納棺師のやりがい、魅力

遺族からの感謝の言葉が活力に

納棺師のやりがいの筆頭として挙げられるのが遺族から寄せられる感謝の言葉です。

故人を失い、これ以上ないほどの悲しみで溢れている葬儀の場での納棺の儀はベテラン納棺師といえども大きなプレッシャーを感じるものです。

故人とは縁もゆかりもない納棺師が遺族の悲しみに寄り添い故人を敬う様子が所作や表情に現れたとき、遺族から温かい言葉を受け取ることができるといいます。

この瞬間、ほとんどの納棺師が日々の苦労や重圧から解き放たれ、明日への活力を感じることができるといえるでしょう。

もちろん、遺族からの言葉や反応は良いものばかりではないのが現実です。しかし、そういった厳しい意見も仕事への原動力になることは間違いありません。

納棺師の仕事は故人のためのみならず遺族あってこそ成り立っているのです。

関連業者との信頼関係

納棺や湯灌は葬儀の中のほんの一部分にすぎません。したがって、病院や葬儀会社からの委託で仕事を得る場合がほとんどです。

病院も葬儀会社も大体委託する専門業者は固定していますが、これは納棺師の働きに信頼を置いているからこそであるといえます。

委託した納棺師にいい加減な仕事をされては病院や葬儀会社の名に傷がついてしまうからです。

継続して業務を委託される納棺師は病院や葬儀会社の目から見て誠実な仕事をしていることはもちろん、前項のように遺族からの支持があって、信頼関係を築けているのです。

自分の仕事が認められ、信頼されることは納棺師に限らず、やりがいを感じられることであるといえます。

専門技術が感動を生む

納棺師が担う納棺作業は実は特別な資格が必要とされるものではありません。そのため、葬儀会社の職員や遺族が務める場合もあります。

しかし、納棺師は紛れもなく納棺のプロフェッショナル。自社内で厳しい研修を経て、高度な専門知識、技術を習得した精鋭のみが現場に出ています。

葬儀会社の職員や遺族だけで行う納棺は字のとおり、遺体を棺に納めるのみになることがほとんどです。

一方で納棺師による納棺は湯灌に始まり、着衣、メイクなど故人の現世での労苦を労い、安らかに眠れるように願いを込め、段階的に行われていきます。

この洗練された技術が遺族の心を打ち、悲しいはずのお別れを感動的なものにするのです。

自身が苦労して得た知識や技術が人のために役立っていることを実感できる瞬間であるといえるでしょう。

命の尊さを日々感じられる

死は命あるものならば誰もが避けることのできないことです。本来、死を身近に感じるのはやはり身内を失ったときでしょう。

ほとんどの人が大切な人を失って初めてその命の尊さに向き合います。

ただし、納棺師の場合、その業務の特性上、日々人の死に直面することになります。

大きな重圧を感じる一方で日々、命の尊さ、生への感謝を実感できる職種であるととらえることもできるでしょう。

これをありがたいと感じ、日々の仕事へのモチベーションに変えているという話も多く聞かれます。

中にはその思いを手記にまとめたりブログにあげたりしている人もいて、多くの人の心を打っています。

生きることのありがたさを学べるという点は納棺師のやりがいの一つだといえるでしょう。