仮面浪人はするべき? どんなやり方なら成功する?
このような状況でときどき見られるのが、「仮面浪人」する人です。
合格した大学にいったんは入学手続きをしながらも、実は受験勉強を続けており、翌年の入試で本命の大学に合格したらそちらへ入学し直そうというわけです。
このような仮面浪人は、そもそもするべきなのでしょうか。また、どんなやり方なら成功できるのでしょうか。
仮面浪人する場合の具体的なパターンとは?
もし仮面浪人するのであれば、大きく分けて2つのパターンが考えられます。
つまり、入学した大学に実際に通いながら受験勉強を続けるパターンと、入学するだけで通うことはなく、浪人生と同じように受験勉強に集中するパターンです。
それぞれの仮面浪人は、具体的にどのように行うことになるのでしょうか。
また、どのような場合にこういった仮面浪人をすることになるのでしょうか。
入学した大学に実際に通うパターン
他の学生と同様、合格した大学に通常通り通い、授業に出るなどの学生生活を送るパターンです。
入学手続きやその後の授業選択なども他の学生と同じようにしていますので、本人が周囲に口外しない限り、仮面浪人していることは外見からは分かりません。
仮面浪人をしていても、周囲の学生からは4年間をその大学で過ごすものと思われていますので、友達ができたり、サークル活動に勧誘されたり、食事に誘われたりすることもあるでしょう。
しかし、本人としては仮面浪人の真っ最中なのですから、大学生活はほどほどにして受験勉強に本腰を入れなくてはなりません。
万が一、翌年の入試で第一志望に合格できなかった場合、入学した大学に2年目以降も通い続けるケースがほとんどでしょう。
そのため、留年しない程度には単位を取得しておく必要があります。
本当は浪人したかったものの、親の理解を得られなくて合格した大学に入学せざるを得なかった、といった事情の人が多いようです。
入学はするが通わないパターン
入学手続きだけはしておき、すぐに休学届を出すなどして実際には通わないパターンも考えられます。
たとえ通わないと決めていても、入学金などの学費は納入しなくてはなりませんので、それなりに出費があることは覚悟しなくてはなりません。
予備校に通うとなれば、大学に納入する学費と合わせて予備校への月謝も必要となり、ダブルで費用がかかることになります。
なお、入学手続きを行う大学が自宅から遠方の場合でも、そもそも通う意思がないわけですから、手続きだけ済ませて宅浪することも可能です。
このパターンの場合、外見上は普通の浪人生と区別がつきません。
周囲に口外しない限り、仮面浪人していることは他の浪人生からは分からないのです。
仮面浪人はするべき?メリットとデメリットとは?
仮面浪人は、入学する大学に通う場合も通わない場合も、いずれも特殊な状況下で1年間を過ごすことになる点では同じです。
周囲の身近な人に対して、実は仮面浪人しているという事実を隠さなくてはならない場面があったり、罪悪感を感じたりすることもあるかもしれません。
では、そのような特殊な状況に身を置いてでも仮面浪人するべきなのでしょうか。
この点は人それぞれの価値観や重視する目標によって異なりますが、メリットとデメリットが両方あるのはたしかです。
仮面浪人のメリットとデメリットについて整理してみます。
メリット:大学生活を先取りして体験できる
入学した大学に実際に通う場合、本命の大学ではないとはいえ、大学生活を先取りして体験できるのはメリットと言えるでしょう。
世の中の大学生がどのような生活をしているのかを目の当たりにすることができますし、大学の授業やキャンパスライフの雰囲気を肌で感じることができます。
もし思い描いていたキャンパスライフとギャップがあれば、ますます第一志望に合格したいという思いが強くなるかもしれません。
一方で、一緒に授業を受ける学生と親しくなったり、友達と呼べる存在ができたりした場合、実は仮面浪人中であるという事実を軽々しく言えないかもしれません。
なぜなら、その大学を第一志望として入学した人もいれば、他を諦めてその大学で4年間を過ごすと決めた人が大半だからです。
「実はこの大学は本命ではない」「浪人するための口実として通っている」という事実は、周囲の学生に対して失礼にあたる可能性があります。
そのため、大学生活を実際に体験できることはメリットである反面、罪悪感を抱えることもあることからデメリットとも言えるかもしれません。
メリット:行く大学がないというプレッシャーがない
翌年に第一志望の大学を受けて不合格だったとしても、仮面浪人のつもりで入学した大学に通い続けるという選択肢を残せることはメリットと言えます。
完全に浪人するのであれば、滑り止めも含めて「受け直す」ことになりますので、翌年の入試で「全落ち」となる可能性も全くないわけではありません。
その点、すでに行く大学が確保できているという状況は、強力なセーフティネットとなり得るのです。
「来年、行く大学が1つもないかもしれない」というプレッシャーに耐えて受験勉強を続ける必要がなくなるからです。
ただし、考え方によっては、これはデメリットにもなり得ます。
世の中の浪人生は、滑り止めにとりあえず入学するという選択をせず、退路を断って受験勉強に専念しています。
その点、もし不合格でも行き先が確保できているという安心感によって、受験勉強への緊張感が削がれる原因になる可能性も否定できません。
デメリット:勉強時間を確保するのが難しくなりやすい
実際に大学に通いながら仮面浪人するとなると、受験勉強に費やす時間が単純に減ってしまいます。
留年しない程度に通うとなると、平日の日中はどうしても授業に出なくてはなりません。
当然、大学の授業では試験が実施されたり、レポートを課されたりしますので、それらに向けての準備や勉強のための時間も必要になります。
その合間を縫って受験勉強をするわけですから、普通に浪人している人と比べると勉強時間の確保が難しくなるのは避けられないのです。
さらに、大学に通っている限り、周囲には他の学生がいますので、人間関係が形成されていくことも十分に考えられます。
食事に誘われたり、遊びに行こうと言われたとき、何らかの理由をつけて断らなくてはならないでしょう。
仲の良い友人ができた場合、受験勉強よりも友達と遊んでいるほうが楽しくなってしまい、受験勉強に身が入らなくなってしまう恐れもあります。
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仮面浪人を成功させるための過ごし方とは?
仮面浪人にはさまざまなメリットとデメリットがあることについて見てきました。
一般的な浪人と比べると、仮面浪人して過ごす1年間が特殊な状況になることは間違いありません。
仮面浪人を成功させ、翌年の入試で合格を勝ち取るためには、いくつか気をつけておくべきポイントがあります。
どのような過ごし方をすれば仮面浪人を成功させられるのでしょうか。
本当の志望校に「どうしても行きたい理由」を明確にする
一度は大学に入学しているとはいえ、仮面浪人する以上は「本命」の大学があり、入学した大学は「仮の場所」でしかありません。
高校生活とはまったく違った世界が大学生活には広がっていますので、周囲に流されてしまうと受験勉強に本腰を入れることが難しくなります。
仮面浪人する以上、本当の志望校に「どうしても行きたい」と思える理由を持ち、強い気持ちで受験勉強を続ける必要があります。
一例として、とりあえず入学した大学では実現できないことが、本命の大学に合格すれば実現できるのであれば、次の入試で本命の大学に合格しなくてはならない強いモチベーションになります。
「どうしても携わりたい研究がある」「この先生の授業を受けたい」など、どのような理由でもいいのですが、本当の志望校を「目指さなくてはならない理由」がないと、仮面浪人を続けることが苦痛になってしまう可能性があります。
遊びの誘いは基本的に断って勉強時間に充てる
周囲の学生は大学受験を終え、これから4年間続く大学生活を謳歌しようとしているところです。
受験勉強の期間に我慢してきた「遊びたい」という気持ちを解放させ、学生生活を楽しもうとする人が多いことでしょう。
しかし、仮面浪人している人にとっては、その1年間は遊ぶための期間ではありません。
むしろ、遊んでいる時間など皆無のはずで、少しでも時間を見つけて勉強に充てなくてはならないはずです。
周囲に気が合いそうな学生がいたとしても、打ち解けられそうな仲間がいたとしても、遊びの誘いは勇気を持って断り、受験勉強のための時間を確保する強い意思が求められます。
反対に、学生生活に染まってしまい、第一志望の大学を目指す気持ちが萎んでしまうようであれば、仮面浪人など初めからしないほうがいいかもしれません。
目標とする勉強時間を週単位で設定しておく
仮面浪人ではない普通の浪人生活においても、自己管理は大きな課題になります。
楽をしようとするのが人間ですので、どうしても気が緩んだり、集中できない日があったりするものなのです。
勉強時間を思うように取れない日があったら、別の日にその分を取り返す努力をしなくてはなりません。
その1つの目安として、勉強時間の目標を週単位で設定しておくことをおすすめします。
月曜日にあまり勉強できなかったら火曜日に必ず取り返す、あるいは週前半で勉強時間が足りないことが分かったら後半で取り返す、といったように、週単位で必要な勉強時間を確保することを自分自身に課すのです。
こうした地道な自己管理を続けることで、半年、1年というスパンで勉強時間を確保し続けることができるのです。
この記事のまとめ
仮面浪人は「浪人したのに全落ち」というプレッシャーを感じることなく再チャレンジするための方法としては一理あると言えます。
ただし、相応の出費や自己管理の厳しさなどをよく理解した上でのぞむ必要がある方法とも言えます。
仮面浪人するか、普通に浪人するかは人それぞれですが、ある意味で普通に浪人するよりも仮面浪人のほうが強い意思が求められることは覚悟しておくべきでしょう。
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