大学の授業の時間は? 時間割の例も紹介
決められた時間割に沿って全員が同じ授業を受けていた高校とは異なり、受講を希望する講義を自分で選ぶ点も、大学の大きな特徴の1つです。
そのため、授業の実施方法や形式が高校よりも多種多様になり、複雑化することになります。
そこで
大学の授業にはどのようなものがあるのか、具体的な時間割の例も含めて紹介していきます。
大学の授業にはどのような種類がある?
大学の授業は1時限90分が基本となります。
高校までの1時限50分講義とは異なり、1回の講義で扱う内容が豊富になるためです。
ただし、ひと口に授業と言っても教授の話をずっと聞いている座学だけでなく、授業の目的や内容に合わせてさまざまな形態があります。
大学の授業にはどのようなものがあるのか、代表的な3つの授業の受け方について見ていきましょう。
一般教養科目とは?
とくに大学1・2年次に実施される講義には「一般教養科目」と呼ばれるものがあります。
必修科目として全員が単位を取得しなければならない講義となっているケースがほとんどです。
一例として、英語の授業は学部・学科に限らず一般教養科目に含まれていることが多く見られます。
3・4年次により専門性の高い研究を行う際、参照する文献が英語で書かれていることも考えられるからです。
また、最高学府である大学を卒業するからには、最低限の英語力は身につけておくべき、といった考え方も、英語が一般教養科目として扱われる根拠の1つとなっています。
大学によっては「基礎教養科目」「全学共通科目」と呼ばれていることもありますが、基本的に必修科目と同じ意味と捉えていいでしょう。
これに対して、学部・学科に特有の専門性の高い科目は「専門科目」などと呼ばれています。
他学部聴講とは?
大学に入学した時点で所属する学部や学科は決まっているわけですが、所属する学部・学科以外の講義を受けてはいけないわけではありません。
履修登録時に、他学部の講義を受けることを希望することもできます。
大学によっては、他学部の講義を受けられる数や範囲に制限を設けていることがありますが、基本的には所属学部以外の講義も受講することは可能です。
専門外の講義のうち、あまり専門性の高い内容のものを聴講しても理解できない可能性が高いためです。
ただし、他学部の講義の中には所属学部の取得単位として認められるものと認められないものがあることに注意が必要です。
所属する学部・学科の研究内容と親和性が高い講義であれば、他学部の講義であっても取得単位として認められやすい傾向があります。
学外単位互換とは?
事前に申請して許可を得ておく必要がありますが、所属する大学以外の講義を受講し、その単位を取得単位として認めてもらえる制度のことを学外単位互換と言います。
どの大学の講義でも自由に受講してよいわけではなく、大学事務局を通じて許可を得た上で、受け入れ先の大学にも認めてもらうといった手続きが必要になります。
学外で学ぶメリットとして、所属する大学にはない講義を受けられるという点が挙げられます。
ただし、履修できる講義数や認定される単位には制限が設けられていますので、自分が受講したい他大学の講義が単位として認められるかどうか、事前によく確認しておくようにしましょう。
通っている学校以外で授業が受けられるというのは、高校までにはなかった概念のはずです。
こうした点にも、自主的に自由に学ぶことができる大学の良い点が表れていると言えるでしょう。
大学の授業にはどのような受け方がある?
高校までの授業では、教師の話を聞いてノートを取るという形式のものがほとんどだったはずです。
大学では、講義によってさまざまな授業スタイルが存在します。
そこで、大学の主な授業の受け方として、代表的な3つの授業形態をまとめました。
高校の授業と比べながら、大学の授業の幅広さにに触れてみましょう。
座学による講義
教授の話を聞き、学生はノートを取るという授業スタイルです。
1・2年次のうちは学部・学科の基礎的な知識を習得する必要があることから、座学による講義の比重が高くなる傾向があります。
大学の授業でで使われる教科書は、高校までのように教科書会社が発行しているものではなく、教授が選定した書籍であったり、教授が独自に作成した資料であったりします。
教授によっては、自らが執筆した書籍を教科書として授業で使うこともあります。
こうした書籍を読み解きながら、教授の知見を分け与えてもらうのが座学による講義の基本的な進め方です。
また、授業によっては事前に課題が出され、次の授業までに調べてくるよう求められることもあります。
実習・実験を行う授業
学部・学科にもよりますが、授業の中には実習や実験が行われるものもあります。
実習の内容としては、少人数のチームに分かれて調査を実施したり、学外でのフィールドワークを行ったりすることがあります。
実験では、実験室で行う化学実験のようなものから、調査結果から得られた仮説を検証するための実験まで、さまざまなものがあります。
こうしたことは文献を読んだだけでは分かりづらいことだったり、実際に検証してみることでより明確に理解できたりするため、実習や実験という形で理解を深めることを目的として実施されます。
とくに理系学部では、3年次以降はほとんどが実験の時間ということもあり得ます。
一方、学部・学科によっては、4年間を通じて実習・実験がほぼ全く行われない場合もあります。
ゼミ・研究室
主に3年次以降になりますが、ゼミや研究室に所属し、指導教授のもと専門性の高い研究を行うことがあります。
ゼミは一般的に少人数制となっており、指導教授1名に対して学生が数名から十数名の単位で行われていることが多い傾向があります。
ただし、大学や学部によっては大勢が所属するゼミも存在しますので、見た目上は座学による講義とあまり変わらないこともあります。
研究室への所属は主に理系学部になりますが、所属する研究室の研究テーマに沿って、自らの研究テーマを見つけて仮説を検証していくことになります。
思うような実験結果がなかなか得られず、研究室に泊まりがけで実験を続ける人もいます。
こうしたゼミや研究室で得た経験が、卒業論文へと結びつくことも少なくありません。
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大学の時間割の例
ここまで見てきたように、大学の授業にはさまざまな種類や形態があります。
実際の時間割は、これらの授業が組み合わされる形になります。
たとえば、必修科目+専門科目+実験+ゼミ、といった組み合わせを曜日によって受講することになります。
より具体的にイメージしやすいよう、文系学部・理系学部それぞれについて、大学の時間割の一例を見ていきましょう。
文系学部(経済部)の時間割例
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
1限 | 教職研究 | 法学 | |||
2限 | 英語コミュニ ケーション |
教育の 思想と歴史 |
社会学 | 中国語 2A |
経済史 |
3限 | 西洋史 | 中国語 1A |
簿記 | ミクロ経済学 基礎 |
西洋文化 |
4限 | ミクロ経済学 基礎 |
英語コミュニ ケーション |
ボランティア 実習 |
スポーツ科学 | |
5限 | 心理学 |
「英語コミュニケーション」のような必修科目は、1・2年次を中心に受講することになります。
「中国語1A・2A」は第二外国語で、所定の単位数は必ず取得する必要があるものの科目は選ぶことができる選択必修と呼ばれる科目になります。
「経済史」「ミクロ経済学基礎」「簿記」などは経済学部の専門領域となりますので、専門科目の基礎的な講義として位置づけられています。
「スポーツ科学」は一見すると経済学とは直接関係ない科目のようですが、幅広い教養を身につける意味でこうした科目を一般教養として選択することがあります。
このほか、教職課程を取る場合には別途講義を受講する必要があるため、受講する必要のある授業数が増えることになります。
理系学部(工学部)の時間割例
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
1限 | 英語 | 科学史 | |||
2限 | 国際文化 | ドイツ語 | 機械設計 概論 |
数学 (線形代数) |
英語 |
3限 | 数学 (微分積分) |
情報基礎 | データサイエンス 概論 |
ドイツ語 | プログラミング 基礎 |
4限 | 電磁気学基礎 | 健康・ スポーツ科学 |
力学基礎 | ||
5限 | 物理化学演習 |
「英語」のような必修科目の講義を受講しつつ、第二外国語である「ドイツ語」を選択しています。
一般教養科目として、健康・スポーツ科学を選択していることも見て取れます。
理系学部では、1・2年次を中心に数学や化学、物理学の基礎を学ぶケースが多く見られます。
基本的には高校で習った数学・化学・物理学の延長ですが、3年次以降により専門的な研究に取り組む上で必要とされる知識についてより深く学ぶのが特徴です。
「情報基礎」「プログラミング基礎」といったように、情報処理系の科目が見られるのも特徴的です。
研究室ではコンピュータを使って検証や分析を行うことも少なくないことから、研究に取り組むにあたって必要な素養として、こうした科目を受講するケースが多いのです。
この記事のまとめ
大学の授業の考え方に置き換えた場合、高校までの時間割はいわば全てが「必修科目」だったと言えるでしょう。
大学でも必修科目はありますが、それ以外に自分の興味関心や将来的に進みたい分野を考慮した上で、時間割を自分で決められるのは大学ならではの大きな特徴の1つです。
大学の授業は選択の自由度が増し、選べる科目の幅も広がる一方で、どのような科目があるのか理解しておかないと履修選択時に迷ってしまうことになりかねません。
大学のシラバスや講義内容の紹介を熟読し、受講する講義を能動的に選ぶ必要があるのです。
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