専門学校と短大の違いは? どちらが就職に有利?

進学先を検討するにあたって2年間の修業期間を想定する場合、専門学校短大という選択肢があります。

同じ期間で卒業できるならどちらを選んでもいいのでは?と思うかもしれませんが、実際には専門学校と短大には大きな違いがあります。

専門学校と短大の違いや、就職時にどちらが有利になりやすいか、といった点について解説していきます。





専門学校と短大の違いとは?

専門学校と短大のどちらに進学すべきか迷っている人は、まずそれぞれの違いについて理解することから始めましょう。

専門学校と短大では教育目的や授業内容をはじめ、卒業後の進路や入学時の難易度など、いくつかの違いがあります。

これらの違いを把握した上で、自分にはどちらが合っているのかを判断することが大切なのです。

教育の目的・授業内容の違い

専門学校は将来就く職業に直結する内容を教える教育機関です。

美容師になりたい人は美容師専門学校、自動車整備士になりたい人は自動大学校へ進学するといった具合です。

専門学校の授業では、職業人として必要な知識や技能、資格取得に向けた勉強など、実践的な内容に特化されています。

これに対して、短大は大学の教育課程を2年間に凝縮した教育機関です。

そのため、学部・学科ごとの専門分野のほか、幅広い教養を身につけるための教養分野の授業も行われます。

もちろん短大にも「食物栄養」「幼児教育」といった、将来の仕事に関わりの深い分野を扱う学部・学科はありますが、必ずしも特定の職業を目指すためのカリキュラムではありません。

基本的には特定の分野への就職に直結するのが専門学校、幅広い仕事に対応できるのが短大と考えていいでしょう。

修業年限・卒業所要単位の違い

多くの場合、短大の修業年限は2年間(医療系などは3年間)ですが、専門学校の場合は2年間とは限りません。

専門学校によっては1年間のこともあれば、4年間かけて卒業することもあります。

学ぶ分野によって修業年限に違いがありますので、とくに専門学校を進学先として選ぶ場合は修業年限をよく調べておくことが大切です。

短大を卒業するために必要な単位数は2年制なら62単位以上、3年制なら93単位以上となります。

専門学校の場合、昼間課程なら800時間、夜間課程なら450時間以上の授業時間数となっています。

専門学校・短大ともに限られた年限でカリキュラムをこなす必要があることから、平日はびっしりと授業が詰まったスケジュールとなることがほとんどです。

卒業後の学歴・初任給の違い

専門学校を卒業すると「専門士」の称号が与えられ、短大を卒業すると「短期大学士」の学位が与えられます。

いずれも高校卒業後にさらに専門的な勉強に取り組み、その分野における学業を修めたことの証になりますので、就職時の待遇としては高卒よりも優遇されることがほとんどです。

就職した場合の初任給については、専門卒・短大卒ともに条件は多くの企業で差がありません。

応募時の条件においても、「大卒以上」または「短大・高専・専門卒」といったくくりになっていることが多く、短大と専門卒は同じ初任給からスタートとなるケースがほとんどです。

したがって、「専門士」と「短期大学士」という称号・学位の呼称に違いはあるものの、卒業後に就職した際の待遇としてはほぼ同じと考えておいて差し支えないでしょう。

入試方式・難易度の違い

専門学校の多くは入試を書類審査と面接によって行います。

筆記試験が実施されることもありますが、基本的には落とすための試験ではなく、基礎的な学力や常識的な対応ができるかどうかを見るためのものです。

中には、書類審査のみで入学が決まる専門学校もあります。

このほか、推薦入試やAO入試を実施している専門学校ありますが、基本的には一般入試と同様に書類審査と面接に合格すれば入学することができます。

短大の場合は一般入試のほか、推薦入試やAO入試も実施されます。

一般入試では筆記試験が中心となりますが、センター試験利用入試を実施する短大も多く見られます。

推薦入試やAO入試の場合は書類選考と面接選考によって合否を判断されることになります。

難易度としては、基本的には短大よりも専門学校のほうが入りやすく、易しいと考えていいでしょう。

在学生の男女比率の違い

専門学校に通う学生のうち、女子学生が占める割合は56.9%となっています。

全体としては男女比は半々〜やや女子の比率が高いぐらいです。

ただし、専攻によって男女比が大きく変わることもめずらしくなく、とくに語学系や製菓系の専門学校では女子学生の比率が高くなりやすい傾向があります。

短大の場合、女子学生が占める割合が88.4%と、8割以上を女子が占めています。

短大においても学部・学科によって男子学生の割合がやや高くなることはありますが、全体としては専門学校と比べて女子学生の比率が高くなる傾向があります。

ただし、昔のように短大=女子学生というわけではありませんので、近年は男子が短大に進学するという進路を選択するケースも増えています。

参考:文部科学省 令和元年度学校基本調査

専門学校と短大はどちらが就職に有利?

専門学校と短大のどちらに進学するかを考えるとき、多くの人が気になっていることの1つに卒業後の就職があるはずです。

卒業後の就職率や選べる就職先の幅広さ、就活における有利・不利について、専門学校と短大の違いを確認しておきましょう。

就職率は専門学校・短大で大きな差はない

2019年3月卒業者の就職率を見ると、短大卒が98.6%、専門卒が96.6%と、いずれも高い就職率となっています。

つまり、専門学校でも短大でも、卒業後に就職することはどちらでも可能ということが分かります。

どちらに進学したから有利・不利というわけではありませんので、「就職できるかどうか」という視点においては心配する必要はありません。

ただし、就職率はあくまで「何らかの就職先が決まったかどうか」という結果を表すものですので、自分が希望する就職先に採用が決まるかどうかは別の次元の話になります。

この点を考える上で重要になってくるのが、次に解説する選択肢の幅広さと専門性の高さです。

平成30年度大学等卒業者の就職状況調査(4月1日現在):文部科学省

就職先の選択肢は短大のほうが幅広い

短大卒業後の進路は、専攻の分野に関わりの深い専門職と一般職の2つに大きく分かれます。

専門職は教育や医療といった分野を短大で専攻してきた人が、その知識や技能を活かして就職するケースです。

これに対して、一般職は事務職など学生時代の専攻をあまり問わない職種のことが多い傾向があります。

専門学校の場合、専攻の分野と関連の深い職業に就くケースがほとんどです。

専門学校で学んだ知識を直接的に活かせる職業や、在学中に取得した資格が求められる職業に就くことが多いためです。

よって、就職先の選択肢の多さという点においては、短大のほうが一般企業の事務職など、幅広い進路を選びやすい面があるのです。

もちろん専門学校から一般職を目指すこともできますが、全体の傾向としては専門学校で学んだ知識を活かせる仕事を選ぶ人が多いと言えます。

やりたいことが明確なら専門学校もあり

前で述べたように、専門学校を卒業した人の多くは学んだ知識・技能を活かせる仕事に就くことを希望します。

結果的に短大よりも進路が限定されているような印象を持ちやすいのですが、むしろ専門学校に進む段階で将来やりたいことが明確になっている人が多いことの表れと見ることもできます。

高校卒業時点でやりたいことが明確になっているのであれば、将来その仕事に就くための手段として専門学校への進学を考えるのもありです。

一方、高校在学中に自分が進みたい方向や将来就きたい職業が決められなかった人は、短大に進学して幅広い教養を身につけながら、自分に向いている仕事や取り組みたい仕事を見つけていくのも1つの考え方と言えるでしょう。

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この記事のまとめ

4年制大学以外の進路を検討している人にとって、専門学校と短大のどちらを選ぶべきか迷ってしまうこともあるかもしれません。

ただ、専門学校と短大では教育目的や目指すべき目的が異なるため、同じ2年間を過ごす上でもどちらが自分に合っているのか、よく検討する必要があります。

就きたい職業や取り組みたい分野を考慮しながら、将来を見据えた進路を選択することが重要です。

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