ツアーコンダクターを目指したきっかけと入社までの経緯
「なんでツアコンになろうと思ったの?」っていう会話は当時のツアコン仲間達とも時々話題に上りました。
ある意味ユニークな仕事だからお互いに興味があったのだと思います。
この職を選んだ動機も人それぞれの成り行きとかあると思いますが、私についてのことでしたらお伝えすることができます。
もしツアコンを考えている読者がいたら、自身にとってはどんな想いがあるのかって考えるのも素敵なことですよね!
アメリカから帰国して考えた職業
当時39歳だった私は数年在住していたアメリカから帰国しました。
とりあえずは何か仕事をしなければと思い、数か月はバイトでなんとか食べていました。
やがてやってみたいと思い当たった職業がツアーコンダクターでした。
アメリカにいたときにツアコンの仕事内容を特集した日本のテレビ番組を見た記憶がありました。
すごい仕事だなーって印象に残っていたので、これが一つのきっかけとなっていたことに気付いたのです。
番組を見た当時はツアコン職の意識は全く無く、帰国後にこの仕事への憧れが芽生えていました。
しかし調べてみると年収が私の希望とマッチしなかったので憧れから除外しました。
ツアーコンダクターでなければダメ!
その後、何週間か経ち、改めて自分にとっての職業ってどんな意味があるのだろう、とか、どういう仕事じゃなければいけないのか、そういう自分の深い価値観に向き合う機会を持ちました。
一度は頭から完全に離れたツアコンでしたが再度ツアコンに戻って決断したという流れだったのです。
・旅行好きなので興味を持って取り組めるに違いない。
・英語スキルは仕事には有利。
・他人に声をかけるのは得意だから向いていると思う。
・仕事への責任に不安はあるけどダメ元でもやってみたい。
・大人数を対象にする仕事にもチャレンジもしてみたい。
・旅行に参加する人への奉仕は僕にとっての満足感になりそう。
・自分を幸せにする職業かもしれないという希望があり、今の僕にはツアコン以外は考えられない。
ツアコン専門の派遣会社に応募
採用情報によると応募には女性が有利でした。
男女とも応募可能の会社でも年齢制限はありましたが、ツアコン専門の派遣会社2社に応募することができました。
1社は面接のみで、もう1社は定期的に説明会が開かれていたので参加の予約を取りました。
説明会では、会社の事業、取引先の旅行会社、ツアコン業務の具体的な内容、そして入社試験、最後に面接、この一連が行われました。
説明会でツアコンの実態を聞いて驚き!
当日は私を含めて10名くらいの参加で、この場で初めてツアコン業務について具体的な内容を知ることができました。
多分、他の参加者も自身がイメージしていた業務内容と現実とのギャップに気付かされたと思います。
自分もそうで、ツアコンの仕事はツアー参加者を案内することが主な仕事だとイメージしていましたが、説明会ではもっと現実的なことを聞きました。
ツアーコンダクターの正式名称は旅程管理主任者で、普通は単に添乗員と言われるとのこと。
その業務内容を短く言うと、
いつ、誰が、どこに行って、何をするのかしないのか、ということを確実に実行するために、ツアーに同行しながら管理をする
ということだったのです。
しかも説明者が強調していたのは、
ツアー中に問題や事故が発生したらその対応もしなければならない、病人も出ます
ということで私は
「えっ、責任重すぎ!ツアコンはみんなそうなの?」
と、驚きとプレッシャー感が生じました。
それと同時にそれくらいやりがいがある仕事だなと解釈してました。
説明担当者は、
「入社後の研修では添乗の為に必要なことを習得していただきます」
「会社では添乗員になりたい人を、デビューしたあともサポートします
という援助的なメッセージも話していた覚えがあります。
それで私は
「そっか、教えてくれるのなら教わればいいんだ!」
と不安が少し和らぎ真剣さも増しました。
システムがしっかりしてそうなので信頼性もありそう。
入社試験と採用
説明会を終了まで聞いた人は、入社希望を確認の上、筆記試験を受けることになるのは予め知らされていました。
ですからこの時点で入社を希望しない人の何名かは退席しました。
試験の問題で今でも覚えているのがあります。
“「レストラン」を英語スペルで書きなさい”
“あなたの自宅からここまでの道のりを具体的わかりやすく記述してください”
とか、なるほどと思いました。
面接と採用のお知らせ
試験のあとは3名ずつ単位で一度に面接を受けました。
他人がいてもきちんとした言葉のやり取りができるかを試されたのかも。
最後は
「採用された場合は何月何日から研修となります。この日程で参加できますか?」
と決断力が試されたような質問でした。
結局は2社両方から採用のお返事をいただき嬉しかったですが、説明会に参加した方の会社に入社しました。
その後の研修などはまたの機会にお伝えしたいと思います。
研修同期のツアコンメンバーからこの仕事をしたい動機をいろいろ聞いたら、
「ツアーに同行するのって楽しそうだから」
「旅行が好きだから」
「お客さんかから感謝されるから」
「自分の得意が生かせそうだから」
「なんだかこれかなと思ったから」
などなどでしたが、実際の振る舞いは真剣で真面目だったのを多く見て来ました。
(逆のケースもいましたが)
「あなたはなぜツアコンを目指しているのですか?」
「そこにツアーがあるから」
みたいな、質問者と返答者の間に共通な何かが欠けているから的確な言葉で表せない、というようなことかもしれません。
素晴らしいベテランのツアコンでもあっけらかんな動機を口にした人もいました。
動機はどうであれ情熱を注ぎたくなる人は長く続くようですね。
何がそうさせているのか、それがまた深いです!