バレーボール選手の仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介
バレーボール選手の仕事とは
バレーボール選手の主な仕事は、日本バレーボールリーグ機構が主催する日本のトップリーグ「Vリーグ」のチームに所属して公式戦を行うことです。
日本でもバレーボールのプロリーグを作ろうとする動きはありますが、現在のところVリーグは企業チーム中心のアマチュアリーグのみとなっています。
クラブチームに所属する選手はチームと個人で契約を結んでいるため実質的なプロ選手ですが、企業チームの選手は所属するチームの企業で働きながらプレーする社員選手がメインです。
プロ選手、社員選手のほかには、社業は行わずにバレーボールの活動だけに専念している嘱託選手もいます。
Vリーグをはじめとする公式戦で活躍して実力が認められれば、全日本メンバーに選出されることがあります。
全日本メンバーに選ばれた選手は、オリンピックやワールドカップなどの大会に日本の代表として出場することも大きな仕事の一つです。
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バレーボール選手の歴史
バレーボールはアメリカ生まれのスポーツで、最初にプレーされたのは1895年だったといわれています。
日本に伝えられたのは1913年のことで、日本独自のルールが生まれながら少しずつ広まっていきました。
1947年には国際バレーボール連盟が結成されて国際ルールがつくられ、1964年の東京五輪からオリンピックの正式競技となっています。
日本においてバレーボール人気が高まったのは、1964年の東京五輪がきっかけです。
そのとき、日本は女子が金メダル、男子が銅メダルを獲得する活躍を見せました。
1967年には第1回の日本リーグが開催され、その後、日本リーグの後継として1994年にVリーグがスタートしました。
2018-2019年シーズンからはプロ化を見据えてリーグが再編され、「V1リーグ」「V2リーグ」「V3リーグ」という1部リーグから3部リーグまでで構成されるリーグとなっています。
バレーボール選手の組織・所属先
国内のバレーボール選手は、男女ともにVリーグを戦っているチームに所属します。
Vリーグの1部リーグ(V1リーグ)に所属するチームは男子が10チーム、女子が12チームです。
2部リーグ(V2リーグ)は、男子が12チームで女子が8チーム、3部リーグ(V3リーグ)は男子が数チーム(年度によって異なる)、女子は新規参入を目指すチームが少ないため現在は開催されていません。
野球選手やサッカー選手のように数は多くありませんが、海外のプロリーグでプレーしたことのある日本人選手もいます。
男子選手では2002年に世界最高峰のリーグであるイタリアのセリエAに移籍した加藤陽一選手が、海外移籍のパイオニアとして有名です。
女子選手では、日本代表のエースとして活躍した木村沙織選手が2012年のロンドン五輪後にトルコリーグに移籍し、2シーズンを戦いました。
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バレーボール選手の1年の流れ
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1.Vリーグのシーズン中
Vリーグのシーズンは、男女ともに10月頃に開幕し、翌年の2~3月まで続きます。
そのほかにVリーグのチームが出場する大会としては、「天皇杯・皇后杯全日本バレーボール選手権」、「黒鷲旗全日本男女選抜バレーボール大会」、「サマーリーグ」があります。
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2.シーズンオフ
シーズンオフは4月〜5月にかけての約1ヵ月です。
この期間、選手たちは疲れた体を休めて故障や怪我を治したりしてリフレッシュします。
プロ選手や嘱託選手はシーズンオフになると翌シーズンへ向けて契約更改を行い、新たに契約を結びます。
一方、社員選手の場合は契約更改を行うことはなく、シーズンオフは社員として会社の業務に就く選手も多くいます。
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3.次シーズンに向けての準備
5月〜6月にかけては自主トレーニングを行い、チーム練習が始まって少しずつ新シーズンに備えるのが通例です。
全日本メンバーに選出された選手は合宿や国際大会にも参加するため、スケジュールによっては年間を通してほとんど休みなくプレーすることもあります。
バレーボール選手のポジション紹介
「ブロック職人」のセンター
バレーボール選手の「センター」は、基本的にスターティングメンバー6人のうち2人います。
「ミドルブロッカー」とも呼ばれますが、その名の通りにセンターの最も重要な役割はブロックです。
相手のセッターと駆け引きをして、読みや素早い反応で相手のアタックをブロックします。
センターの選手は練習の大部分がブロック練習に費やされ、「ブロック職人」とも呼ばれます。
前衛にいればもちろんスパイクも打ちますが、高いレベルになるとセンターの選手には単にスパイクを打つだけでなく、相手のブロックをかわすための速攻(クイック攻撃)も求められます。
レシーブを専門とする「リベロ」
センターが後衛に下がったときには、「リベロ」と交代することもできます。
リベロはレシーブを専門にする選手で、相手のサーブをしっかりとセッターにつなぐことはもちろん、相手のスパイクを粘り強く拾って守りの面でチームの雰囲気を盛り上げるのが大きな役割です。
リベロはあくまでも守りが専門の選手です。
スパイクを打つことやブロックを試みること、アタックラインより前でオーバーのトスを上げることなどは、ルールで禁じられています。
トスを上げる司令塔の「セッター」
「セッター」の最も重要な役割は、トスを上げることです。
トスをどこへどのように上げるかでそのチームの攻撃が決まるため、セッターは「司令塔」と呼ばれます。
セッターの選手のトスを上げる技術や質が、そのチームの戦略面に大きく影響します。
攻撃の中心となる「アタッカー」
攻撃の中心となるアタッカーは3人おり、役割はレシーブとスパイクを打つことです。
一般にスパイク決定力の最も高い選手がセッターの隣の「レフト」に入り、2番目に高い選手がその対角の「ライト」に入ります。
そして、もう一人の選手がセッターの対角のポジションに入り、「オポジット」と呼ばれます。
高いレベルではレフトは「スーパーエース」と呼ばれ、どんな苦しい場面でも、どんなトスが上がっても、スパイクを決めてくれるチームの大黒柱です。
このスーパーエースは、サーブレシーブとブロックにおいても高い能力が求められます。
ただし、最もスパイク決定力の高いアタッカーがバックアタックも自由に打てるなら、セッターの対角に位置する「オポジット」のポジションに配されることが多いです。
レフトに2番目、ライトに3番目のアタッカーが入ることで、攻撃の幅と威力が増します。
ローテーションによる「配置」のポジション
バレーボールにはプレーの役割によるポジションだけでなく、「配置」のポジションもあります。
スタメンの6選手の配置は試合前に登録され、サーブが打たれるまでは前後左右の配置を変えてはいけません。
サーブ権が相手チームから自チームに移ったときに「ローテーション」が行われ、一つずつ時計回りに配置を移動させていきます。
また、相手がサーブを打つときには、前衛の選手も含めてサーブをカットするための「カーブカットフォーメーション」がとられます。
前衛の真ん中の選手だけを残して5人がアタックラインより後ろに下がり、相手のサーブを受ける準備をします。