【キッズパーティープランナー】 子どもを「五感で楽しませる」 島本紗央理さん
仕事内容を教えて下さい
子どもが主役のキッズパーティーをプランニングしています。
クリスマス、ハロウィンなどのイベント時期やお子さまの誕生日、節目のお祝いなどのときに実施するパーティーです。
仕事の流れはどのような感じでしょうか?
まずは依頼者である親御さまとの打ち合わせを行います。
お子さまは何歳で、参加人数は何人くらいなのか、どんなパーティーをしたいのかをヒアリング。そこからどんなパーティーにしていくのかを企画します。
人数はお子さま、親御さまや親族など合わせて10人から多いときは50人くらいのときもあります。場所はご自宅や飲食店、パーティールームなどです。
ご要望に合わせて、お子さまが飽きずに楽しめるような遊びやアクティビティを考えます。
島本さんはパーティー中はどのようなことをするのですか?
パーティー規模やお客さまのご要望によって、どちらか2つの役割をこなします。
一つは「しまちゃん」というキャラクターで、自らお子さまを楽しませるという役割です。
自分自身がパフォーマーとなり、一緒に遊んだり、アコーディオンを弾いたりして、楽しませます。お客さまの要望やその場の雰囲気に合わせて臨機応変に対応しています。
もう一つは、「島本」として裏方に徹する役割です。
イメージ的には結婚式におけるウエディングプランナーのようなもので、司会やピエロなどのほかのパフォーマーをサポートをしたり、アクシデントが起きないよう周囲に気を配ります。
主に自分一人でパーティーを運営するときは「しまちゃん」、人数が多く他のパフォーマーも参加するときは「島本」として活動します。
キッズパーティーで心がけていることはありますか?
大切にしているのは「五感で楽しめる」ということです。単にパフォーマンスを見せるだけではなく、子どもに体感してもらうということが大事と思ってます。
「子どもの心にどれだけ感じるものを与えられるか?」を心がけているので、子どもと距離を近く保ち、子どもと触れ合うようにしています。
これはパフォーマーにとって、とても大事な考え方だと思うので、こうしたことを伝えるべく「パフォーマー講習」という事業も行っています。
大道芸人の方など、子どもの前でパフォーマンスを行うことには慣れていても、子どもの気持ちや扱いはよくわからないという方にこの講習は好評です。
最近では、ジャグリングやマジシャンサークルなどに所属している大学生からも問い合わせがあります。
ご興味ある方がいらっしゃいましたら連絡をください(笑)
生活リズムはどのような感じですか?
朝は6時か7時くらいに起きて、メール確認や事務作業を行います。
平日は打合せや現場準備、パーティーグッズの買い出し、事務作業などを行います。
営業時間を10時から17時にしているので、仕事が残っていなければ、夜は友人と食事に行ったり、勉強したりしています。
土日や祝日はパーティーやイベントの現場での仕事です。逆に、土日祝日で現場がないときはお休みをとります。
平均的な睡眠時間は6〜7時間くらいです。
イベントが重なる時期は忙しいのですが、会社員時代に比べると時間の融通がきくので、精神的にはだいぶ楽ですね。
この仕事をするようになったきっかけはなんでしょうか?
新卒で広告代理店に入社したのですが、仕事が忙しく、毎日終電で帰るという生活でした。
クリスマスも遅くまで働いていたのですが、ふと「ここで社長がサンタの格好をして登場したらおもしろいのになあ」などと考えまして(笑)
そこから人を楽しませるような仕事をしたいと思うようになったんです。
その後、パーティーグッズを販売する会社に入り、25歳くらいのときに自らキッズパーティー事業部を立ち上げました。
なぜキッズパーティーだったかというと、イベント会社はたくさんあるなかで、当時キッズパーティーをしているところがなかったというのが一つの理由です。
なぜ独立という道を選んだのでしょうか?
キッズパーティー事業部でやっていることは、ピエロなどのパフォーマーを派遣するだけで、それは他のイベント会社と同じような気がしたんです。
もっと自分のこだわりを出したい、自由にやりたいという気持ちが強くなり、独立することにしました。
あとは会社に縛られるのが苦手ということもありました(笑)
会社を辞めることに不安はありませんでしたか?
私、あまり先のことを考えられないタイプなんです(笑)
ただ、30歳になったら守りに入ってしまうのではと思ってまして、それまでにチャレンジしておきたいという気持ちがありました。
28歳のときに独立したのですが、きっかけは「年齢」ともいえるかもしれません。
資金面はどのようにしたのでしょうか?
ホームページは必要ですが、事務所や在庫が必要ないので、それほど資金を必要としない事業なんです。
お金がない時期もありましたが、その環境を楽しめるかどうかということが大切かなと思います。「今月あと2万円しかない! でもこんな節約したらできるはず!」という考え方です。
キッズパーティーはビジネスでは成り立たないといわれたこともありましたが、幸い口コミでお客さまが集まるようになってきています。
とはいえ、お金のことでは正直いまでも不安になることはありますが、なんとかなると前向きに考えています(笑)
キッズパーティーのノウハウはどのように学んだのですか?
特別な勉強はしてなくて、ほとんどのことは現場で学びました。パーティーを開催していくなかで、スキルを磨かれてきたと感じます。
また、チャイルドマインダーの資格を取得したり、託児所などを訪問して、子どもと触れ合って、子どもの気持ちを理解しようということもしてきました。
どのような想いでキッズパーティー事業をされているのですか?
私の家では昔から毎年家族の誕生日会を行っています。なので、4人家族なので離れて暮らしていても、最低年4回は集まる機会があります。
これは当たり前のことかと思っていたのですが、まわりの友だちに聞くとそうでもないようで…。
小さいころから、誕生日やイベントを祝う習慣があれば、大人になっても同じことをすると思うんです。
そうやって家族が集まる機会が定期的にあれば、家族のコミュニケーションも増えて、絆も深まるはずです。
私はそうした家族の繋がりを増やしたいと思っています。
そのために、キッズパーティーをもっと普及したいと考えています。たとえ競合になったとしても、キッズパーティーを事業とする人がもっと増えればいいと考えています。
この仕事をしていてよかったことはありますか?
やはり子どもの反応があることが嬉しいです。
先日、キッズパーティー終了後に7歳の女の子が「しまちゃん帰らないでー!」と泣いてくれたんです。このときは私も泣きそうになりました(笑)
まだ2年目なのですが、リピーターのお客さまの場合は、お子さまの成長が見られることが嬉しいです。また依頼していただければなのですが、来年の成長も楽しみです。
この前は、赤ちゃんが初めて歩く瞬間に立ち会うことができました。
キッズパーティーは、幸せに立ち会える最高の時間です!
現場が大好きなので、今後ビジネスを広げていったら現場に出る時間が減ってしまうのではというジレンマも抱えています(笑)
起業や独立を考えている方にメッセージはありますか?
私はやりたいようにやってみて、もしダメだったら次に行けばいいと楽観的に考えています。たとえ失敗してもそれが道です。
「社長」という肩書が欲しい人は、それがなくなったときにつらいかもしれませんが、そうでない場合は、その後の人生で経験を生かせるはずです。
何をしたいかわからないという相談を受けることもありますが、とくに学生のときは何もしたいことがなくてあたりまえです。
私もそうでしたし、新卒のときは企業でバリバリ活躍するキャリアウーマンになりたいと思っていたくらいで、働くなかでさぐりさぐり、やるべきこと、やりたいことを見つけました。
一つ提案できることとしては、いろいろな人に会ってみるということです。多くの人と出会い、話をすることによって、何かが見えてくるかもしれません。
さまざまな経験をしたり、人に会ったりする中で、自分の道をみつけられるのではと思っています。
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