消防署で働く救急救命士の実情
私は、現役の消防士でもあり、救急救命士でもある中堅職員です。
今回は、消防署で働く救急救命士の実情について記事にしました。
救急救命士の資格を取得して、消防署で働きたいと思っている方の参考になれば幸いです。
消防本部の規模によって働き方が違う
消防本部の規模によって、働き方に違いがあります。
それぞれの働き方について、みていきましょう。
大規模消防本部
大規模消防本部では、専任救急隊として常に救急隊として出動します。
火災や救助があっても、消防車には乗らず救急隊として出動するのが専任救急隊です。
数多くの現場経験が積みやすく、救急に対する知識や技術を思う存分発揮することができます。
「救急隊一本で頑張りたい」という方は、大きな都市の消防本部に入ることをおすすめします。
小規模消防本部
私は、地方消防に勤務しています。
職員数は150名程度の消防本部です。
小規模消防本部で働く場合は、火災があれば消防車に乗り換えて出動しなければならない場面も多々あります。
救急の知識だけではなく、火災、救助の知識・技術も磨かなくてはなりません。
救急救命士だから「救急の事だけしていればいい‼」とはいきません。
「せっかく消防士になったのだから火災現場に行って火も消したい」
そのような方は、地方の消防本部に入ることをおすすめします。
私は、このような違いがあることを知らずに受験しましたが、事前に確認しておくことで、後悔しない消防署選びができると思います。
救急救命士が小規模消防本部で働くメリット
先述したとおり、私は小規模消防本部で勤務している救急救命士です。
この規模の消防本部で働くメリットをご紹介します。
救急件数が多すぎない
大都会の救急隊は、1日に10数件の事案に出動することが多々あります。
このため、昼食や夕食が決まった時間にとれないことも普通にあります。
仮眠もまともにとれないこともあります。
そのため、不規則な生活になりがちで、体力勝負のところがあります。
体力に自信があり、救急隊としてバリバリ働きたいという方はいいかもしれません。
対して、小規模消防本部はどうでしょう?
救急件数としては、忙しいところで1日5件が平均的です。
都会の救急件数の半分程度ですね。
このため、常に救急出動していることは少なく、空いた時間で火災や救助の訓練を行うこともできます。
また、深夜の救急事案も少なく、仮眠をしっかりとることもできます。
やはり人間は、睡眠の質は大切です。
睡眠をしっかりとることができれば、健康を害すことなく仕事に打ち込むことができます。
自分に合った消防本部選びが重要です。
受験する前に、受験予定の消防本部の規模や1日の救急件数を調べておきましょう。
プライベートが充実する
先述しましたが、小規模消防本部では救急件数が少ない傾向にあります。
このため、勤務明けの非番や公休を寝て過ごすことが少なくなります。
この時間を使って、プライベートを充実させることができます。
趣味に使うも良し、家族との時間に使うも良しです。
仕事とプライベートを両立することができるのが、小規模消防本部ならではのメリットです。
様々な業務に携われる
消防には予防業務という仕事もあります。
火災を未然に防ぐことも、消防士の務めです。
この予防業務の知識は、小規模消防本部では必須となってくる知識です。
大規模消防本部では、専門の方がやる仕事も、小規模なら携わることができます。
救急救命士でもあり、予防業務もこなすことは、大規模消防本部では考えられないことです。
色々な業務に携われることも、メリットだと考えます。
救急救命士の給料事情
消防士は、地方公務員のため基本的に自治体の給料形態に沿ったものになります。
救急救命士の場合、責任は重く、重要な業務であることから、手当が支給されています。
私の勤務している消防本部では、救急救命士の資格保持者は救急1件につき、700円が手当として支払われます。
私は、1か月に約30件の救急に行きます。
計算すると、700×30で21000円の手当が基本給とは別にいただくことができます。
また、深夜の救急では、時間外手当も付きます。
このことから、救急救命士は、資格を持っていない消防職員より給料は多くいただくことができます。
お金でモチベーションを上げたくありませんが、その分しっかりやらなければならないという責任感が生まれています。
今回は消防署で働く救急救命士の実情について紹介しました。
消防は自治体の規模によって、大きく働き方が違います。
受験する前に、しっかりと消防本部について調べて、自分のワークバランスに合わせた選び方をしましょう。
最後に、消防や救命士向けの情報発信ブログをやっています。
ご興味がある方は、遊びに来てください。
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