電子部品業界研究・仕事内容や求人状況、今後の動向を解説

(読了時間:11分41秒)

電子部品業界とは

電子部品業界は、電子回路に組み込むあらゆる部品を開発・製造を行っています。

具体的にはダイオードやコンデンサ、抵抗器にトランジスタなどを指しており、どれも大事な役割を持っています。

技術の発展や豊かで便利な暮らしを支えている業界ともいえ、製造業界ではなくてはならない存在です。

有名な企業ですと京セラ、村田製作所、TDKなどが挙げられますが、電子部品業界を知らなくても耳にしたことのある企業ばかりで、生活に密着している業界ともいえます。

職種としては材料開発、デバイス開発や設計、生産技術品質管理、企画・マーケティングなど多様な職種で構成されています。

材料開発一つとっても、部品ごとに分かれている場合もありため、さらに細分化されていきます。

新技術の登場や世間のニーズに合わせて電化製品は進歩や変化を繰り返します。

それらの流れに電子部品業界も追随していくため業績の上下はあるにせよ、ますます重要性を増していく業界といえるでしょう。

電子部品業界の役割

電子部品業界の役割はニーズに合わせた製品供給といえます。

電子機器メーカーは新しい製品や技術を生み出すことで、暮らしを便利にしたり、新しい価値観を創出したりする役割があります。

対して電子部品業界は、裏方として電子機器業界支えている面があります。

裏方とはいえ、なくてはならない業界ですので産業や暮らしを円滑にするために大事な役割を担っているといえます。

時代の流れによって求められる役割も変わっていくのも電子部品業界の特徴です。

新しい技術が生まれれば、それを採用した電子機器も開発されるため、自ずと電子部品の改良や開発も求められます。

そうしたニーズに応え確かな部品を供給するのはもちろん、時代を先取りした部品の開発を行うなどチャレンジ精神も求められている業界です。

電子部品業界の企業の種類とビジネスモデル

多角的な事業展開

多数の電子部品を開発・製造し、総合的に部品供給をしている企業です。

多角的な事業展開を行っているのでどの分野でも収益を確保でき、新事業への展開も積極的に行えるメリットがあります。

代表的な企業は京セラです。

産業・自動車用部品、電子デバイス、半導体事業などの基幹となる分野に加え、ソーラーエネルギー関連製品、人工関節などの医療機器まで展開しておりグループ力を活かした事業展開に強みを持っています。

ニッチ分野での事業展開

競争相手のいない分野に強みを発揮し、市場を独占することで高利益を生み出す戦略をとっている企業です。

競争相手がいない分、研究開発にも時間と費用のコストをかけられ、さらなる品質アップを実現できています。

代表的な企業は村田製作所です。

村田製作所はコンデンサや圧電製品、高周波部品などに強みを持ち、いずれも世界トップクラスのシェアを誇っています。

専門分野での事業展開

ある特定の部品に特化した事業展開を行っている企業です。

ニッチ分野と似ていますが、さらに分野を絞ることで競争に勝ち、高収益を生み出しています。

代表的な企業は日本電産やキーエンスです。

日本電産はモータの開発・製造に強みを持っており、世界トップクラスのシェアを誇っています。

キーエンスはファクトリー・オートメーションのセンサを中心に事業展開をしており、収益率の高い事業展開を行っています。

電子部品業界の職種

研究開発

自社が製造する電子部品の研究開発を担う職種です。

クライアントの要求による場合もあれば、自社発案で行う場合もあるでしょう。

何度も試行錯誤を行うため挑戦する姿勢に加え、忍耐力や俯瞰的な視点も求められる職種といえます。

研究対象は部署により変わり、部品単体の研究はもちろん、製造装置も自社で開発している企業だと、装置自体の研究開発を行う場合もあります。

品質管理・保証

製品の品質管理・保証を担う職種です。

クライアントの要求レベルをクリアしているかなど、完成品の品質チェックはもちろんですが、不具合が生じた際は原因を追求し同じミス繰り返さないための対策考案も職務といえます。

部品ごとにチェックの仕方や品質基準なども変わるため、柔軟性に加え、各部品に対する高い知識も必要な職種といえます。

回路技術

電子部品は基板に実装されますが、その回路を設計する職種です。

非常に限られている基板のスペースに対し、部品をどこに実装するかの設計に加え、クライアントの要望を実現するための回路設計を行います。

設計した回路によって搭載する製品性能も左右しかねないため重要な職種といえます。

材料開発

電子部品を形作る材料開発を行う職種です。

性能を改善する材料、品実をキープしたままコストを下げる材料、開発した部品に最適な材料など、あらゆる課題に対し開発を進めて行きます。

開発には、各部品の原理を知ることはもちろん、光学などの物理的観点がとても重要で幅広い知識が必要な職種といえます。

生産・プロセス開発

生産技術・プロセス開発とは製造に必要な技術を開発する職種です。

品質を落とさないよう、正確に製造するための技術開発は前提ですが、効率的に製造する技術を開発することで生産力アップを図ったり、製造コストを下げて利益向上を図ったりなど、あらゆる製造技術の開発を担います。

厳密にいうと、生産技術は効率的な生産体制の開発、プロセス開発は高品質の製品を製造する工程開発、が大まかな分類とされているため企業により生産技術とプロセス開発を分けしているケースもあります。

電子部品業界のやりがい・魅力

電子部品業界の魅力はなんといっても時代の最先端技術を支えているモノづくりにあるでしょう。

一つひとつは小さな部品ですがその役割はとても大きく、電化製品メーカーが開発した製品はその電子部品なくして成り立ちません。

決してユーザーの目には見えない部分での貢献ですが、間違いなく技術を支えているという事実はやりがいにつながるでしょう。

また、最先端技術を支えているということは、最新のライフスタイルや産業を支えていることともいえるため、時代やライフスタイルの変化にも貢献している業界といえます。

開発の現場はうまくいくことの方が少ないかもしれませんが、苦労して作り上げた部品がたくさんの製品やシステムに搭載され、世の中に貢献していることは仕事へのモチベーションを支えてくれるでしょう。

そうした「支える仕事」に電子部品業界の魅力があります。

職種の多様さも魅力のひとつです。

研究・開発、材料開発、品質検証、回路設計、製造装置開発など企業によっては部品単体ごとに職種があります。

もちろん、企画・マーケティングや営業、資材調達に人事・経理といった一般職もあり、文系理系問わず就業できるチャンスがあります。

BtoBビジネスが基本なので一般ユーザーとの関わりはあまりないと業界ですが、ビジネスの最前線で働いている実感は持てるでしょう。

電子部品業界は今後グローバル化がさらに進むと考えられており、特に営業・マーケティング系の職種は海外企業との取引も増えていくことでしょう。

世界を舞台にして活躍したい人にとっても魅力的な業界といえます。

電子部品業界の雰囲気

電子部品は一般ユーザーの目に留まることはほとんどない上に、ビジネス相手は法人です。

一見すると地味なイメージですが、時代の流れに敏感でスピーディーなビジネス展開が求められる業界といえます。

研究・開発といった技術職であっても自社の部品を搭載する製品動向を把握し、ニーズに対して正しく対応する必要があるためアンテナも常に張っておく必要があります。

また未来を見据え、新しい部品開発にチャレンジすることも多いため前向きな精神で取り組み人も多いでしょう。

あくまでもビジネスなので競合よりも先に開発や製造を行うケースの十分考えられます。

そうした要求に応えるには忍耐力や集中力、分析力や柔軟性といった資質に加え、チームワークを大事にしたり、コミュニケーションを円滑に取ったりする必要もあります。

技術職の多い電子部品業界ですが協調性のある人が多いかもしれません。

電子部品業界に就職するには

就職の状況

電子部品業界は現在、次世代通信機器やIoTなどの新テクノロジーに向けた製品開発、スマートフォンや自動車産業への供給などもあり比較的好調な業界です。

業績が好調な一方、BtoBビジネスが基本の電子部品業界はどうしても知名度で他業界に遅れを取る面があるため、人材確保には各社苦労しているようです。

対策の一つにインターンシップの活用があります。

実際に職業体験をしてもらうことで入社後のイメージを具体化してもらうと共に、仕事のおもしろさも実感してもらう目的があります。

内定者の約7割がインターンシップを経験したというデータもあり、業界への興味を持ってもらうにはとても有効な手段といえます。

ミスマッチによる入社後の早期離職も防げるため、今後も電子部品業界のインターンシップは増えていくと考えられます。

就職に有利な学歴・大学学部

企業ではなく志望する職種によって有利になる学部があります。

例えば技術系の職種であれば当然理系学部の人が有利になりますし、採用学科として明記されている場合もあるようです。

電子部品業界は扱う製品も多く、電気系、材料系、物理系など分野も多岐に渡ります。

そのため電気・電子系、情報・通信系、機械系、物理・化学などを専攻した学生は活躍できる場が多いでしょう。

営業やマーケティングといった事務系の職種は全学科・学部が対象となるのが一般的です。

電子部品業界は今後、グローバル化がさらに進むと考えられているため技術系、事務系に関わらず、英語は積極的に学んだ方が有利になるでしょう。

就職の志望動機で多いものは

電子部品業界に限らず、基本的に興味のない業界への就職は希望しませんので、「業界に興味がある」「学んだ知識を活かしたい」といった志望動機が一般的です。

その上で志望動機に自分なりの理由と熱意を盛り込むのが理想的です。

電子部品業界は「モノづくり」を主体とした業界ですので、研究職に就きたいと思ったキッカケや、自分が携わって世の中にどう貢献したいかなどもしっかり伝えるようにしましょう。

加えてトレンドの移り変わりが激しい業界特有の事情に対応できる柔軟性を持っているなど、業界特有の事情にマッチしていることもアピールするとよいでしょう。

技術系を志望する場合は、チャレンジ精神、集中力、忍耐力などが高いということも実体験を通して伝えると印象的です。

また電子部品業界の全職種に共通していることですが、コミュニケーション能力も必要スキルといわれていますので併せてアピールして損はないでしょう。

電子部品業界の転職状況

転職の状況

新卒同様、電子部品業界は人材不足です。

加えて業界自体は好調傾向にあるため転職市場も活発化しているといってよいでしょう。

技術職はこれまでのニーズに加え、新規事業への参入なども視野に入れた開発や研究、製造が求められているため即戦力の技術者が求められています。

営業やマーケティング職といった職種も同様で、開発された製品を売り、会社に収益をもたらす人材採用も積極的に行われているようです。

転職の志望動機で多いものは

電子部品業界はモノづくりの現場です。

そのため、よりよい環境で自分の納得できる製品開発を行いたいなど、エンジニアとしてのスキルアップを求めて志望する場合も多いでしょう。

ほかに志望動機を挙げるなら、キャリアアップや給与アップ、キャリアチェンジなどもあります。

電子部品は種類が多いだけでなく、部品ごとに開発職や研究職といった専門職が必要なケースもあり人材不足が続いています。

そうした状況から異業種での技術職経験があれば採用されるケースもあります。

チャレンジ精神や別角度からの視点は転職先での武器となり得ますので、しっかり伝えるようにしましょう。

転職で募集が多い職種

電子部品業界は技術系職種が多いため、やはり研究開発、生産技術、回路設計といった職種の募集が多いです。

前記したように業界として人材不足が続いているため、自分の経験を活かす職場も見つけやすい傾向にあります。

キャリアチェンジのチャンスも十分あるといえますので、経験を活かし別分野への技術職に転職することも視野に入れると選択肢も広がるでしょう。

どんな経歴やスキルがあると転職しやすいか

当然ながら同業種での経験は転職を有利にするポイントといえ、特に技術系職種の場合、経験者は重宝されるでしょう。

逆をいうと未経験での技術職転職は難しいといえます。

ただし業界未経験だとしても、異業種で開発や設計などの技術職経験をしていれば大きなアピールポイントとなります。

電子部品業界が求めるチャレンジ精神のある人材といえますのでしっかりスキルのアピールをしましょう。

電子部品業界の有名・人気企業紹介

京セラ

京セラは日本トップクラスの電子部品メーカーです。

自動車部品やファインセラミック部品をはじめとした産業系に強みがあるほか、半導体や電子デバイスなど多角的な事業を展開しています。

・創業:1959年(昭和29年)
・資本金:1,157百億円(2019年3月末日)
・連結売上収益:16,237億円(2019年3月期)
・連結従業員数:76,863名(2019年3月期)

京セラホームページ

村田製作所

村田製作所も日本の電子部品業界を支える一社です。

コンデンサ開発をはじめ、製品品質も技術力も高いのが特長といえ、海外にも多くの製品を供給しており世界的に評価が高いです。

・創業:1944年(昭和19年)
・資本金:694百億円(2019年3月末日)
・連結売上収益:15,750億円(2019年3月期)
・連結従業員数:77,571名(2019年3月期)

村田製作所ホームページ

日本電産

日本電産はモータに強みを持ちビジネス展開しているメーカーです。

供給先はIT・OA機器や家電など幅広く、精密小型モータから産業向けの超大型モータまでさまざまなモータを手がけ、世界シェアも高いトップメーカーです。

・創業:1973年(昭和48年)
・資本金:877百億円(2018年3月末日)
・連結売上収益:14,880億円(2018年3月期)
・連結従業員数:107,554名(2018年3月期)

村田製作所ホームページ

電子部品業界の現状と課題・今後の展望

競争環境(国内・国外)

電子部品業界は日本経済の基幹産業のひとつとして発展し続け、モノづくり大国としての地位を世界に示してきた業界といえます。

電子部品の世界シェアは日本企業が独占しており、約4割のシェアを握っています。

今後も高いシェアを誇ると見込まれていますが、海外メーカーの台頭も危惧されています。

そうした海外メーカーとの競争に勝ち、差別化を図るためさらなる技術力の向上や市場開拓などの対策が必要になるでしょう。

最新の(技術の)動向

近年急激な伸びを見せてきたスマートフォン用部品の需要が落ち着きを見せており、次なる市場開拓が求められています。

そんな中、注目を集めているのが自動車産業です。

自動車にIoTやAIといった次世代技術の搭載が進むと見込まれており、それらに対応する電子部品の需要が高まるといわれています。

各社とも車載用の部品開発に力を入れており、今後の業績を左右する注目の分野といえるでしょう。

業界としての将来性

電子部品業界は時代のトレンドによって業績が左右される面があります。

そのため景気の浮き沈みはありますが、生活にも産業にも欠かせない存在ですので比較的将来は明るい業界といってよいでしょう。

新技術に対応することでビジネス展開も拡大し、広く浸透すれば需要も一気に高まるため業績も上がります。

時代を支える業界ですので技術系、営業系に関わらず、やりがいを持って働けるでしょう。

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