応用物理学とは? 大学で学ぶことや就職先は?

(読了時間:3分57秒)

応用物理学の概要・理念

物理学の理論を応用して、新しい技術の開発や進歩に貢献することを目指す学問です。

学問領域としては物理学のみならず、電気工学電子工学の要素も含めた複合的な観点から研究が進められていくのが特徴です。

これまでの応用物理学の研究成果として、レーザー光線による立体像を描く技術であるホログラフィーや、生体組織を原子レベルで観察可能にした走査トンネル顕微鏡の開発などがよく知られています。

近年では陽子や中性子などの素粒子研究が盛んに行われているほか、集積回路の技術であるLSI技術をさらに高度化していく研究や、メモリーの性能向上と小型化を促進する研究などが注目を集めています。

こうした研究の性質や成果から、応用物理学は理学と工学の領域をつなぐ学問としての役割を担っていると言われることがあります。

物理学の理論を工学的な成果物として具現化することにより、製品の性能向上や新しい技術の開発において貢献し続けているのが応用物理学なのです。

応用物理学で学ぶこと

応用物理学の研究領域は、エレクトロニクス分野、磁性・超伝導分野、量子工学・量子力学分野の大きく3つに分けることができます。

エレクトロニクス分野では、物質の性質に関する理論を電子回路や集積回路といった技術に応用します。

磁性・超伝導分野では、電気や磁気に関する研究を物理学の観点から進め、新しい超伝導物質の発見といった研究成果を目指します。

量子工学・量子力学分野では、ミクロの量子エネルギーについて解析し、新たな技術への応用を探求します。

このように、応用物理学の研究領域は非常に幅広いことから、物理や数学の基礎知識が求められるだけでなく、電磁気学や熱力学、情報処理技術などの知識習得を必要とするのが特徴です。

応用物理学の大学での授業科目の例

物性電磁気学

超伝導状態を作り出す物質や電磁気を通す有機物といった、電磁気と物質との関わりについて研究します。

量子力学

光や電子などが粒子と波の両方の性質を併せ持つとの理論に基づき、力学的諸現象について探求します。

半導体工学

半導体素子の設計や製造、性能評価などを工学的に探求し、半導体技術の向上に貢献することを目指します。

ナノ結晶工学

物質の結晶構造を明らかにし、求められる素材の性質を満たす新しい物質の開発や実用化に向けた研究を行います。

エレクトロニクス

電気回路の基礎を学ぶほか、集積回路など現代のテクノロジーを支える技術についての知識を習得します。

応用物理学のレポート・テーマの例

応用物理学においては、基礎となる理論を座学で学ぶだけでなく、実験を通じて理論をたしかめる形式の授業も多く行われます。

レポートにおいては、実験で得られた結果やその過程について、詳細を報告するために作成・提出を求められることも少なくありません。

  • ・ソレノイド及びヘルムホルツコイルの作る磁場
  • ・真空排気系のコンダクタンス
  • ・交流ブリッジについて
  • ・電流による熱の仕事当量
  • ・ねじれ振り子による剛性率

応用物理学と関連する学問

応用物理学と関連する学問は幅広く存在しますが、主なところはでは物理学、電気工学、電子工学が挙げられます。

物理学の理論を、電気・電子工学といった工学系の知見によって具現化し、新技術の開発や実用化へと結びつけているという意味で、応用物理学は物理と工学をつなぐ架け橋の役割を果たしていると見ることもできます。

また、近年ではバイオテクノロジーへに応用物理学の知見を活用するケースも増えていることから、生物学との関わりも深くなっています。

応用物理学を学んで就職に有利な業界・仕事

応用物理学の知見を活かして就職する場合、業界としては電気、電子機器メーカーや精密機械メーカー、光学機器メーカーなどが挙げられます。

職種としては研究職や技術職として採用されるケースが多く、専門性の高さが評価される傾向があるといえます。

応用物理学は物理学と工学をつなぐ学問と称されることがあるように、理論の実用化を目指す学問であることから、就職においても企業からの評価は高く、就職に強い学問分野の1つといえるでしょう。

ただし、こうした専門性の高い人材として採用されるには、大学院修了者であることが前提になっていることがほとんどです。

そのため、応用物理学を学んでいる人の大多数が大学院への進学を希望し、多くの大学において進学率が高くなる傾向があります。

応用物理学で学んだ知識や技能を活かして研究職や技術職として活躍していくことを目指すのであれば、大学院への進学を織り込んで進路を考えておく必要があるでしょう。

応用物理学の知識は人生でどう役立つ?

応用物理学は近現代のテクノロジーを支えてきたと言っても過言ではないほど、技術的な面での貢献度が高い学問です。

新たに開発され実用化されていく素材や、そのことで可能になった新しい技術について、応用物理学の知識があれば最先端の話題にもついていくことができるでしょう。

身近なところでは、PCやスマートフォンに搭載されているメモリがなぜここまで小型化できたのか?といった知識を物理学のレベルで理解できるようになります。

急速に進歩していくテクノロジーを正確に理解するとともに、近い将来起こり得る変化や技術が進歩していく大きな流れを把握しやすくなるという意味において、応用物理学の知識は人生で役立っていくことでしょう。

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