哲学とは? 大学で学ぶことや就職先は?





哲学の概要・理念

哲学は「この世界はなぜ存在するのか」「人生とは何であるか」といった本質的な問題に迫り、物事の原理を探求していく学問です。

人間が生きていく上で正解はなく、いつの時代にも悩みや葛藤を抱えながら生きる人の姿があります。

こうした状況の中から問題を提起し、さまざまな仮説を立てて検証し、物事の根底にある原理とは何かを深く考えていきます。

哲学は最も古くからある学問の1つと言われ、過去に多くの哲学者が数多くの論考を試みています。

先人らの思考を紐解きつつ、自分自身の問題として哲学的な論考を深めていくことに、哲学の面白さがあります。

哲学は社会で直接的に役立つ実学ではありませんが、1つの命題に対して極限まで思考を深め、自分とじっくりと向き合う貴重な機会を与えてくれる学問と言えます。

物事をじっくりと深く考え、本質に迫ろうとする思考を身につける上でも、哲学はこれからの人生を生き抜いていく力を与えてくれることでしょう。

哲学で学ぶこと

哲学を研究する上でまず必要なのが、今日までに先人たちが築いてきた哲学の流れや思想の骨子をつかむことです。

プラトンやデカルト、ニーチェ、カントといった代表的な哲学者の著作を読み解き、基本的な知識や思想の背景にある考え方について理解を深めていきます。

その上で、自分自身が見出した問題について先人の論考を踏まえつつ、独自の仮説を立てて検証するといったことを繰り返していきます。

思考を深めていくプロセスに終わりはなく、考え続けることそのものが哲学と見ることもできます。

もともと古代ギリシャでは学問全般を指して哲学と呼んでいたほどですので、あらゆる事象が哲学に結び付き、探求すべき対象となっていく経験をすることでしょう。

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哲学の大学での授業科目の例

哲学概論

長い歴史を持つ哲学の世界に触れ、哲学の大きな流れつかむとともに、哲学を研究する上での基礎的な知識について学びます。

西洋哲学史

ギリシャ哲学、ドイツ哲学、実在哲学、フランス哲学といった西洋で発達した哲学について学びます。

現代思想史

20世紀半ば以降に登場した分析哲学や大陸哲学といった、比較的新しい思想に対する理解を深めます。

美学

美術をはじめ、演劇や文学といった芸術全般について、美とは何かを本質的に追究していきます。

科学哲学

科学について客観的・批判的な論考を試み、その確実さや妥当性について深く考えていきます。

哲学のレポート・テーマの例

哲学のレポートは、テーマを指定されることもありますが、内容面では自由度が高いものが多いのが特徴です。

自身の論理的考察力を高めていくことが大きな目的の1つですので、どこまで深く考察できているかを示すアウトプットとして、レポートは重要な位置を占めています。

  • ・メルロ=ポンティによるコギト解釈について
  • ・ユングの精神分析における自己の問題
  • ・相互主観性の成立と不成立
  • ・東洋倫理思想から考察する現代の家族問題
  • ・カントにおける永久平和の構想

哲学と関連する学問

哲学と関連の深い学問に、倫理学や宗教学があります。

倫理学は実践哲学に近いと言われることがあり、哲学との線引きは明確でないと考える人もいます。

人間の行為や社会での規範を支えている道徳について、起源や意味を深く考えていくのが倫理学です。

哲学が価値や存在の根拠として合理性を必要とするのに対して、宗教学は神の存在を根拠とした宗教の思想について研究します。

哲学は自ら真理を探究するのに対して、宗教においては神からの啓示によって答えが提示されている点が大きな違いと考えられます。

哲学を学んで就職に有利な業界・仕事

哲学は実学ではないため、哲学を学んだことによって直接的に得られる資格はありません。

就職についても同様で、哲学を研究したことによって直接的に就職が有利になることはほとんどないと考えたほうがいいでしょう。

ただし、哲学は本質的な問題について論理的に考える思考力が求められる学問ですので、物事を深く探求することが求められる出版社編集者や大学の研究職といった職業においては、哲学を学んできたことが評価されるケースもあります。

また、論理的思考力が必要なソフトウェア開発や設計といった仕事においても、哲学を通じて鍛えた「考える力」が活かせる可能性があります。

人工知能の台頭により、機械にはできない人間ならではの思考とは何か、我々人間とは何であるのか、といった本質的な問いに立ち返る必要に迫られることも、今後はますます増えることでしょう。

本質に迫って思考を深めていく哲学を学んできたことは、社会に出て仕事をしていく上でも広い意味において役立っていく可能性は十分にあるでしょう。

哲学の知識は人生でどう役立つ?

どんな人にとっても、人生は一度きりしかありません。

限られた人生をどう生きるべきか、何に価値を感じて生きるのか、といった課題に対して、誰かが答えを用意してくれるわけではありません。

自分にとっての人生の手応えは、自分自身で探し求めていかなくてはなりません。

人生における本質的な価値を探求していく上で、物事の真の姿に迫っていく哲学の思考法が、長い目で見たときに役立ったと実感できる場面があるはずです。

そういった意味で、哲学は特定の何かに役立つわけではありませんが、人生の全てに役立つと言ってもいいでしょう。

実学のように役立つ対象がはっきりと決まっているわけではないからこそ、人生で直面する問題に立ち向かうための汎用的な力を哲学は与えてくれるのです。

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