栄養学とは? 大学で学ぶことや就職先は?
栄養学の概要・理念
私たちは食べ物から栄養を得ることで健康を保ち、活動に必要なエネルギーを得ています。
こうした栄養と健康との関わりについて科学的に考察し、調理や加工の方法についても研究することにより、健康の維持・増進や医療分野における活用へとつなげることを栄養学では目指しています。
身近なところでは、学校の給食は育ち盛りの子どもたちにとって必要な栄養素をバランスよく摂取してもらえるよう、栄養学の知識を活かして献立が考えられています。
病気などで入院した際に提供される病院食は、病気の回復や病状に合った適切な献立となるよう、栄養学に基づいてメニューが決められています。
各家庭においても、毎日の食事の献立をどのように計画していくかは、家族が健康に暮らしていくために重要な判断となるはずです。
このように、ものを食べて栄養を得ることは、私たちにとって日常的に関わり続ける身近な事柄といえます。
現代は飽食の時代と言われることがありますが、だからこそ「食べることで栄養を得る」という基本に立ち返って考えることが求められているのです。
栄養学で学ぶこと
栄養学には、食物に含まれる栄養素について考える分野、摂取した栄養が体内でどのように変化して吸収され、健康維持に役立つかを考える分野、食品や栄養と社会的な関わりについて研究する分野などがあります。
ひと言で「栄養」と言っても、どのような観点から考察するかによって、多くの切り口があることが分かります。
それぞれの分野について基礎から学んでいき、年次が進むにつれて専門性の高い研究へと発展していくのが一般的です。
具体的な献立を考案したり、調理法に関する研究に取り組んだりする場合もありますので、調理実習や化学実験が行われることもあります。
また、国家試験である管理栄養士の資格取得を目指す人も多いことから、資格試験に向けた勉強も並行して進めていく必要があります。
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栄養学の大学での授業科目の例
基礎栄養学
栄養素とその働きなど、栄養学についての基礎事項を学び、専門的な研究に取り組む下地を作ります。
食品化学・食品衛生学
さまざまな食品に含まれる栄養素の計測や、使用されている食品添加物の安全性について研究します。
臨床栄養学
栄養と病気の関係について考察するとともに、アレルギーなど食品に関わる体の反応について検証します。
食品品質学
食品を作る際の材料化学や加工・調理の方法について考え、食品としてのより良い品質を目指します。
調理科学
栄養素をできるだけ壊すことなく調理する方法や、効果的に栄養を摂取するための調理法について研究します。
栄養学のレポート・テーマの例
栄養学のレポートは、具体的な食材にフォーカスしたもの、特定の栄養素に着目したもの、献立の考え方など調理に関するもの、食育についてのものといったように、テーマが多岐にわたっていることが特徴です。
栄養素について正確な論考を行う上で化学の知識が必要になったり、人体への影響について論じる上で医学の知識が求められたりすることもあります。
- ・サツマイモの食味チャート
- ・卵の食後血糖上昇抑制効果
- ・ひじき由来の色素とフコイダンの抗糖尿病作用
- ・幼児期の偏食と食環境
- ・夕食における一汁三菜の献立内容
栄養学と関連する学問
栄養について研究することの目的として、健康の維持・増進がありますので、同様の目的で研究を行う健康科学は栄養学と関連の深い分野といえます。
栄養学において食品に含まれる栄養素やそれらが体内でどのように変化し作用するかを考える際は化学の知識が必要になりますので、化学との関連性もあります。
また、栄養が体内でどのように消化・吸収され、病気の予防とどのように関連するかを研究する上で、医学とも関連していると見ることができます。
栄養学を学んで就職に有利な業界・仕事
栄養学で習得した知識を活かして、栄養士や管理栄養士、フードスペシャリストといった資格を取得し、就職時に役立てるケースがよく見られます。
一例としては、給食センターや病院、保健所、介護施設といった職場において、栄養学の知識や関連する各種資格の保有者が求められています。
とくに管理栄養士の資格については、高齢者や病気の方々の栄養管理を行う上で必須の資格となります。
また、食品メーカーなどで商品企画や開発、品質分析といった仕事に携わる上でも、栄養学の知識が求められる場面が少なくありません。
そのほか、食品のブランディングやプロデュース、レストランのPR、販促などを担うフードコーディネーターや、個人に対する食事のアドバイスやカウンセリングを行うパーソナルトレーナーといった新たな職種も登場しています。
このように、栄養学の知識を応用して活躍できる業界・職種は数多くあります。
目指したい業界や職種がある場合は、その仕事に就くために必要な資格があるかどうかを調べておくといいでしょう。
栄養学の知識は人生でどう役立つ?
現代においては、栄養不足が原因で健康を害してしまうようなケースは少なくなっています。
一方で、飽食の時代と言われるようになり、メタボリックシンドロームといった生活習慣が原因となる症状がよく見られるようになりつつあります。
自分自身にとって必要な栄養や摂取する際のバランスだけでなく、身近な人に長く健康であり続けてもらうためにも、栄養学で得た知識を日常生活の中で役立つことでしょう。
食物から栄養を摂取し、健康を維持していくことは、誰もが一生関わり続けていく問題であり避けて通ることができません。
栄養学の知識は身近な暮らしの中で活かせますので、これからの人生においても健康の維持・増進のために役立てることができるはずです。
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