)

通信工学の概要・理念

現代社会において欠かせない存在となっているのが、PCやスマートフォン、タブレットです。

Webサイトや動画配信、SNSといったサービスによる情報を受発信を支えているのが、インターネットやモバイル通信といった通信技術です。

通信工学では、現代社会においてインフラとなっている通信技術に関する研究を行います。

通信工学では通信技術を通信に用いる機器(ハードウェア・ソフトウェア技術)と、ネットワーク技術という2つの分野で研究します。

近年ではスマート家電やセキュリティー関連のテクノロジー、宇宙通信技術といった領域についても研究が進められており、まさに近未来の技術を支える学問となっています。

今後は5G(第5世代移動通信システム)が実用化し普及していく中で、ますます通信技術に関する高度な専門知識が求められるようになります。

通信の利便性を追究するとともに、安心して利用できる通信網の研究を進め、社会に貢献するのも通信工学の使命の1つです。

通信工学で学ぶこと

通信技術においては、電気信号によるデータの記録や信号の伝送を行っています。

信号を伝送する際に課題となるのが、通信時のノイズ除去やエラーの訂正です。

こうした技術を支えている数学や電気磁気学の基礎について、1・2年次で学びます。

3年次以降は研究室に配属され、通信機器やデータ圧縮方法、セキュリティー、画像処理、IoTにおける通信技術といった専門性の高い研究に携わります。

通信技術にはハードウェアとソフトウェア、デジタルとアナログが関わっているため、通信工学で扱われる研究領域も必然的に幅広いものとなっています。

それらの中から自分の研究テーマを決め、これからの通信技術、ひいては社会の発展につながるヒントとなる技術について、卒業研究としてまとめていきます。

通信工学の大学での授業科目の例

通信システム

通信システムを支えるネットワーク技術やデジタル技術について学びます。

画像工学

画像を認識する技術と画像を表現する技術の両面について研究します。

コンピュータネットワーク

複数のコンピュータとそれらを結ぶ通信回路を組み合わせたテクノロジーについて学びます。

信号処理論

光・音声・画像信号などを数理手法によって分析・加工する技術を、アナログ信号処理とデジタル信号処理に分けて学びます。

通信法規

通信技術に関わる法律について学び、法令を理解した上で通信技術の開発・運用を行うための基礎知識を身につけます。

通信工学のレポート・テーマの例

通信工学の研究においては、実際に通信機器を制作した上で実験を行うことも少なくありません。

数値データに基づいて実験結果を客観的に評価する必要があるため、狙い通りに実験が進まないときなどはレポート作成に多大な時間を要することもあります。

  • ・マイクロ波整流回路の入力感度の改善
  • ・ブレイン-コンピュータ・ インターフェースによる生活支援システム開発
  • ・指向性可変円偏波アンテナについて
  • ・クラウド型エコ無線
  • ・次世代無線アクセスにおける電波干渉回避

通信工学と関連する学問

通信工学と深く関連している学問分野に、電気工学・電子工学・情報工学があります。

通信工学においてアンテナや回路、通信に関わるハードウェアを扱うことがありますが、これらの領域は電気工学や電子工学と重複しているといえます。

また、通信工学では通信技術そのものの研究を行いますが、情報工学ではそれらを応用するための具体的な方法について研究しています。

通信技術をどのように活用できるかが情報工学で考案される一方で、技術的な側面を通信工学が支えているといっていいでしょう。

このように、電気・電子・情報工学と通信工学は互いに密接に関わり合いながら、それぞれの研究成果を活用し合って発展を続けています。

通信工学を学んで就職に有利な業界・仕事

通信工学では、ハードウェアとソフトウェア、そしてネットワークに関する技術まで幅広く研究することから、学んだ知識を使って活躍できる業界・職種も多岐にわたります。

ひと昔前であれば、通信を行うための端末はコンピュータやモバイル機器に限られていましたが、近年ではIoT化が進んでいることから、あらゆる分野で機器がインターネットに接続されるのが当たり前になると予想されます。

つまり、通信工学で学んだ知識・技能は、あらゆる分野で活かせる可能性が出てくるのです。

また、受送信されるデータ量も年々増加傾向にあります。

その背景には、映像が4Kや5Kとなったこと、テキストや画像中心のコンテンツから動画へと移り変わっていること、5Gの実用化が現実味を帯びてきたことなどが要因として挙げられます。

通信技術は私たちの社会にとってなくてはならないインフラとなりつつありますので、快適・安全に使い続けられる通信を支える技術は、今後ますます需要が高まっていくでしょう。

通信工学の知識は人生でどう役立つ?

今後、IoT化が進んでいく中で、日常生活が通信技術に支えられる場面はさらに増えていくと予想されます。

通信技術は一部の専門家だけのものではなくなり、ふだんの暮らしの中で一般的に使われる身近な技術の1つになっていくはずです。

あらゆるものが通信機器化していく一方で、どこでどのような情報がやりとりされているのか、理解するためには一定のリテラシーが求められるようになるでしょう。

通信工学の専門知識を持つ人であれば、通信の方式や背後にある技術が理解できるため、身の回りの危機を適切に扱い、活用していく上で不自由を感じることはないでしょう。

通信技術について理解することは、これからの時代において大切なリテラシーの1つとなっていくと言ってもいいかもしれません。