【コーヒーディレクター】「想いを込めてお客様のもとへお届けする」コーヒーに魅了され夢を叶えた山下敦子さん
今回は、コーヒーに関わるさまざまな仕事から学びを深めてきたコーヒーディレクターの山下敦子さんからお話を伺います。
コーヒーディレクターの活動内容
コーヒーディレクターの活動内容について教えてください。
オンラインショップにて、本当に良い品質の厳選したコーヒーを販売しています。
販売しているコーヒーは生豆(焙煎する前のコーヒー豆)の選別から焙煎、パッケージングまで全て一人でトータルプロデュースをしています。
トータルプロデュースをすることにより、責任をもってコーヒーを届けられ、品質管理も徹底できるのです。
また、コーヒーの魅力を伝えるためにセミナーやイベントを毎月開催しています。
例えば、生産国別や品種別でのコーヒーの紹介や飲み比べといったことを実施しています。
ほかにもレストランやカフェなどのコーヒーに関するコンサルティングやアドバイスといったプロデュースの仕事をすることもあります。
山下さんが経営されている「カフェオロ」の名前の由来は?
「カフェオロ」はスペイン語で“カフェ(cafe)”は“コーヒー”、“オロ(oro)”は“金・素晴らしい”という意味があります。
ですので、直訳すると「金のコーヒー」「素晴らしいコーヒー」となります。
また、中南米のコーヒー生産者たちはコーヒー豆のことを「cafeoro」と呼びます。
愛情をかけて育てたコーヒーはどれも宝物であり素晴らしいコーヒーである。
そんなコーヒーとコーヒーに関わるすべての人へのリスペクトを込めて、「カフェオロ(cafeoro)」と名づけました。
コーヒーディレクターのスケジュール
どのようなスケジュールでお仕事をされているのでしょうか?
すべてのコーヒーはオンラインショップで注文を受けてから焙煎、発注をしているので、受注がある限り休みなく仕事をしています。
そんな中での休日もコーヒーショップを回ることが多いですね。
あとは、コーヒーをつくる感性を磨くために美術館に行ったり映画を見たり、いろんな作品に触れるように心がけています。
毎日どれくらいコーヒーを飲んでいるのか教えてください。
お客様へコーヒーをお届けする前に、コーヒーのチェックをしなければなりません。
なので、一日にはかなりの杯数を飲んでいます。仕事以外にも、出社したらすぐに自分のためにコーヒーを淹れてゆっくり飲むことは欠かしません。
どんなに飲んでも飽きないのは、コーヒーの魅力だと感じています。
最近は、「ホンジュラス(中米の国)」「ボリビア(南米中央部)」のコーヒーをよく飲んでいます。
コーヒーディレクターを目指したキッカケ
幼い頃からコーヒーはお好きでしたか?
母がとてもコーヒーが好きで幼い頃から身近にある飲み物でしたが、幼い私は苦くてブラックコーヒーが飲めませんでした。
歳を重ねるにつれて自然とブラックコーヒーを飲めるようになっていきましたね。
コーヒーに興味を持ったのは高校生の時です。
キッカケは関西の喫茶店の文化に触れたことだと思います。
関西は昭和の喫茶店がとても多いのですが、その空間をとても素晴らしく感じたんです。
毎日のように喫茶店巡りをしていました。
喫茶店にはコーヒーにこだわりを持つマスターやバリスタがいて、そういう人たちとの出会いから喫茶店とコーヒーがとても好きになりました。
コーヒーを仕事にしたいと思い始めたのいつ頃、どういったキッカケからですか?
大学時代ですね。
大学時代は学校カウンセラーになることを目標に心理学を専攻していました。
しかし、心理学の勉強をしていく中でささやかなことでも誰かに前向きになってもらいたいと思うようになっていきました。
そんな時に私自身の経験から頭に浮かんだのが、おいしいコーヒーを提供するみんなの憩いの場である喫茶店でした。
そこから喫茶店を開きたいと思うようになり、コーヒーを仕事にしようと思いました。
最初は「喫茶店を開くこと」を目標にコーヒーについて本を読んで学んだり喫茶店でアルバイトをしたりしていましたが、どんどん農作物としてのコーヒーに惹かれていったのです。
そして、コーヒーそのものを研究するようになりました。
大学卒業後はコーヒーの世界に近づくため、レストラン事業を展開する京都の会社へ就職をしました。
最初から「コーヒーディレクター」を目指していたわけではないのですね。
そうですね。
一年ほど会社で働いたあと、もっとコーヒーに関わる仕事がしたいと会社を辞め、関西から上京することを決意。
上京後は小さなコーヒー焙煎のお店でアルバイトとして働き始めました。
働いてから3年ほど経ち焙煎の仕事を任せてもらえるように。
この経験がコーヒーの世界を深く学ぶことに繋がっていきます。
コーヒー豆が出来上がるまでの人・環境・生産工程に興味が湧き始め、次はもっとコーヒーの生産に近い仕事をしたいと思うようになり、5年勤めていたコーヒー焙煎のお店を退職しました。
その後は、中間業者なしに直接生産者からコーヒーの買い付けをする会社に就職。
コーヒーに関するさまざまなことをこの会社で学びました。
コーヒーディレクターへの道のり
会社員から独立の道を選ぶのはとても勇気のいる行動だと思います。踏み切れた理由について教えてください。
語学を学ぶことを一番の目的に会社を退職し、念願だったグアテマラへスペイン語留学とコーヒー農園を巡る旅に出ました。
当初はグアテマラだけのはずだったのですが、パナマ以外の中米すべて、キューバ、アメリカを巡る長い旅をしてさまざまなコーヒー農園を巡りました。
海外での生活が最高で「また行きたい! 海外のコーヒー農園を訪れたい!」という強い思いから、自分でコーヒーの仕事をしてみようと2018年の9月に独立。
当時、生豆の選別・焙煎・加工作業・コーヒーの提供までをすべて一人で行う仕事を表す言葉がなかったため、“コーヒーディレクター”という肩書は自分でつくりました(笑)。
いつ頃からコーヒーディレクターとして稼ぎを得ることができたのでしょうか?
最初は身内の方や友人がコーヒーを購入してくださいましたが、ちゃんとした収入に繋がるまではとても苦労しました。
少しずつメディアなどに取り上げていただく機会が増え、購入してくださるお客様が増えていきました。
会社員時代の経験がコーヒーディレクターに生かされていると感じますか?
コーヒー専門の会社に勤めていた経験は、全て今の仕事に生かされています。
特に品質管理の部分は独立前の会社で徹底して学んでいたので、とても生かされていると感じます。
コーヒーディレクターのやりがい、むずかしさ
コーヒーディレクターの活動をする上で、どのようなやりがいや楽しさを感じていますか?
「カフェオロのコーヒーはおいしい」「今までコーヒーが飲めなかったけど、おいしいから飲めるようになった」など、お客様がコーヒーのおいしさで笑顔になってくれることが一番嬉しく、やりがいを感じる瞬間ですね。
逆にむずかしさや大変だな、と思うことはありますか?
すべて一人で業務を行っているので、繁忙期は大変ですね……。
また、現在は新型コロナウイルスの影響からイベントやセミナーが実施できません。
毎年、関西まで年2回出張をしセミナーを開催していたのですが、今はそれも難しい状況です。
コーヒーディレクターとしての目標
どのような想いを持ってこの仕事をされていますか?
「コーヒーで世界をつなぐ」という想いを大切に、コーヒー一つひとつに想いを込めてお客様のもとへお届けしています。
コーヒー1杯で日本の裏側の国の人たちと繋がれたり、提供したコーヒー1杯に「おいしい、ありがとう」と言葉をいただけたり、コーヒーを通じて人と人が繋がる瞬間が大好きです。
これからもこの大好きな瞬間を実感できるように想いを大切に仕事をしていきます。
今後、コーヒーディレクターの活動を通して目指していることを教えてください。
コロナが終息したらできる限り早くセミナーやイベントを開催したいと考えています。
また、コーヒー農園にも足を運びたいです。
コーヒー生産者の方たちと交流し、コーヒー生産国の現状を学びたいです。
コーヒー生産国には日本にはまだ入っていない新しいコーヒーの品種もあるため、そういったものも勉強したいです。
南米、アフリカ、アジア……行きたい国がたくさんあります!
好きを仕事にしたい人に向けてメッセージを
最後に、好きを仕事にしたい方へメッセージをお願いします。
「とにかく行動すること」だと思います。
行動して万が一間違えたり失敗したりしても、また違う道へ行動すればいいのです。
そうして行動していくことで、さまざまな場所で人と繋がっていきます。人との繋がりを大切にしましょう。
人脈は好きを仕事にしていく上でとても大きな財産となりますよ。
山下さんに聞く、コーヒーの3つの魅力
1. 世界中で愛されている飲み物
コーヒーをつくっている人、輸入し焙煎する人、お客様、いろんな人とのつながりと愛で1杯のコーヒーが出来ていると思うと、とてもロマンを感じます。
2. ホッとする
私の日常になくてはならないものです。
コーヒーを飲まないと一日が始まらない、仕事中に飲まないと仕事が進まないなど、コーヒーが心のよりどころになっています(笑)。
3. おいしい
おいしいコーヒーは、しっかりと甘みがあって後味がとてもクリアです。
おいしいコーヒーを飲むと、本当に幸せな気持ちになります。
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