自動車工学とは? 大学で学ぶことや就職先は?

(読了時間:4分2秒)

自動車工学の概要・理念

自動車の構造やエンジンの仕組み、ボディをはじめとする全体のデザインといった、自動車全般に関する研究を行うのが自動車工学です。

日本の自動車産業は戦後から高度経済成長期にかけて急激に進歩してきました。

今や自動車における日本の技術力は世界中から高く評価され、厚い信頼を寄せられています。

近年ではハイブリッドカーや電気自動車、水素自動車といった新たな技術の台頭が注目を集めており、将来的には自動運転の実現に向けて研究が進められるなど期待が集まっています。

また、自動車を構成する部品についても、電気工学材料工学の知見を活かした新たな技術や新素材の導入などの試みがなされ、成果をあげています。

このように、自動車工学は日本を代表する技術の結晶であると同時に、今後も発展が見込まれる分野として注目され続けてきました。

ますます進歩し続ける自動車産業の一翼を担う存在として、自動車工学の専門知識を持つ人材が待ち望まれているのです。

自動車工学で学ぶこと

1・2年次は、基礎自動車工学として自動車の構造や原理について基礎知識を学ぶとともに、機械製図や材料工学といった自動車を設計・製作していくために欠かせない理論・技能を習得していきます。

年次が進むにつれて、素材や動力などに応用されている最先端の技術や、車体のデザインといったより専門性の高い領域について、コンピュータで3DCADを使ったり実習を行ったりしながら学んでいきます。

また、大学によっては自動車整備実習など、自動車の整備に関する実務に役立つ技能を学べる授業が設置されていることもあるため、将来的に自動車整備士など自動車関連の仕事で活躍したいと考えている人は、大学で必要な技能を身につけておくことができる場合もあります。

自動車工学の大学での授業科目の例

機械設計

機械設計とは重工業に分類される動く機械全般の設計を指し、自動車分野ではシャシーやエンジンなどの設計について研究します。

自動車材料

自動車の部品に用いられる材料の性質について詳細に学び、理解を深めます。

内燃機関

ガソリンや軽油に点火することで動く内燃機関の仕組みについて、実習を交えながら知識や技能を習得していきます。

検査技術

自動車の性能や安全面を数値化して測定する方法や、保安基準を満たす検査の進め方について学びます。

機械整備

自動車の整備や修理を適切に進めるための技術について、実習と並行して理論を学びます。

自動車工学のレポート・テーマの例

自動車工学は自動車に関するあらゆることが研究対象となることから、レポートも素材に着目するもの、部品や機構、デザイン、新技術に関するものなど、さまざまなテーマがあります。

実際にテスト車両を製作したり、実験を行ったりした経過や結果をレポートにまとめる場合もあります。

  • ・コンピュータシミュレーションによる車両の運動特性解析
  • ・インホイールモータを使った車両の走行特性
  • ・次世代自動車における複合材料及びエネルギー
  • ・電気自動車の運動制御
  • ・外界センサーを用いた自動運転

自動車工学と関連する学問

自動車は多方面にわたる技術の集合体とも言える工業製品です。

そのため、他の工学系分野の学問と深い関わりを持っています。

自動車の部品にどのような素材を用いるのが最適であるかを考え、改善を加えていくにあたっては、材料工学の知見が応用されています。

車体やエンジンの構造を研究する上では、機械工学や電気工学の成果が役立てられています。

近年では自動運転技術の研究が進むなど、自動車工学においてもプログラミングやソフトウェアの知識が必要になるため、情報工学の分野が関わっていることもあります。

自動車工学を学んで就職に有利な業界・仕事

自動車に関する基礎的な知識から最新技術まで幅広く学びますので、就職に有利になる業界は圧倒的に自動車業界となります。

自動車メーカーに就職して新しい技術の開発に取り組む研究職に就いたり、自動車整備士の国家資格を取得してスペシャリストとして活躍したりといった道があります。

自動車関連産業の裾野は非常に多くあるため、自動車部品を製造するメーカーやカーディーラーなど、自動車工学の知識を生かせる業界は多岐にわたっています。

自動車関連産業以外にも、工作機械や産業機械、輸送用機器部品、精密機械といった分野においても、自動車工学で学んだ知識や技能を生かして活躍することができます。

職種としては、エンジニアはもちろんのこと、専門知識を生かして整備士や営業といった多様な方面で活躍することが可能です。

もともと自動車が好きで自動車工学を学ぶ人が多いことから、就職先にも自動車関連の仕事を選ぶ人の割合が高くなる傾向があります。

自動車工学の知識は人生でどう役立つ?

アメリカのフォード社が自動車の大量生産を始めたのは、今から100年以上も前のことです。

この100余年の間に、自動車の性能や安全性はめざましく進歩してきました。

いまや自動車の利用は私たちにとって欠かせない移動手段となっており、社会的にも重要な産業の1つとして位置づけられています。

現代においても、ハイブリッド車や電気自動車といった環境に配慮した自動車、運転アシストなど安全面でより優れた自動車といったように、自動車は進化を続けています。

自動車工学で学んだ知識は、こうした最新技術を理解し適切に活用する上で役立つだけでなく、社会にとってなくてはならない自動車をより便利で安全なものにしていくための一翼を担っていくことでしょう。