教育学とは? 大学で学ぶことや就職先は?
教育学の概要・理念
教育学は、子どもたちが成長し学んでいくにはどのような教育を行っていくべきかを研究する学問です。
教育と聞くと学校を想像する人が多いはずですが、教育学が研究対象としている教育は学校という場に限定されているわけではありません。
家庭におけるしつけや、文部科学省の学習指導要領に代表される教育政策、企業での人材教育の在り方など、学校以外にも多岐にわたる教育が研究対象とされます。
ほかにも、教育現場の実情や教育の歴史、これからの時代に必要とされる能力を身につけるための教育といったように、教育に関わるあらゆることを扱う学問と考えていいでしょう。
また、教育学には教員養成のためのノウハウを伝えていくという大切な役割も担っています。
将来の教員を養成するにあたって、教育に携わる人材にふさわしい倫理観や人間性を身につけ、日本の教育を支えていく人材を輩出することに寄与しています。
児童心理学など子どもの成長過程や心の状態に関する研究など、教員を目指す人材に必要とされる知識や技能を伝えていくのも教育学の役割です。
教育学で学ぶこと
教育学には、「教育とは何か」「教育はどうあるべきか」といったことを根本的に考える教育哲学とも呼べる分野と、教員養成や児童について理解を深めることを目的としたより実践的な分野があります。
教育哲学においては、教育の在り方について根本から問い直し、これまで教育が辿ってきた歴史や効果的な教育方法について学びます。
教員養成においては、幼稚園・小学校・中学校・高等学校をはじめ、特別教科教員や養護教諭、特別支援学級教員として着任することを目指し、知識や指導法を体得します。
教育に携わる上では、児童や生徒に関する理解を深めることも非常に重要です。
そのため、児童心理学や児童文化、児童福祉といった分野についても学び、子どもたちの成長に総合的に寄与することのできる人材の育成を目指します。
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教育学の大学での授業科目の例
教科教育学
国語や数学といった教科を指導するにあたって、指導計画や指導案を作成する具体的な方法を学びます。
教育史
教育が辿ってきた歴史を紐解き、今日の教育に対する理解を深めます。
教育社会学
教育が社会から受ける影響や、反対に教育が社会に与える影響について研究します。
児童心理学
子どものそれぞれの発達段階における心の状態や行動について学びます。
教員養成課程
教諭になるにあたって必要とされる知識や指導方法を体得することを目指します。
教育学のレポート・テーマの例
教育学のレポートは、教科教育や学級経営に関するテーマ、教育史に関するテーマ、児童心理に関するテーマなど多岐にわたります。
また、教育実習では指導計画書や実習報告を提出するだけでなく、総括レポートを提出する必要もありますので、作成するレポート等の数はかなりの量になります。
- ・学級活動におけるICTの活用
- ・音声言語教育とコミュニケーション
- ・教具と学習文化の変遷
- ・子どもとストレスについて
- ・学校事故と教員の専門性
教育学と関連する学問
社会の在り方や個人の社会との関わり方を研究する社会学は、教育学と関連性の高い学問です。
教育学においても教育社会学では、社会学の手法を用いて調査や検証を行うことがあります。
心理学についても、児童心理学の分野では関連性の高い学問と言えます。
教員として働く上で、児童や生徒の心の状態を把握し理解しようと努めるのはとても重要なことです。
理論的な裏付けについて学ぶとともに、子どもの気持ちに寄り添うことのできる教員を目指すことが求められます。
教育学を学んで就職に有利な業界・仕事
教育学で学んだことを活かして就職するという意味では、教員を目指す人が圧倒的に多いでしょう。
そもそも教員になるために教育学を専攻する人も相当数いるはずです。
また、教育学部や教育大学がある地域の教員になりたいのであれば、大学のネームバリューが採用時に有利に働くケースも考えられます。
教員以外の道としては、学習塾など民間の教育産業や、教育系出版社で働くという道があります。
社会人になると小中学生の頃に習った教科知識を忘れかけている人も多くなりますので、教育学の中でも専門教科を持っている人は、塾講師や教材編集者として働く上でも重宝される傾向があります。
なお、教育系に限らず、金融業界や行政系の公務員の道へと進む人もいます。
教育学部で学んだ指導者としての知識・技能は、後輩育成や部下のマネジメントに携わる上で活かせる部分も多くあります。
全体として見ると教員をはじめ教育系の就職のほうが有利になりやすいものの、教育系以外の仕事であっても教育学部出身であることが原因で不利になることはないでしょう。
教育学の知識は人生でどう役立つ?
これからの時代は、社会に出てからも常に学び続けることが求められる時代になると言われています。
変化の激しい時代になるにつれて、知識が更新されないままでは時代の流れについていけなくなってしまうからです。
教育学を学んできた人は、もともと新しいことを学ぶことが好きな、好奇心旺盛な人が多い傾向があります。
社会に出てからも新しい知識を求め続け、楽しみながら学んでいくことができるでしょう。
また、児童や生徒を指導する方法について学んだ経験は、自分自身の育児や職場における後輩指導の際にも役立てることができます。
「教えるのが上手」であることは、学校現場以外でも有用なスキルとして活用し続けていくことができるでしょう。
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