美容専門学校はどうやって選べばいい? 現役美容師が振り返る、専門学校のリアルな話
「美容師になりたい」と志す学生の皆さんであれば、美容専門学校に進学する必要があることを、すでにご存知かと思います。
ですが肝心の学校選びについては、どこをどう判断すればイイのか、とても分かりにくいのではないでしょうか?
美容師として働く今なら、「ココを見るとよかった」と振り返ることができます。
では、現役美容師が教える、美容専門学校はどうやって選べばいいのでしょうか?
僕はこうして専門学校を選んだ。その学校選びは正解だった?
僕は当時「より良い環境で勉強したい」と考えて、ファッションの中心地である、都心の美容学校に進学しました。
実際、僕も高校生の頃には選び方がよく分からないまま、「なんとなく」で選んだのを覚えています。
専門学生としての2年間は、本当に楽しい時間でした。
そして、学校で出逢えた同級生たちは、今でも心を通わせる同志だと思っています。
その一方で、相場より高額な学費を親に出してもらったこともあり、その学校を選んだことには後ろめたさも感じています。
その理由は、専門学校で学んだことには、美容師として「実践できる要素」がほとんど無かったからです。
言い換えると、美容師は国家資格を取っても「カットの仕方」すら分からないのです。
僕はそのことを、通学するまで理解していませんでした。
国家資格を取ったのに、カットができない? 美容師の不思議
美容専門学校は昼間部では2年間、通信で3年間通学することになり、その期間は、美容師免許に合格するための授業を受けます。
そして卒業前に行われる国家試験で筆記・実技を合格することで、美容師免許は受理されます。
もちろん、実技試験には「カットの課題」があるのですが、この課題を合格しても、お世辞にも「カットを覚えた」とは言えません。
なぜ学校でカットは覚えられない?
学校生活では、具体的な「ヘアスタイルの作り方」を教えてもらう機会はありません。
その理由は、「試験課題」自体が実戦的ではないからです。
対して学校側にとっては、“生徒が国家試験に合格すること”が目標です。
そのため学校は、「試験課題」を合格するためのカリキュラムが組まれ、その練習に時間を割きます。
残念ながら、学校ではヘアスタイルを作る「具体的な方法論」を教えてもらうことはなく、美容師として必要な技術は「就職した美容室」で、アシスタントの期間に覚えることになります。
専門学校はどう選べばいいの?リアルな学費の話
専門学校選びの重要事項といえば、学費です。
都心の専門学校の場合、高額になりやすい傾向がありますが、都道府県によっては県立の専門学校もあり、学費を抑えることも可能です。
また通信の場合、諸々の条件が付くことが多いですが、圧倒的に安価で通学することができます。
【中間部】 2年間の通学で、200〜300万円
【通信】 3年間の通学で、中間部の1/3〜1/4ほど
やっぱり都心の専門学校がいい?メリットとデメリット
当時の僕と同じように、「ファッションの最先端、東京の学校に進学したい!」と考えている方は多いと思います。
ですが先述した通り、専門学校では「ヘアスタイルの作り方」を教えてもらう機会がないため、どこの専門学校でも「教わる内容は一緒」です。
つまり専門学校が【渋谷、原宿、表参道】でも【地方】でも、学校から教わる内容には、ほとんど違いがないのです。
そして地方出身の場合、寮生活や一人暮らしの生活費も視野に入れる必要があります。
とはいえ中心街では、街行く人のファッションを参考にしたり、集まる同級生や出会う人々の「感度」が高かったり、刺激をたくさん受ける環境であることに間違いありません。
美容師人生は、学校では決まらない
僕は都内で10年以上美容師を続けていますが、ステキな美容師さんを沢山見てきました。
出会った先輩後輩には、地方の学校出身の方も沢山いますし、働きながら通信を卒業した方も多くいます。
彼らに共通するのは、それぞれの志や目標に向かって行動した人だ、ということです。
学校選びだけでは、自分の美容師人生は決まりません。
どの選択をしても、そこで努力する人が美容師として輝けるのです。
この記事が皆さんの将来の参考になれば、幸いです。
僕は「意外と知らない髪の毛の話」や「美容業界の話」などを、noteでも書いています。
操作イトウのnote @美容師なのにライター
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